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特撮への定番ツッコミに回答していきます

我々(誰を指しているのか)オタクは、疎い人達の何気ない一言にピキッ、とくる瞬間がありますよね。
私も昔はそんな「浅い指摘」にいちいち反論したり、したがっていたりしましたが最近は
「は~ん、よく知らないんだな」とスルーを決め込むようになりました。単純に歳を取ってわざわざ食いつくのを敬遠するようになっただけですが。

そんな訳で、三大特撮(ウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊)において長年擦られ続けた伝統の浅いツッコミへの回答を、軽くまとめてみることにしました。


①ウルトラマンは何故最初から光線を使わないの

実はいうほど、トドメ技でもないのです

まず定番なのはコレですね。スペシウム光線で怪獣を爆散させられるなら変身してすぐ撃てばいいのに、なぜ長々と格闘戦をやって時間ギリギリになってから撃つのか?という疑問です。

答え…実はそのパターンは意外と少ない、です。
集計してくれているサイトがあったのでそこからの引用ですが、ウルトラマン全39話の中でスペシウム光線を使った戦いは26回、その中でカラータイマーが鳴ってから撃ったのは14回だそうです。さらにアントラー、ケムラー、キーラなど効かなかった相手もそれなりにいたり、ブルトンやアボラスのように複数回撃った相手もいます。
なにげに
「格闘戦の後、残り時間わずかになってからスペシウム光線でトドメ」
という戦いは少ないんですね。確かに序盤、5話のグリーンモンスまではそのパターンが続いているのでそのイメージが強いのかもしれませんが、本当に「必殺技だったか?」と言われるとそうでもない…というのが実情です。


②仮面ライダーの敵は何故変身途中で攻撃しないの

これも、あまり観たことがない人からよく言われる話です。近年のライダーは変身ポーズに要する時間が短いのでそこまで気にされていませんが、昭和の時代は腕を大きく回す変身ポーズが定番。なぜ敵はその最中に攻撃しないのか、というツッコミです。

答え…普通に攻撃されてます。
妨害されている場面は何度かありますし、アクションの早くなった平成でもあります。龍騎など鏡の前で襲われたりもしていました。よく観ればわかるのですが、戦闘員をある程度牽制も兼ねて打ち倒してから少し離れて変身するなどそれなりに場所、時間を確保してから変身している回も多く、決して敵が「大人の事情で黙っている」ようなシーンではないんですね。主人公たちもバイクに乗りながら変身など、邪魔されないタイミングを図っていたりしますし、この指摘はただの観察力不足だといえます。

さらに私はこれに補足して、映画「仮面ライダー1号」の本郷猛の変身シーンにはある説を持っています。それは…

この変身中に、手が出せますか?

あまりの風格と貫禄に、手が出せない。

と、いう持論です。威圧的な眼光、圧倒的な迫力。伝説の1号ライダーが降臨しようとしている。こんな状況を、木っ端の戦闘員や怪人が侵せるものでしょうか。この領域にくると、「敵が邪魔できない」という強さにまで至っている気がしますね。


③スーパー戦隊は怪人一人に対し五人で戦うのが卑怯

最後はこれです。単純に人数差がフェアではない、というツッコミですが、これは2017年の宇宙戦隊キュウレンジャーで、シシレッドが回答しています。

実は大人になってからリアタイ視聴を始めたのがキュウレンジャーでした

「一人に対して九人は卑怯だ」と宣う敵に対し、
「俺たちは地球を代表して来ている。たった九人で来ているのだからありがたく思え!」
と突き返したわけです。

そもそも戦隊に限らず、ヒーローは人々に害をなす悪に対し「守る」ために戦っています。世界を、人々を守る為に出動しているのであり、怪人と腕比べをするためではありません。守る側の戦力がより大きかったとして、それが卑怯とは言わないでしょう。例えるならば火事の際に消防車が出動しているのと同じで、消火栓を使うのはズルいからバケツで消しましょう、などと言う人はいないですよね。敵を早く排除するのが目的なので、何十人で行こうが「確実な勝利」を得るのが仕事ゆえにそれが当然なわけです。
たまに、果し合いを挑む敵などもいますがその際は一対一に応じたりもしています。全くもって、ヒーローは卑怯ではないのです。
その道理を知らない人が、上辺の数字だけを見て一対五はアンフェアだと言っているわけですが、いかに的外れかおわかりだと思います。

原点であるゴレンジャーも、五人での必殺技で怪人を倒すのが
とても爽快で格好良く見えるものです、ズルいとは感じません


というわけで、既に何年も言われ続けた古い話ではありますがあえていち特撮ファンとしてそれぞれの「答え」を述べてみました。おそらくこの辺は、本来の視聴者層である子供たちのほうがよく理解してもいそうですね。

特撮ヒーロー番組はツッコミ所も多いですが「格好良さ」においては基本的に真摯です。無粋な揚げ足取りについては今後もキチンと対応していこう…という思いと共に、綴ってみました。



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