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いつも心に、ウルトラセブンがいたというお話

上映期間中だからですが、連日仮面ライダーの話ばかり書き込んでいる諸星だりあでございます。
が、私の特撮好きの原点はウルトラセブンにあります。
振り返るとセブンについて書いた記事がそんなにないので、今日はしっかり思い入れを語ってみようかと思います。

なんと4本です、たったの。
昭和ウルトラマンについては基本思い出話になるのでバカスカ話題に上げることもないんですよね。

雑誌、絵本での出会い、初の映像

私は80年代に生を受け、幼少時、「てれびくん」「テレビマガジン」などの雑誌で見たのがウルトラセブン、またウルトラシリーズとの出会いでした。当時はネットもなく、田舎住まいだったこともあり昔のTV番組を観る手段はありませんでした。小学校低学年の頃ようやくビデオデッキが家に来た、くらいの時代です。テレビにもビデオにもリモコンが無かったですね。戦隊もの、メタルヒーローはやっていたので「ヒーロー物」に馴染みはあったのですが、雑誌で写真しか見られない「ウルトラマン」への渇望が募る子供時代でした。なお、仮面ライダーはBLACK、RXはリアルタイムで観た世代です。
そして、ビデオデッキ導入から初めて、街への買い物ついでに寄ってくれたレンタルビデオ店で親に借りてもらったのがウルトラセブンです。当時は1話から最終話まで順番通りに収録されたソフトではなく、飛び飛び、歯抜けが当たり前のVHSテープでしたが、その中でセブン39話、40話の2話が入った一本を借りたんですね。生涯初のウルトラマン映像は、ガッツ星人の謀略によって磔にされ、ウルトラ警備隊によって救出されるセブンだったのですね。

ガッツ星人、有名どころですね

この「セブン暗殺計画」(前編&後編)は…
・宇宙人の暗躍、ヒーローの敗北による絶望感
・ヒーローと防衛隊が協力して戦うドラマ
・タイムリミットが迫るサスペンス風味
と、見所の多い傑作エピソードです。これが初体験だったのは色々と幸運だったと思いますね。そして、実際に映像で動くウルトラ戦士を見られた感動は大変大きいもので、よりその魅力に引き込まれていきました。

ウルトラマインドに染まっていった「再放送」

ちょうど同じくらいの時期、ウルトラマンシリーズが平日夕方に毎日再放送されていたので、学校から帰ってきてからの楽しみの一つでした、昭和のウルトラマンといえば、

・ウルトラマン
・ウルトラセブン
・帰ってきたウルトラマン
・ウルトラマンA
・ウルトラマンタロウ
・ウルトラマンレオ
・ウルトラマン80

の、7作品。ウルトラQとアニメのザ☆ウルトラマンは再放送が無かったのですが、それ以外は再放送で全話観たんですね。すっかりウルトラっ子に育ったと言っていいでしょう。その頃ウルトラ怪獣図鑑をボロボロになるまで読み込んでいて頭の中に「ウルトラデータ」が刻まれていましたね。そんな子供だった私ですが、その中でもセブンがより強く心に残っていて、その理由は…

ウルトラセブンに刻まれた「恐怖」

ズバリ、「怖さ」だったと思います。雑誌のスチール写真もモノクロだったりするとガチな怖さがありますが、カラーで動いているところもなお怖かったりしますね。セブンの敵は基本的に宇宙人なので、初代ウルトラマンの怪獣のような動物的可愛さよりも未知の生物としての恐怖感が強いですね。

7話のキュラソ星人、今見ても怖いです


48話のクレージーゴン。
車を食べていくのが子供心にかなり怖かった
23話、シャドー星人。夜道で会ったら失神しますね

キュラソ星人などは夢に出そうで今でもあまり見たくない宇宙人ですし、そもそも7話が滅茶苦茶ホラー仕立てです。何の巡り合わせか昨年映画館で観ることになったのですが。
これらの宇宙人達が醸し出す「暗い雰囲気」、これが背伸びしたがりの子供にとって推せるポイントになったのも事実で、ウルトラセブンを好きになっていった理由ですね。

圧倒的な最終回、空想の世界にいる人間の心

言うまでもなく、最終2話は満身創痍のセブン、モロボシダンが最後の戦いに臨み地球を去る物語で、半世紀経っても語り継がれる傑作です。そこにアンヌ隊員へ正体を打ち明ける「告白」が珠玉のラブストーリーの趣きもあり、世代を問わず感動を呼び込むラストエピソードなんですね。

この場面は、あまりにも有名です

当時少年だった私にも、この二人が惹かれ合っており悲しい別れなのは伝わりました。というか、男女の仲に感情移入した初めてのケースだったと言えるでしょう。その後様々な作品でも「恋仲」に萌える気持ちはずっとあるのですが、その原点がここにありました。地球人と宇宙人というのも魅力的で、宇宙人たるモロボシダンが地球人に愛を感じたという倒錯感が「空想の魅力」として心に残ったんですね。
「感動」と「寂しさ」を残すのが最終回であると、この作品に教えられた気がします。

大人になってから再認識した、不変の魅力

その後成長に伴って特撮を見なくなった時期があり、「子供の頃はウルトラマン好きだった」みたいな青年期を過ごしたのですが20代になってからインターネットが普及し、ウルトラセブンがウルトラシリーズの中でも高い評価と人気を誇っていることを知りました。それがキッカケで子供の頃の「熱い気持ち」が戻って来た、というのがあります。
「ウルトラマン好き」「セブンファン」モードに再びスイッチが入ってから、森次晃嗣さんが経営されている洋食店「ジョリーシャポー」に、はるばる地方から出向いたりしました。

約20年前になります。感極まった顔がポイント(笑)

そして映像ソフトの主流がビデオテープからDVDに代わる時期に発売されたDVD-BOXを、奮発して購入しましたね。

DVD-BOXのコンパクトさに感動した覚えがあります

ここからは、あまり熱量が下がる事もなくバチバチに特撮ヲタク、セブンファンを継続している気がします。DVDを持っていながらさらにBlu-rayも買っちゃいました。

新リリースの度にある、特典も魅力です

かつて、自由に映像をチョイスして観ることは難しかった時代から、現在は片手に収まるサイズの映像ソフトを持ち、またサブスクでどこにいても観られる、までに環境は変化、進化しました。
55年が経ち、未だに愛され、話題にもなるウルトラセブン。ここ数年、その人気を実感する催事も色々とあり、関東圏に移ったメリットとして可能な限り見に行きました。

懐かしさと不朽の魅力が同時に味わえるセブン世界


2017年、横浜高島屋であった50周年記念展
同年のウルフェスより。メトロン星人と話した内容は内緒です


2020年、特撮のDNA展より


中野・墓場の画廊にて

こうして振り返ると、セブン単体での催しも多くウルトラシリーズの中でも特に恵まれた作品だなと感じます。
親子三世代でファンである、なんてことも珍しくないのではないでしょうか。それは先日発表になった新規作品そのものが示しているように、時代を問わない魅力に溢れている証しでしょう。

それにしても、noteは画像を横並びに表示できないのが不便だなと感じました(笑)。

セブンの強さや格好良さ、モロボシダンはじめウルトラ警備隊メンバーの人間的魅力、メカのシャープなデザイン、恐ろしい侵略宇宙人達、心に残るテーマを投げかけるドラマ群、恐怖感を演出しつつも温かみのある冬木透氏の音楽、工夫に満ちた特撮シーン。設定は近未来ながら画面内に残る昭和40年代の風景たち。

ウルトラセブンの魅力は挙げればキリがないほど溢れています。
それらをひっくるめて、古い、新しいが重なった空想の世界がセブンの素晴らしさだと言えます。

幼少期にこの作品に出会えた事が、これからの人生にも光をくれると信じていられる、そんなM78星雲のヒーロー。
それが私にとっての、ウルトラセブンなんですね。


6年前、ウルフェスでいただいた森次さんのサインです。
言うまでもなく、宝物です!

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