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映画と印象

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レビューでも評論でもありません。話題のロードショー作品もあまり観ないので、ほとんどなにかの参考になったりしません。役に立たないけれど、映画や映画館にまつわる出来事や印象を書いてき… もっと読む
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#映画

リアリティの温度

映画ってすごいなと思うときがあって、それはどういうときかというと、好みとかが一瞬にして変…

北原慶昭
7か月前
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オダギリジョーの眼

原一男監督が厳しく指摘、批判している通り、「月」にはどこか根本的な瑕疵がある。けれどもそ…

北原慶昭
7か月前
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「月」を観た

11月の「死刑囚表現展2023」に先立って、先日そのいくつかの作品を見る機会があった。植松聖さ…

北原慶昭
8か月前
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「白鍵と黒鍵の間に」

1988年といえば、長いこといた大学を途中で辞め、映画の現場をガムテープやら両面テープをウエ…

北原慶昭
8か月前
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「へんしんっ!」

 きょうは年に一度の健康診断。秋葉原のクリニックに14時半となっている。朝からなにも食べ…

北原慶昭
1年前
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劇場と映画と

(1/7 四谷「イメージフォーラム」) 「七日間、映画について」という題をいただいた。題を…

北原慶昭
1年前
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「TENET」

 高崎109シネマズにて。平日2時の回、レディースデイにもかかわらず、劇場にはまったくといっていいくらいひとがはいっていない。機会があればその地方の映画館をのぞくようにしているのだけれど、どこもひっそりとしている印象がある。  時代とともに消えていった地方の上映館も、イオンやtohoシネマズ、今回の109シネマズといった、いわゆるシネコンが、地方都市にマルチスクーンを持つことで、ふたたび映画を劇場で観る機会を得たはずなのに、それほど歓迎されてはいないのかもしれない。  同じよ

「花はんめ」

「うれしくても、かなしくても、人間これ、涙、だめだねえ。」  ハルモニがそっとつぶやいた…

北原慶昭
1年前
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「象は静かに座っている」

 とにかくだれも笑わない。現れるひとたちが、みな一様に、なにかにイライラしていて、とても…

北原慶昭
1年前
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「ジョーカー」

 バットマンシリーズは大好きです。ムキムキのバットマンスーツやスーパーなバットマンカー、…

北原慶昭
1年前

「帰れないふたり」

 恋したことはありますか?ちゃんとした恋。肉が削がれ、骨が痛むような恋のこと。はい!っと…

北原慶昭
1年前

「エンドレス・ポエトリー」

 「ダンケルク」、「ブレードランナー2049」と、音圧、眼圧、体感がものすごく刺激された…

北原慶昭
1年前

「ムーンライト」

 観る前からあまり期待してしまうと、どうもうまくいかないことが多いようです。このところ映…

北原慶昭
1年前

「オマールの壁」

 ずいぶん前のような気がするが、恵比寿の写真美術館の地下劇場で、たまたま観た「パラダイス・ナウ」には、たいへんな衝撃を受けた。  最後のタイトルバックが上がるあいだも惚けたようになり、劇場を出ても、なにがどうなっているのか、自分がどこにいて、どこに向かって歩いているのかすら見失ってしまう、そんなはげしい映画体験だった。  そのハニ・アブ・アサド監督の新作とあって期待はかなりふくらんでいた。しかも設定は「パラダイス・ナウ」と同じ、パレスチナのガザ地区である。  遠い辺境の島国に