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「新しいゲーム機」が輝いていた時代のお話

3日前になりますが、PS5のモデルチェンジが発表されましたね。

小型化、ドライブが着脱式に…というのがウリの様ですが価格が依然として高く、食指が動く人は少ないように見受けられます。
現在は普通に買えるようになり少しずつ普及台数も伸ばしてきているようですが、パッとしない最新ハードという印象が今もあります。

「コンピューター」が生活に溶け込んできた結果

そもそもパソコンが非常に高価で、法人かごく一部の家庭にしかなかった時代に、「ゲーム用途に絞ったコンピューターを安価に提供しよう」というコンセプトで生まれたのが「家庭用ゲーム機」であり、パソコンが身近になるとその存在意義が薄れてくるのは必然なんですね。
任天堂の様に自社ソフトが世界的ブランドに成長しているならば話は別ですが、今はもう、ゲームの為のパソコンがある時代なのでプレイステーションがかつての存在感を持てないのも無理はない話です。

そういう時代背景もありつつ、ゲーム機が「主役」であった時代からソフトに重きを置いていなかった事がPSの現状に繋がっています。PSが最初に登場したのは94年ですが、ファミコン、スーパーファミコンによって築かれていたゲーム市場に上手く乗っかって成功は果たしたものの、機械のスペックを上げる事だけに注力し、万能であるパソコンが台頭してくることを読めなかったのがソニーである…と結論づけています。

新ハードに胸が躍った時代

我が部屋から先日、32年前のゲーム雑誌が発掘されました。

ファミリーコンピュータmagazine、91年Nо.1号です

スーパーファミコン発売直後のファミリーコンピュータマガジン、通称ファミマガです。
私は少年時代、ファミコンは買ってもらえなかったのですがゲームボーイは粘り倒してクリスマスに買ってもらい(笑)、その時からゲーム雑誌を買うようになりました。まだランドセルを背負っていた頃です。そしてスーファミも妹と一緒に兄妹で頼み込み、発売日の3日後に買ってもらうという偉業を成し遂げたのです。当時最初のミニ四駆ブームだったりしてそちらにもハマっていたのですが、ゲームを買ってもらってからはもう、そちらにドップリでしたね。

発売直後、スーファミの広告です

とにかく、初めて自宅に来た据え置き型ゲーム機だった事もありスーファミはとても輝いて見えました。本体と同時に買ってもらったのはマリオ1本でしたが、そのマリオでどれだけ遊べたか。最初はファミコンのクセでジャンプでAを押してしまいスピンジャンプしまくっていたものです。

この頃、ゲーム雑誌には「裏技コーナー」が定番でした

懐かしきかな、「ウル技」です。
ファミマガは毎回一つウソ技を入れておりそれを当てるクイズ企画をやっていたのは有名ですが、あまりにも質問の電話が多いのでそれを拒否るための策だったと聞きました、今と違ってメールが無いので全部直接電話がかかってきてたんですね。

最初、FF4はファミコンで出る予定だったんですね

エニックスと合併する前のエニックス、この頃に思いを馳せる人も多いと思います。個人的にドラクエ、FFにあまり触れてきていない人間なのですがゲームボーイのSaGaシリーズ、半熟英雄、ライブアライブなどには思い入れがあります。

難しすぎたAC版を上手くアレンジしていて、
評価の高いグラディウスⅢです

「マリオやF-ZEROもいいけれど~」と、なかなか挑戦的なフレーズが付いているグラディウスⅢの攻略記事です。今だとこれにも文句が付いたりするのでしょうか。この頃の紙媒体にたまに見られるちょっと強めの文言を見るとそんなことを考えてしまいますが、出来ればこれからの世の中、おおらかさを取り戻していって欲しいですね。

画面写真の強さ


ウルトラっ子だった私は、このページに大興奮でした

当時は、動いているゲーム画面を発売前に見る機会はほとんどなく、このように雑誌の紹介記事に載っている画面写真から想像することしか出来なかったんですね。
そして、91年の4月に発売するスーファミのウルトラマン、新ハードで再現されるウルトラマンの世界にとても胸が躍ったのを覚えています。今だとフュージョンファイトなど、CGで表現されたリアルなウルトラマンゲームがありますが(個人的にはPS2ウルトラマンで再現度は頂点に達している気がします)、この頃はこの画面写真で「凄い!さすがスーパーファミコンだ!」と唸っていたものです。

何が言いたいかといいますと、「新しいゲーム機」を凄いと思え、そのゲーム画面に感動できる時代は終わったのだ、ということです。
もう20年近く、このウルトラマンの画面写真を見た時のような驚きは得られていません、これからもないと思います。

自分のゲームに対する向き合い方も当然変わってきてはいますが、ビデオゲームの進化や在り様も30年前とは違います。
それでも、「ゲームの楽しさ」は本質的に変わってはいないと信じて、テレビゲーム文化と共に生きて来た人間として「面白さ」を語り継いでいけたらいいなと思っています。


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