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#41 「いま、あなたに必要なのは答えじゃない。問いの力だ。」

今回の読書録は「いま、あなたに必要なのは答えじゃない。問いの力だ。

Kindle Unlimitedでみつけた1冊です。
"問い"が大事という話はよく聞きます。ただ自分の中ではまだピンと来ていないので、この本を読んで勉強してみたいと思いました。
気になった部分をまとめてみます。


問いとは何か

本書では問い(問題)を「現状と目標のギャップである」と定義しています。よく聞く考え方です。

印象的だったのが著者がここでいう"現状"を「望ましくない現象」とネガティブな意味で定義していたことです。
これは"現状"をひっくり返して「望ましい現象(つまり"目標")」を聞きやすくするためです。最初から目標を明確にできる人もいるでしょうが、なかなか難しい。あえてマイナスの切り口、つまり望ましくない状態を聞くことで目標を明確化していく方がスムーズだと著者は述べています。「こうありたい」よりも「こうはありたくない」の方が確かに考えやすいかもしれませんね。

望ましくない現象と望ましい現象を聞き、その間にあるギャップが問い(問題)である。問いを導く上で再現性の高い手法だと思いました。

失敗した時の問い

何かに失敗した時の問いには2つの選択肢があります。

  1. なぜうまくいかなかったんだろう?

  2. どういう状態になったらいいんだろう?

人は1をよく口にしてしまいがちですが、これは「悪い問い」の典型であると著者は述べています。
理由は目標を明確にしていないからです。

先ほど書いたように問いとは現状と目標のギャップです。なぜうまくいかなかったんだろう?という問いには目標がありません。目標がないということは問いではない、つまり解決しないのです。
仮にうまくいかなかった理由がわかったとしても、目標がなければその失敗によってその人やチームが前進したかどうかもわかりません。またうまくいかなかったという過去に目を向けても、そもそも何も変えられません。

逆にいうと「どういう状態になったらいいんだろう?」の問いの中には目標があります。目線も未来を向いているため、自分たちを変えるためのアクションが講じられます。あとはこの思考回路自体がポジティブであるという点も重要です。チーム内のモチベーションを高めるという意味でもこの問いは有効でしょう。

言われてみてればそうだな、と思いました。これからは何かに失敗したときはうまくいかなかった理由を考えるのではなく、「どういう状態になったらいいのだろう」と考えるようにしたいです。

人のせいにしても問題は解決しない

「人のせいにして問題が解決しますか?」

こう聞かれて「します」という人はいないと思います。ただ現実は問題を上司のせいや部下のせいにしてしまうことはあるでしょう。
人のせいにする人を見ると私たちはどう思うでしょうか。いつか自分のせいにされるかもしれない…あの人には近づきたくない…そんなふうに感じるでしょう。

このように他人のせいにしてはいけないというのは理解できると思うのですが、さらに注意しなければならないのは「自分のせいにする」ことです。
これはいわば「自分という人にせいにする」と同義です。

そもそも失敗しようと思って失敗するような人はいません。自分を責めても問題解決にはなりません。それどころか下手をすると自分を精神的に追い込んでしまいかねません。

人のせいにせず、自分という人のせいにもしない。では何に原因を求めればよいのか。著者は「思い込みのせい」にすることは一つの手段であると述べています。
例えばプロジェクトでは想定外のことが起きます。そのときに個人のせいにするのではなく、チーム全員で「どこに思い込みがあったのか」を考えるのです。
「〇〇はスムーズに進む」「××はたぶん大丈夫」といった思い込みがきっとあったはずです。

「人にせいにするか?」という問いは人を孤独にするか、仲間と成長するかを決める分水嶺となります。人のせいにすることは、最も非効率的な問題解決の方法であると著者は述べています。肝に銘じておきたいです。

あと私は割と自分のせいにしようとする思考回路なので気をつけたいと思いました…


以上、いま、あなたに必要なのは答えじゃない。問いの力だ。の読書録でした。

問いとは現状と目標のギャップである。この考え方はあらゆる本で出てきます。きっとそれだけ大事なことなのでしょう。
あと本文中に書きませんでしたが、いい問いを導き出すためにはいい目標も大切です。つまり自分たちはどうありたいかをキチンと考え抜くことが重要であり、それがあってこそ良質な問いが生まれるわけです。

シンプルな本でしたが、さまざまな示唆に富んだ1冊でした。気になった方はぜひお買い求めください。


最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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