インドネシア旅行記2016〜第三章 怪しい男
2016年のインドネシア旅行記の第三章です。
前回のエピソードはこちら。
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ムルデカ広場でのペットボトルサッカーの後、スラバヤ通りやシックマートなどのお土産を売っているエリアに行こうと思っていた。
僕はバティックが欲しかった。
バティックとはインドネシアの伝統衣装だ。
「遺跡などの特別な場所に入る時に、バティックを身につけることが必要」
とガイドブックには書いてあった。
僕はジョグジャカルタ(ジャカルタと似ていて紛らわしい)という地域にあるプランバナン遺跡やボルブドール遺跡に行く予定だった。
だからバティックは手に入れておかなければならないアイテムだった。
<バティック。腰に巻いたりできる>
公園の前で赤信号を待っていると、短髪のインドネシア男性から英語で声をかけられた。
男「やぁ、旅行者の人?どこか行くの?」
僕「そうだよ。ここに行こうと思って。(ガイドブックを指差す)」
男「僕もちょうどそこらへんに行くつもりだったから、タクシーで近くまで一緒に行かない?」
この時の僕の気持ちは・・・・・・
ムルデカ広場で「荷物を運ばない?」と話しかけてきた男(第二章参照)もそうだけど、海外で話しかけてくるやつはこちらを騙そうとしてくると思った方が良い。
「タクシー代を全部僕に払わせようとするに違いない」と僕は警戒した。
と同時に「でも、何か面白いことが起こるかもしれない」とも思った。
海外旅行でいつもより積極的かつ大胆になっている僕は、彼と一緒にタクシーに乗った。
「もし時間があるならファミレスで話さないか?」とタクシーの中で男が聞いてきたので僕は OK した。
ファミレスに到着したら「ここは僕が全部払うよ」と言って男はタクシー代を全て支払った。
最初にお金を払って油断させるつもりなのか。
僕は怖くなった。タクシー代を全額支払ってでもペイする何かを、この男はしようとしているのだと思ったからだ。
ファミレスで僕たちは色々と話をした。
彼はハフィスという名前であるということ。
ジャカルタのMetro TVというテレビ局に勤めておりテレビ番組を制作しているということ。
彼の故郷はスマトラという地域で自然が豊であるということ。
写真を見せてもらったが、とてもキレイだった。
ハフィス「あ、お祈りの時間だから、ちょっと待ってて!」
イスラム教徒は1日数回お祈りの時間がある。彼は席を外してどこかへいった。
「食い逃げするパターンか」と僕は思った。
10分後、ハフィスは席に戻ってきた。
ハフィス「どこか行きたい所はある?」
僕「バティックを探しているんだ。」
ハフィス「じゃあお店を案内するよ。」
僕たちは支払いを済ませファミレスを出た。
僕は頼んだコーヒーの金額を支払い、ハフィスは残りを支払った。
ハフィスはお土産屋が売っているお店のあるエリアに案内してくれた。
夕方になっていたので空いてるお店は少なかったが、バティックを売っているお店を見つけた。
僕「じゃあここでバティックを買うよ」
ハフィス「ここは高いから、ジョグジャカルタで買った方が良いよ。あっちだと半分以下の値段だから。」
僕「そうなんだ。そしたらバティックはジョグジャカルタで買うよ。」
ファミレスに着いた時のタクシー代の支払いの時からうすうす気づいていたし、もうずっと思ってたけど言わせて欲しい。ハフィス、きみは本当に良いヤツだな。
ハフィス「お腹空いてない? 最後にサテを食べよう。」
サテとは東南アジアの焼き鳥のような料理だ。鶏肉を串で刺して甘辛いタレをつけて食べる。
<サテの屋台>
ハフィスは僕をタクシーでサテの屋台まで僕を案内してくれた。
タクシー代も割り勘だった。全部払わせて欲しいと言ってもハフィスは払わせてくれなかった。
なんでインドネシアの人ってこんなに優しいんだ。
<ハフィスと一緒に撮った写真>
途中でスコールみたいな雨が降ってきてビショビショになったけど、それも楽しくて爆笑しながら僕たちはサテを食べた。
Facebookとインスタグラムのアカウントをハフィスと交換して、僕はタクシーでホテルに戻った。
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インスタグラムでハフィスの近況は今も流れてくる。彼は今では結婚して、カワイイ子供が生まれている。
<子供を抱き上げるハフィス>
noteの記事に彼の写真を使って良いか確認するために、僕はハフィスにメッセージを送った。
僕「4年前のことでブログを書きたいんだけど(遅すぎ)、4年前の写真やインスタの写真を使っていい?」
ハフィス「もちろんだよ。もし書き終わったら共有してくれる?」
僕「OK。アップしたら教える。」
ハフィス、きみは相変わらず良いヤツだな。
この記事を書いていたらまたインドネシアに行きたくなってしまった。
ハフィス、落ち着いたらジャカルタでまたサテを食べに行こう。よかったら奥さんと子供も一緒に。
もしくはハフィスが日本に来ても良い。そしたら美味しい焼き鳥屋に行こう。
どちらにせよ、今度のタクシー代は僕が払うから。
サポートいただけたら幸いです。