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第20号 脳への電気刺激で世界を"視る”(前編)、どのように文献を管理していますか?

// 2021年9月20日 第20号
// 1. 今週の注目ニュース:脳への電気刺激で世界を"視る”(前編)
// 2. 質問コーナー:どのように文献を管理していますか?

こんにちは、東京大学の池谷裕二研究室で脳・老化・人工知能の研究をしている紺野大地です。

Twitterでも紹介しましたが、NeuroTech Analytic社による2020年のNeuroTechレポートはかなり重厚でとても勉強になります。
ダウンロードにはメールアドレスの登録が必要ですが無料なので、興味のある人はぜひ見てみると良いのではないでしょうか😊


では、今回も始めていきましょう!

1. 今週の注目ニュース:脳への電気刺激で世界を"視る”(前編)

今号と次号は2週連続で「脳への電気刺激で世界を"視る”」というテーマを考えてみます。
以前「脳に情報を「書き込む」(前編)」というnote記事を書きましたが、今回はその中でも「脳への視覚情報の書き込み」という点に焦点を当てて考えてみたいと思います。


神経科学やブレインテックの発展を考えるうえで極めて重要なのが「脳情報の読み取り(read-out)」「脳への情報の書き込み(wtite-in)」です。

脳情報の読み取り・書き込み

このうち、「脳情報の読み取り」については近年急速な進歩を見せており、見通しは比較的明るいと言えるでしょう。

最近では、毎分90文字のスピードかつ94%以上の精度で「考えていることを翻訳できるBrain Machine Interfaece」が開発された、という研究もありました。
人工知能の進歩も相まって、「脳情報の読み取り」の精度は加速度的に上昇しています。

一方で、「脳への情報の書き込み」はまだまだブラックボックスです。
「脳をどう刺激すればどのような感覚が得られるか」の知見がまったく足りておらず、脳情報の読み取りに比べてまだまだ遠い道のりであると言わざるを得ません。

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