![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/125371988/rectangle_large_type_2_44b4c612cc7edbaa190f20b684fbd52f.png?width=800)
ただ壊すだけなら誰でも出来る
動画サイトなどを拝見していると、
自宅なのか、自己所有物件なのか、を大胆に解体して、DIYしている動画をよく見かけます。
プロが撮影して公開している動画も多いですが、
中には、そうした動画を参考にした?と思われる動画もたくさんあり、
時々、ドキっとしています。
何でもそうですが、
壊してはいけない箇所がありますのでご注意ください。
■解体工事業者もプロである
1、解体工事の印象
解体工事と言うと、大きな重機を使って、建築物を荒っぽくドカーンと壊している印象かもしれませんが、
それは、建替えするなど建物を完全に解体して更地にする場合だけです。
リフォームの場合や部分的な解体工事の場合、重機は必要最小限となり、
基本的には手壊しとなる場合が多いです。
どちらの場合にも、解体する前の準備(養生など)、解体する手順、廃棄物の分別、などの段取りが必要となり、
更に、リフォームの場合には、残す箇所の見極めも必要となります。
2、なぜ大工職人がリフォーム現場を解体しているのか
リフォーム現場の多くでは、
実際にその現場でリフォーム工事を行う大工職人が既存の解体を行うことが多いと思います。
弊社の場合は、ほぼ100%です。
なぜなら、壊しながら、直し方を考えているからです。
どこまで壊して、どうやって復旧していくか、を考え、想定以上に壊すのか、それとも、既存を活かすのか、などを現場監督や設計者と相談しながら進めていきます。
3、気軽に壊していくのは危険
リフォームの場合、
基本的には、復旧できない者が解体工事を行うのは危険だと私は考えています。
なぜなら、復旧できない者は建築の基本を理解しておらず、大事なものかどうかの判断が出来ないからです。
なぜ、安易に壁を壊し、柱を撤去してしまうのか?
その根拠は何なのでしょうか?
4、古い住宅ほど耐震性が低い
古い住宅は現行基準で考えると耐震性が低い です。
そして、構造を理解せずに壊していけば、更に耐震性が低下していきます。
また、床材や壁材、天井材など、本来躯体ではないものでもっているような危険な状態の家も良く見かけますので、躯体ではないからと安易に解体したことで、危険度がグッと高まることもあります。
私たちのような大工がリフォーム現場を解体していく場合、
状況を見ながら、一時的に補強しながら作業していきます。
5、DIYは自己責任ですが2階建て以上はご注意ください
平屋建て住宅であれば、上階の荷重が掛からないので少しは危険度が低くなりますが、2階建て以上の住宅の下階を解体する場合には特に注意が必要です。
壊す前に、一呼吸入れて、本当に壊して大丈夫か、考えてみてはいかがでしょうか?