【日本代表特別企画】最上段からの景色 vol.2 男子日本代表 vs 韓国 GAME1
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男子日本代表 韓国GAME1の事前注目ポイント
男子に関しては選手選考中であり、サバイバルが続いている非常に難しい状況が続いている。ホーバスHCは悩んでいる選手たちに関しては50-50だと言っていたが、GAME1に出る選手がより見たい選手なのではないかと予想していた。おそらくサバイバルの渦中にいる中では
テーブス海選手、ジェイコブス晶選手、井上宗一郎選手、川真田紘也選手、渡邉飛勇選手
がロスター入りを果たした。
ここまでのホーバスHCの話から予想すると
・3番手のガードはコンボがいい
・5番のバックアップは必要
・選手たちはみんないいけど、組み合わせとコンビネーションと対戦相手との兼ね合いが難しい
特にこの最後が一番重要だと思われる。
その中で、
・デーブス海選手ががどれだけゲームチェンジャーになれるか
・リバウンドか(渡邉飛勇選手)フィジカルか(川真田紘也選手)
に個人的に注目しました。
少し個人的な感情を載せると、北海道大会に
「組み合わせの問題でウイングが欲しいから金近が必要だった」
という話があったのに、そこがジェイコブス選手になっていたことが
「まじかー」
とは思いました(笑)。
もちろん、ジェイコブス選手は素晴らしい(結果的にこの試合で一番光ったと思う)選手だと知っているけど、
北海道大会では金近選手にかなり話を聞いていたので、
「金近くん頑張れ!」
という気持ちになっていた自分に気づいてしまったんです(恋でもしたのか笑)。
宮本のゲームチェックのポイント(女子と同じ)
ここは前回のVol.1と基本的に同じです。
基準を作りたいので、日頃から大体同じところに注目している。
オフェンス
・セットコールの大枠の理解
・スペーシング、アライメント
切り替えの局面
・オフェンスリバウンドの入り方
・ディフェンスラインの設定
ディフェンス
・ピックプレーのディフェンスカバレッジ(トップ、サイド、ハンドオフなど)
・ボールプレッシャーの掛け方→どこに追い込んで、どこでショットを打たせようとしているか
・ヘルプポジション、ローテーション
など。
男子の場合は、タグアップとディフェンスのライン設定も結構気にして見ています。
結果的にタグアップがうまくいかずに、韓国に縦に割られる要因になったと比江島選手が語っていました。そうなると、ファストブレイクからのダンクが生まれて流れを持っていかれてしまうので、ここの影響力は女子以上なんじゃないかなーと感じています。
気になったところ、学びになったところ
選考する上で、スペシャル(八村選手、渡邉選手など)に誰を組み合わせるべきか。
ここが大きな悩みだと思っています。
そして、組み合わせる選手たちは一芸に秀でるタイプだからこそ、
試合で見て確認したいんだろうと。
簡単に言えば、
井上宗一郎選手はスリーポイントのあるビッグマン
川真田紘也選手はフィジカルに長けたディフェンダー
渡邉飛勇選手はリバウンダー
この特徴を最大限に活かすには……。
かといってチームのスタンダードを落としてはいけない。
本大会になれば、渡邉選手、八村選手、ホーキンソン選手が30分以上出場すると思われる中で、対戦相手やマッチアップを考えながら、
3分から5分でより効果的に長所を組み込めるのは誰か。
かつ、キャラクターや練習の中で誰がチームをステップアップさせる存在なのか。
だからこそ、この試合に渡邉選手と八村選手がいなかったことは超計算外だよな
と思いました(笑)。(そもそも渡邉選手の怪我も間に合うのかも)
渡邉選手、八村選手、5番の選手
だったり、
渡邉選手、井上選手、八村選手
という組み合わせでどんな形ができるかを見たかったはずだし、
それこそテーブス選手がどういうケミストリーを作るのかも見たかったはずです。
渡邉選手、八村選手、ホーキンソン選手と並べば、
1、2番が河村選手、テーブス選手でも面白いでしょうし。
その中で、この意見を見ました。
僕はそんなにこの気持ちを問題視はしていませんが、
「いや、そうですよね」とめちゃくちゃ思いました。
その中で僕が感じたことは、数人の選手に話を聞いたときの
ちょっとしたズレです。
これは後ほど。
まずは気持ち問題に関しては、僕はむしろ馬場選手の言葉に違和感はなく、もちろん気持ちが入っていない選手はいません。
ただ、女子もそうでしたが、
選考というカオスな状況の中で、
5人全員が同じ気持ちでバン!とプレーする難しさは北海道から感じていました。
女子の場合は、東藤選手の涙で「うんうん、そうだよね。本当は辛かったよね」
となりましたが、
男子も男子でみんな色々抱えています。
その中で馬場選手はあえてこの言葉を選んで、
メディアに載せよう。多くの人の目に触れさせようとしていたと感じたので、
僕はあえてそのまま載せました。
最後は気持ち
これは思っている以上に本質だと僕は現状感じています。
仕事をしていても、結局最後まで気持ちの続かない人はいい仕事はできないと日々感じていますし、そういう人との仕事ほどしんどいものはありません。
一方で、その気持ちの部分を言語化できていない、言語化できるようなやり取りができていないメディアにも責任があると思います。
なので、僕自身にも甘さを感じました。
極端な言い方をすれば、オリンピックで奇跡を起こすというこの1ヶ月の
経験したことのないプレッシャーの中に入りこむ気持ち
そこに向きあう気持ちが僕には欠けていたと思います。
その気持ちを言語化するぐらい
食いつく気持ちを見せられなかった僕の負けであり、
戦いはコートの中だけではないと感じました。
今後は「この現場が最後」という気概で取り組もうと思いましたし、それ以上踏み込めない自分にはここにいる意味はないとも思ったので、自分自身の今後を考えるきっかけにもなりました。
そういう意味で、この方の言葉は自分にとってすごく意味のあるものでした。
感謝しています。
話を戻すと馬場選手の後に、比江島選手に話を聞きましたが、彼にも彼の気持ちがあるわけですが、それを隠しつつ、彼はチームでの動きの精度を北海道大会からかなり気にしています。
特に出てくるのがカッティングの話で、インタビューの中でも吉井選手の45カットでジェイコブス選手のスリーが生まれたことについて、すごくポジティブに語ってくれました。
また他メディアさんの質問ですが、馬場選手は対フランス、対ドイツを意識した目的、課題を自分に課して韓国戦に挑んでいたと話していました。
それ自体はすごく意識の高いことをしているなと思った一方で、
先ほどの方の意見のように
「でも、勝たないとまずくない?地上波でやってるんだよ?」
という気持ちは僕にもありました。
でも同時に、そこに振り回されてはいけないことも事実だよな
と話を聞きながら感じました。
要するにやるべきことは本人たちが一番わかっているわけです。
そういうやりとりの中で感じたことが選手たちのちょっとしたズレです。
それはここまで選考が長引く中で、それぞれがチームを作りつつも、
メンバーに入るため、そしてオリンピックに向けた個人の課題とも向き合っている。
ほとんどの選手が何かしら2輪を回しながら、本大会の勝利を目指している現状。そこには
わかるなーと思いながらも、
んー……でもさー
というちょっとしたズレがいろんなところで存在しているように感じました。
でも、急ですが、
だからこそスポーツって面白いんだろうなとも思うわけです。
個人的には正解はないと思っていて、
正解は作り出すものだと思っています。
その中でこのチームのちょっとしたズレを
ガチっとはめる存在が出てくる、
もしくはその瞬間が来ると急に風向きが変わると思います。
そういう場面はこの2年で
U15から高校、大学、Bリーグ、Wリーグ、日本代表と
数百の現場取材にいって感じた経験があります。
さらにいえば、ホーバスHCも含めたいろんな人が
その歯車を噛み合わせるような言葉、振る舞いを
見せているときを感じます。
そういう言葉を探すこともまた楽しいスポーツの見方だと思います。
今回のゲームの中で言えば、そういった可能性を見せたのが
GAME1では4Qのジェイコブス選手だったと思いますし、
GAME2では、佐々木選手や金近選手なのかもしれない。
もしくはこの1日の中でチームとして調整されている可能性もある。
そのXファクターを見つけることが僕のGAME2の注目ポイントです。
ちなみに僕は、13000人も入ってるよー。
日本バスケすげー
っておもってただけの意識の低い人間なので、
やっぱりそろそろ潮時ですね(笑)。
でも、改めて感じることは
コツコツ続けること以上に前に進む方法はないということ。
そういう積み重ね、意志は馬場選手からものすごく強く感じました。
それこそが彼の強さだと思います。
僕も見せかけだけにはならないように積み上げていきたい。
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