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ガッツ星人56周年、セブンの傑作回を語る

特に今日が放送記念日、というわけでもないのですがウルトラセブンの第39・40話「セブン暗殺計画 前編&後編」が放送されたのが1968年の6月30日、7月7日となっていまして、まさに今がその間になっています。

既に一年以上前の記事ですが、幼少時からウルトラっ子だった私の入口になったのがセブンで、初めて映像を観たのがこの39話、40話だったことを綴っています。
個人的にかなり思い出深い、名作の2編です。

初めて見たウルトラセブンが、負けた

やはりこれはインパクト抜群でした。なんといってもまだ小学生ですらなかった頃の自分が、初めて動く映像で観たウルトラヒーローの戦いが、敗戦だったのですから。ヒーローは悪と戦って勝つもの、という常識は他の番組で持っていましたから、初めて触れる巨大ヒーローがいきなりそれを覆してきたわけです。
ですが格好悪いとか、情けないといった感情は持たなかったと思います。むしろ、巨大ヒーローでも敗れることがある、なんて怖い世界なんだと震えた感覚を覚えているんですね。

この斬新な絵面で会話するガッツ星人も怖かったですが、
最初に戦力を測る怪獣として戦わせたアロンの顔の方が
怖かったのも覚えています

セブンは十字架に磔にされ、夜明けとともに処刑される、と人類は宣告されます。ここからセブンを救出するためのウルトラ警備隊の戦いが始まるわけですが、タイムリミットが迫ってくる緊迫感と、=セブンだとはまだ知らずに行方不明のモロボシダンを案ずるアンヌ隊員の想いなど、とにかくドラマ要素が色濃く今見てもとても見応えのある回です。
これまた先の記事の繰り返しになりますが、最初に観たエピソードがこの回だったことはとてもツイていたと思いますし、ここからウルトラシリーズにドップリのめり込んでいったのも必然だったなと回顧します。

セブン復活、の名シーンですが
ここは劇伴の使い方が神がかっています

セブンBGMのマジック

有名なオープニングですが、タイトル、曲ともに

・「不安になる旋律」から「明るく広がりを感じる曲」

に変化するというパターンを持っています。これはセブン特有のものではないかと思っています。宇宙人の侵略にさらされる地球に、光の国からの使者がやってきた、という物語の根幹を表現しているようですね。
オープニングは冒頭に劇伴をくっつけているのがわかります。

そして、ガッツ星人に囚われたセブンが救出されるシーンでも同様の流れでBGMが使われています。マグネリウムエネルギーをセブンに浴びせている段階では少し不穏な曲で、その後主題歌にスイッチしてるんですね。
この雰囲気に、物心ついて間もなかった私は呑みこまれていたのかもしれません。つくづく思うのですが、映像作品におけるBGMの効果というか、役割は非常に大きいものなんですね。
音楽によって燃える、泣ける。これはもう人間が持つ感覚の最重要な部分だとまで、思っています。

50年経っても人気のガッツ星人

それにしても、ガッツ星人は近年のウルトラマンにもよく出てくる人気宇宙人です。イメージも作品によって異なったりしますが、初代の
「狡猾だが、計画が崩れると慌てふためく面白い奴」
なイメージが今も影響している感はありますね。

初代は低音の、野太い声が怖かったですね

しかし今、この初代ガッツ星人を見返してみても、

・インテリ系ではあるが「豆粒」とか言っちゃう微妙な語彙力
・まだ実行前の計画を「完了した」とか言っちゃう謎の自信
・暗殺と言いつつ公開処刑、それにこだわり一般女性を追いかけ回すという計画の杜撰さ

など、色々とツッコミ所がありそれが愛嬌、とまでいかずとも憎めない奴だと思わせているフシはありますね。前編でウィンダムを破壊してしまった時などは圧倒的強者感があったものですが、次第にボロが出てきます。

そんなセブン屈指の傑作回に思いを馳せた、初夏の夜でした。
面白い回なので、機械があれば是非ご覧ください。

公式から、ロケ地にまつわる動画も出ております。

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