#45 「THE FORMAT」
今回の読書録は「THE FORMAT」
副題は「文章力ゼロでも書ける究極の「型」」です。その名の通り、多数のドキュメントの型が紹介されていました。
この読書録ではその型を紹介するというよりは文章を書く(残す)ことの重要性を主軸にまとめてみようと思います。
話すより書いて残す方が早い
著者の会社はコロナ前からずっとフルリモートの組織運営をされており、社内のやり取りはテキスト中心だそうです。オンライン会議や電話ではなく、あえて文章でのコミュニケーションを推奨されています。
こう書くと「テキストコミュニケーションよりも直接話した方が早くない?」と思う人も少なくないと思います。私もそうです。ただ著者は「話すより書いて残す方が早い」と主張されています。これには明確な理由があります。
基本的に仕事は複数人でコミュニケーションをとる必要があります。私とAさんが2人で直接会って話したことは、BさんやCさんにも共有します。後でDさんやEさんがメンバーに加わったらまた同じ話をしなければなりません。
こう考えると私とAさんは直接会って2人だけで話すべきなのでしょうか?もしそのやり取りを文章で残しておけば、BさんもEさんもそれを読めばわざわざ話す必要はありません。文章で残せば話すより早く、正確に情報共有ができるでしょう。
つまり「書く、読む」で仕事を進めるとチームでの仕事のスピードが上がる、というのが著者の主張です。これは著者がコロナ前からリモートワークを7年以上経験し、1,500人規模の会社をやっていることもあり、そう確信しているそうです。
これを読んで私は盲目的に「チャットやメールより話した方が早い」と考えないようにしようと思いました。1対1で完結するのであればいいのかもしれませんが、web制作はチームで進める仕事です。また対面のミーティングを増やすと双方の時間が多分に奪われます。テキストで完結できる、残した方がチーム内のやり取りが円滑になると判断できるものは文章で残そうと思いました。
仕事における文章の目的と達成へのポイント
仕事における文章の目的は「全員が、スムーズに同じ理解にたどり着くこと」だと著者は述べています。
ではどうしたらこの目的を達成できるのか。
例えば地図でいうと目的地にたどり着くために必要な項目は
今いるところ
行き先
かかる時間
目印
予想される注意点
以上が明示されていれば初めて行く場所でも全員が同じ場所にたどり着けるはずです。
これらを文章に置き換えると
今いるところ→現状報告
行き先→目的
かかる時間→締め切り
目印→論点、気をつけること
予想される注意点→メリット、デメリット
になります。これらが押さえられていればわかりやすい文章となり、全員が齟齬なく理解できると著者は述べています。
個人的には"締め切り"や"論点"を明確に書けてないケースはある気がします。キチンと押さえていきたいです。
テキストコミュニケーションは遠慮しないことが重要
「書く、読む」のテキストコミュニケーションが難しい理由は情報量の少なさにあります。対面ではわかる表情や動作が見えないため、相手のテンションや感情といった情報が取得できません。
だからこそテキストコミュニケーションでは遠慮しないことが重要です。
ここでいう遠慮しないというのは
わからないことはわからないと伝える
細かく、何度も確認する
具体的な数値や日付を聞く
こういったアクションをとることです。
例えばこちらが依頼したことを承諾してくれた相手に「大丈夫かな…無理させてないかな…」と思うのであれば「色々とお願いしましたが、スケジュールなどご無理をかけていないですか?」とそのまま聞いてみましょう。
一般的に察する能力の高い人ほど、質問するのに気後れを感じてしまうようです。"嫌がらないかな…"や"手間を増やさないかな"…と。
ただ上記にも書いたようにテキストコミュニケーションはどうしても情報量が少ないので、情報量を増やすためには聞くしかありません。仕事で大事なのは「間違いなく理解すること」です。遠慮して認識に齟齬が生まれてしまっていては何の意味もありません。
現実は難しいこともあるでしょうが、意識としては持っておきたいですね。
1トピック、1メッセージを徹底する
「メールやチャットを何件も送るのは失礼かもしれない…」と考えて、1つのメールやチャットに複数の相談事や確認事項をまとめて送ってしまったことはありませんでしょうか?私はあります。
ただこれは悪手だと著者は述べています。
なぜなら相手が長い文章を読む時間がなかった場合、「長いから読み切れない、理解できない」と返信を先延ばしにされてしまうことがあるからです。
また2つの相談事のうち1つの返信に集中してしまい、もう1つの件には触れられていない(返事がない)なんてことも少なくありません。こうなるともう1件の返事をもらうために再度連絡しなければなりません。聞く側の心的負担も大きいでしょう。
1回のメールやチャットには1つのトピックしか書かない。2つ聞きたいことがあれば2通に分ける。早速取り入れたいと思います。
以上、THE FORMATの読書録でした。
冒頭にも書いたように、この本の肝は多数紹介されている"フォーマット"です。場面ごとに使えるさまざまな型が紹介されています。上手く使えばテキストコミュニケーションの効率化につながるでしょう。
私が抽出したのはどちらかというとテクニックやメンタル的な部分なので、これらをふまえた上で「フォーマットを手に入れたい」という方はぜひお買い求めください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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