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いつもは見て見ぬふり

地震や豪雨などの災害復興の映像を見ていると、大量の瓦礫の処分と共に汚れてしまったり、壊れてしまった大量の日用品などの処分にご苦労なさっている様子が見られます。

しかし、瓦礫はともかくとして、日用品などの物たちは、災害によって発生したものでは無く、ご自分たちの意志で増やしていった物たちですので、これらを整理するだけでも災害対策につながるのではないかと感じています。


■物多いと感じる基準

1、同じものがダブっている

似たような用途の物が複数個保管されていたり、消耗品が大量にストックされていたり、すれば物が溢れてきます。

所有物がダブってしまう要因の一つとして、物の所有状況が把握できていない事が挙げられます。
持っているのに買ってしまう、ストックがたくさんあるのに買い足してしまう、ということです。

災害時に備えて備蓄するためであれば一定量のストックは必要ですが、
SNSなどの誤情報などに踊らされて在庫を買い漁るなどするのは災害復興の妨げにすらなる可能性もあります。

2、物のしまう場所が決まっていない

「出したものは、元の場所にしまいなさい」

と子どもの頃に親や学校の先生に教わった記憶がある方は多いと思いますが、これはここにしまう、それはそこにしまう、
と【しまう場所】があるということを学んできている思います。

しかし、いつの間にか、そのことが記憶から薄れていき、
出したものが元の位置に戻らない、戻せない、状況になっていないでしょうか?

物がきちんと納まる場所が定まっていない、定められないというのは、もしかしたら、物が管理できないほどに多すぎるのかもしれません。

3、収納から溢れ出している

これはとても分かりやすいと思いますが、
クローゼットの外に置かれた衣類、床に積み上げられた書籍、棚の上に乗せられた食料品、などは本来納まるべき収納から溢れ出してきた物たちです。

収納は家々によって量に違いがありますが、どこのご家庭でも有限です!

大事なことはその家の収納に合った量の物を保管することです。

4、用途通りに使えない

テーブルの上に所狭しと物が置かれている状況では、食器を置くのにも苦労します。

キッチンの天板、コンロ、流しの周りに物がたくさんあると調理するのに苦労します。

床に物がたくさん置いてあると、掃除機をかけるのも一苦労ですし、ロボット掃除機は身動きが取れなくなります。

本来、出来るはずの行動を物があることで阻害しています。

■収納の考え方

1、収納が足りるかどうかではない

新築住宅のプランニングをご相談する際に、
「これで収納が足りるかな?」
とお悩みになる方が少なくありません。

しかし、不思議なことに、
どれほど大きな収納を持つ住宅を建てても、収納は殆んどいっぱいになってしまいます。
収納があればあるだけ物が増えてしまうのです。

詰まり、足りる収納を造るのではなく、収納に納まるように物を調整するのが正解ではないかと思います。

2、収納も坪単価に入っている

住宅を建てるコストを算出する指標の一つとして「坪単価」という良く分からない物がありますが、建設費を面積で割った単価と言うことらしいですが、詳細ではなく、概算として把握するにはいいのかもしれません。

収納はなるべくたくさんほしいというご要望は良くあることですが、坪単価の発想で考えますと、収納を増やせば増やすほど床面積も増えますので、建設コストは増大していきます。

居住空間ではなく、物をしまう場所にコストを掛けるということについては、冷静にご検討されることをお勧めします。

3、広い収納は使いづらい

納戸や小屋裏収納、ウォークインクローゼット、などある程度の広さがある収納空間は活用するのが少し難しいです。

なぜなら、歩くためのスペースが必要だったり、奥に置いたものが取出しずらかったり、するからです。
置くもの、置く場所を予め考えて設計しないと、宝の持ち腐れになるかもしれません。

■断捨離は簡単ではない

今あるものを減らすのは難しいですよね。
ダイエットと同じくらい大変ではないかと思います。

可能なら、初めから増やさぬようにしたいものです。

■最後までお読みいただきありがとうございます