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インドネシア旅行記2016〜第二章 荷物運びとサッカーと

2016年のインドネシア旅行記を書いています。第一章を読んでない方はこちらを読むとより楽しめるかもしれません。


ジャカルタ到着

出発空港を間違えるという些細なトラブルはあったが、無事にジャカルタ空港に到着した。事前の調査でインドネシアでは色々と気をつけなければならない事があった。

両替した現金の数をしっかりとチェックしなければならない、メーターが異様な早さで回転するぼったくりタクシーがある、空港での置き引きに気をつけろ、「荷物を運んでくれ」と頼んでくる見知らぬやつは相手にしちゃダメだし荷物も運んだら絶対ダメ。

僕は細心の注意を払っていたが、幸いなことに何もなかった。お昼過ぎにホテルにチェックインし、僕はガイドブックに載っていた独立記念塔(モナス)のあるムルデカ広場に行くことにした。

ムルデカ広場への歩き途中

色々写真を撮りながらジャカルタの道を歩いていた。道路の方から「アイッ」と声がした。振り向くとトラックの窓から足を出したおっさんたちの姿が。どうやら写真を撮って欲しいらしい。初対面で「アイ」って気安すぎやしません?

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<トラックのおじさんたち>

僕は再び公園に向かって歩いた。信号で立ち止まると、自転車に乗った男の人が道路で信号待ちをしていた。彼も僕に向かってポーズを取ってきた。インドネシアの人達は陽キャが多いらしい。僕は初めは敬語から入りたい。

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<自転車のおじさん>


ムルデカ広場

ムルデカ広場では中央にあるモナスと呼ばれる独立記念塔を見た。

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モナス以外に特に見るべきものは無く、歩き疲れたので公園の道の脇に腰を下ろした。

公園の道では男性たちがサッカーをしていた。20M ぐらい幅の道の両端にペットボトルを置いたゴールにして男たちがボールを蹴りあうというものだった。

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<広場の道でサッカーをする人たち>

そのすぐ側の芝生?では、頭から布をかぶった女性達と10人ぐらいの子供たちがビニールシートを広げてご飯を食べていた。サッカーをしている彼らの家族か親戚だろう。非常に楽しそうだ。

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<ピクニックをするインドネシアの人たち>


僕は道路の脇に座ったままその家族やペットボトルサッカーをぼんやり眺めていた。インドネシアの湿気を含んだ空気と昼過ぎの太陽が照りつけて暑かった。

一人の小太りの男が僕に話しかけてきた。

「どこから来たの?」「中心にあるモナスに入らないか?」

現地の歩合生の観光ガイドか何かだろうと思った。新宿のキャッチみたいな。

僕「ありがとう。でも大丈夫だよ。」

と答え、僕はサッカーに視線を戻した。

男は僕に話しかけるのを止めなかったが、無視し続けたら違う話をしてきた。

「ちょっと荷物を運びたくない?」

ガイドブックで「絶対に対応しちゃいけない」って書いてあったやつ来た。

大体の場合、荷物を運んでほしいと言って渡される荷物は違法な薬物らしい。インドネシアでは故意でなくても違法な薬物を運んだ場合死刑になることもあるとガイドブックには書いてあった。

「運ばない」

僕は断ったが小太りは荷物を運ぶように説得してきた。もっとちゃんと説得して欲しかった。その荷物がどれだけすごいもので、その荷物を運ぶと世界に、僕にどんな良いことが起こるのか理想を掲げてワクワクさせて欲しかった。それが説得ってもんじゃないのか、小太り。
受け答えをするのも疲れたので彼を無視してサッカーを観ていた。小太りはずっと無視をしていたらどこかへ去っていった。

***

サッカーをしていた男達から声をかけられた。

「お前もやるか?」

僕はうなずき、ペットボトルサッカーに参加した。活躍できる自信があった。高校の時はサッカー部だったし、社会人になってからはフットサルにハマり、週5回プレイした時もある。週5回はうんざりした。

そういえば、会社の花田先輩と一緒に合コンに行った時のことをお思い出した。合コンで出会ったさやかちゃん(仮名)と良い感じになり、初めてのデートを取り付けた。「明日デートなんですよ〜」なんて言いながら僕はフットサルをその日も友達とやっていた。ウキウキしていて、いつもより動きが良かったと思う。

その日、僕は左の足首を骨折した。足首が2倍くらいに腫れ上がった。

翌日に控えていたさやかちゃんとのデートは泣く泣くキャンセルした。数日後、花田先輩からLINEのメッセージが来た。「足大丈夫?俺さ、さやかちゃんと付き合うことになったわ」・・・
「大丈夫じゃねーわ!」身体も心も折れた。


こんなふうにフットサルでいろいろな経験をしたので、僕はペットボトルサッカーでも活躍できると確信していた。ボールが蹴り出され試合が始まった。僕は全然活躍できなかった。

ボールはペコペコで パスは思った方向に行かなかった。ノースフェイスのサンダルは涼しいし、クッションがあって歩きやすいけどドリブルには向いてなかった。

ただ、異国の地で知らない人たちとサッカーをするのは楽しかった。言葉がわかなくて、一緒にプレーに一喜一憂して仲良くなれる。ワーワーいながらペットボトルサッカーを楽しんだ。

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<サッカーをやりながら撮った写真>

ゲームが終わるとサッカーを一緒にやっていた男の一人が僕にペットボトルの水をくれた。

「ありがとう」

僕がお水の代金を払おうとしたら「いらない」と断られた。インドネシアの人は優しかった。

彼らは芝生の上のピクニックにも招待してくれた。ビニールシートの上で座らせてもらい彼らが作ったタッパーに詰められた食べ物を食べさせてもらった。おいしかった。

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<玉子を赤い何かにつけたもの。緑のやつはよくわからない>


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<ドーナツ>


記念に彼らと一緒に写真を撮りたくなった。近くにいた女の子達に「一緒に写真を撮ろうよ」とお願いした。全力で拒否された。

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<写真を拒否した女の子達>


ただ、お母様達は一緒に写真を撮ってくれた。大人の女性は素晴らしい。

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<お母様達との写真>


サッカーをした彼らとも一緒に写真を撮った。

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<サッカーをしたみんなと>


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<子供が逃げる。子供からは好かれない>


数時間でインドネシアの人たちの優しさに触れて仲良くなることができたのでサッカーって素晴らしい。僕は彼らの名前を知らないし、彼らの名前も知らない。でもそれで良いんだと思う。言葉は通じなくて、ボール一つ蹴り合えば一緒に喜びあえるのだから。海外旅行に行った時は現地の人とサッカーをやるといいと思います。足を骨折しない程度に。

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