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スクラムで実際に患ってしまったゾンビスクラム病の改善アクションを考える part3


はじめに

この記事は、前回投稿した「スクラムで実際に患ってしまったゾンビスクラム病の改善アクションを考える part2」の続きです。
part1、part2 を読みたい方は下のリンクからどうぞ。

症状⑤:計画駆動型の管理が妨げになっている

スクラムチームのスプリントを覆うように入念な長期プロジェクト計画や年間リリーススケジュールが作成され、その計画や締め切りを守れたかどうかだけでチームの成功を測られてしまう、そんな状態を計画駆動型の管理と本書では言っています。
これの何が悪いのか、それは、アウトカムが一切評価されず、アウトプットの量やアウトプットが期日までにされたかどうかのみにステークホルダーの関心が寄せられることにあると思います。

改善アクション

ステークホルダーにアンケートを回答してもらう

以下のような質問を用意し、ステークホルダーの満足度を計測するアンケートを作る。1 ~ 7 の 7 段階で回答してもらう。

1. 質問、ニーズ、課題に対する私たちの対応にどの程度満足していますか?
2. 投資したお金や時間に対して、私たちが届けた結果にどの程度満足していますか?
3. 機能、アップデート、修正を届けるスピードにどの程度満足していますか?
4. 今の調子で進むと、半年後の満足度はどの程度になると思いますか?

Christiaan Verwijs, Johannes Schartau, Barry Overeem.

ゾンビスクラムサバイバルガイド 健全なスクラムへの道.

丸善出版, 2022年, p.133.

この質問たちはステークホルダーにアウトカムに目を向けてもらうきっかけになるはずです。

最初は回答率が低いことも想定されますが、「この結果が今後のプロダクト改善のための道しるべになる」ということを添えて回答をリマインドするのが良さそうです。

症状⑥:ゾンビスクラムでは、具体的な改善をしていない

スクラムではスプリントレトロスペクティブで改善のためのアクションを考える必要があるが、ゾンビスクラムでは具体的な改善アクションをださず、「ステークホルダーとのコラボレーションを強化する」といった曖昧な改善案をだしてしまいます。

自分のチームでも問題が大きすぎて、何から初めて良いかわからず、結果なにもアクションしなかったり、レトロスペクティブの時間が足りず、具体的な改善案をだすことができずに終わってしまったり、ということが長く続いていました。

改善アクション

小さく始められて、すぐに成果を出せそうな事から始める

あらゆる問題の解決には、まずは小さく始められることから始めるべきだと思っています。
問題が大きすぎれば、その問題を細切れにして、その小さくした問題の解決にあたるのでも良いでしょう。

改善レシピを作成する

問題の解決のために、レシピを作成するというやり方も本書では紹介されていました。
料理本が材料、手順、完成品を紹介するように、レシピを作成します。
そのレシピには、「目的(達成しようとしていること)」「人(巻き込む必要がある人)」「手順(やることとその順番)」「成功(レシピがうまく進んでいることを確認する方法)」を記載します。

確かにここまで具体的にできれば、そのアクションを実行可能にできそうです。
このプラクティスはスクラム外のしごとや問題の解決にも活きてきそうですね。


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