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定時株主総会 と 役員変更

【はじめに】

6月と言って、皆さまの頭に思い浮かぶものはなんでしょうか?
梅雨、衣替え、祝日がないなど色々あると思いますが、6月は株主総会が集中する時期でもあります。そこで、今回は定時株主総会と役員変更を取り上げてみたいと思います。

【定時株主総会について】

6月は株主総会が集中する時期です。
テレビやウェブニュースにおいても企業業績に関する報道が多くなります。トヨタ自動車の純利益が2.8兆円に上るとのニュースは耳に新しいところです。
では、どうして6月に株主総会が集中するのか、会社法の規定を挙げて解説します。

株主総会に関する、3つの条文を挙げてみました。これらを解説すると
① 会社は事業年後毎に計算書類を作成する。
② 事業年度終了後の一定の時期(3ヶ月以内が一般的です)に定時株主総会を開催する。
③ 開催した定時株主総会において計算書類の承認をする。

という計算書類の作成から承認までの流れを規定しています。
そして、日本の会社は事業年度末を3月末(いわゆる3月決算)とする会社が多いため、計算書類を承認する定時株主総会が6月頃に集中して開催されることとなります。

ちなみに、計算書類とは、事業年度毎の会社の財産状況を表す貸借対照表や会社の業績を表す損益計算書等のことであり、これらは会社に関する日々のお金の動きを記録した会計帳簿に基づき作成されます。
そして、計算書類は取締役・監査役が承認・監査をした上で定時株主総会において株主に報告され承認を受けます。
これら一連の手続きを決算と言い、決算を経ることで配当可能額が確定し、株主に対して配当をすることが可能となります。
株主から会社に対する出資から決算を経て配当に至るイメージは下記のとおりです。

【定時株主総会と役員変更について】

ここまで、定時株主総会が事業年度毎の計算書類の承認をする株主総会あること、3月決算の会社が多い日本においては、6月に定時株主総会が集中することを解説致しました。

ところで、定時株主総会においては役員の改選もおこなわれます。上場会社の株主総会参考書類等には改選される役員のプロフィール等も同封されていますので、ご覧になったことのある方も多いと思います。
では、定時株主総会において、なぜ役員を改選するのか、改めて会社法の規定を見てみましょう。

この規定は、定時株主総会と役員任期との関係を結びつけています。つまり、この規定によって、取締役の2年なり10年なりの任期が定時株主総会の終了する時に、任期満了を迎えることとなります。

もちろん、任期満了を迎えた取締役を続投するため、改めて定時株主総会において選任することも可能です。そのように任期満了と同時に選任される場合を登記においては「重任」といいます。
そのまま任期満了にて退任する場合を「退任」、これまでとは異なる新しい取締役を選任することを「就任」といいます。

【株主総会議事録及びまとめ】

ここまで、定時株主総会において、計算書類の承認及び配当(可能な場合)、加えて役員改選を行うことを説明してまいりました。
会社が株主総会を開催した場合には、その内容をまとめて議事録を作成し保存をする必要があります。そこで、決算承認と役員改選を行った株主総会議事録を紹介すると共に、今回のまとめとしたいと思います。
 
想定する株主総会議事録の内容は
・株主は4名、発行済株式総数は100株の株式会社
・今回は決算承認を行う、配当は行わない。
・取締役2名の改選を行う。
 とします。

株主総会議事録の記載事項を定める会社法施行規則の規定は以下のとおりです。

以上の規定に基づき、下記の株主総会議事録を作成します。
会社法施行規則に示した①~⑥の番号が、議事録の左に示した①~⑥の番号に対応します。

会社法施行規則の文言からは、株主総会の内容をどのように議事録に記録するのか想像するのは難しいと思いますが、実際の議事録と対応した番号を見て頂くことで、具体的な議事録のイメージを持って頂けるかと思います。

【おわりに】

実際に登記申請に議事録を用いる際には、どのような種類の印鑑を使用するのか、また議事録に加え就任承諾書や定款等どのような書類が必要となるのか問題が生じます。そのようなことでお困り事がございましたらぜひ司法書士法人第一事務所までご相談下さい。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

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