船頭のいないリフォーム現場
Q 住宅の新築工事現場とリフォーム工事現場、新人の現場監督に任せるならどっち?
A 新築現場です。
※建築士がデザインする新築現場、高級素材をふんだんに使用する新築現場、器具交換のみで完了するリフォーム現場、などは除きます。
流石に、新人一人に任せっきりにするような会社は無いと思いますが、
どちらかを選べと言われれば、私なら迷うことなく新築現場にします。
新築工事は流れがだいたい一緒
それは何故かと言いますと、
新築現場は住宅の間取りや仕様は異なったとしても、
工事の流れはだいたいいつも決まっているからです。
更地の状態から、基礎工事、上棟、木工事、外部工事・・・、
となりますので、馴染みの職人さんたちが施工している現場であれば、
互いに連携も取れていますし、毎日現場を見ていれば、
施工のタイミングや材料納入のタイミングなどもそれほど外さないと思います。
一方、リフォーム現場には新人は厳しい
では、リフォーム現場はどうかと言うと、
何らかの判断に迫られる頻度が高い上に、現場ごとに毎回異なる点が多いので、なかなか新人に監督させるのは難しいと思います。
ただ、新人でも判断や責任を負える監督がいるだけでも良い方かもしれませんが・・・。
現場監督が名前だけ、もしくは、初めからいない現場
たくさんの現場を抱える建設会社では、
全ての現場を監督するのは非常に困難です。
そもそも、リフォーム現場などでは現場を管理する費用と言うのを見積りに謳っていないことが多いので、管理のための経費が取られておらず、
初めから現場任せになっていることも珍しくありません。
それは船頭さんが乗っていない船のようなものですが、
波がずっとおだやかであれば、意外と真っすぐに船は進んでしまうことがあるので、それでいいと考えられているのかもしれません。
リフォーム現場は波が多い
ですが、リフォーム現場、
特に新築時に自社で施工していない現場では、
何らかの波が起こることが珍しくなく、
リフォーム現場こそ、監督する人間が必要だ
と私は感じています。
また、一日の現場の変化も大きいので、
現場で確認しながら、指示を出したり、変更したり、
適宜判断をしていかなければなりません。
こんなスピード感のある現場で、
「現場に行けないのでちょっと待ってください」とか
「上司に確認します」とか
「現場に任せます」とか
言っていたら、現場はめちゃくちゃになってしまうかもしれません。
監督は図面は描かないが、図面は読めなければならない
お客様との打ち合わせをしたり、
図面を作図するのは営業や設計の方かもしれませんが、
それを現場の職人に確実に伝えるためには、図面を理解していなければなりません。
ちなみに、ゼネコンなどの大規模建築物の現場では、現場監督さんが詳細図面などを描かれることがあるそうですが、住宅の現場では描くことは稀だと思います。
ちなみに、弊社のような町の小さな工務店では、
営業も設計も現場監督も一人で行っていることは珍しくなく、
場合によっては施工までこなしている親方も多いです。
現場に判断させるのはいいが
責任まで現場に負わせる会社もあるそうです。
何かあったら業者のせい、現場のせい、
と言うのでは、元請け会社とは言えませんが、
元請けにすらならずに、丸投げしている窓口会社も多いそうです。
もちろん、仕事を取るための営業力が企業にとって最重要とも言えますので、窓口は大切であることは間違いないですが、
「取ったら後は知りません」
と言うのでは、あまりに寂しいですよね。
そのことをお客様にきちんと説明してご納得いただいていればいいのでしょうか?
工務店とは対極ともいえる考え方なので、企業理念、経営理念などは分かりませんが、お客様に選ばれるだけの魅力があるということですので、私たち工務店も変化を恐れず、時代に対応していかねばなりませんね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。