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店舗名:OndoriO のコンセプトについて、のお話

店舗名=コンセプト=概念

店舗名はOndoriO (オンドリオ)にしました。
以前のnoteにも書きましたが、OndoriOとはカクテルが生まれた諸説から生まれた造語です。

カクテルという楽しみ方が世界に広まっていない時代、メキシコの港町の酒場で、ある少年がカクテルを作っていました。
いわゆるビルド、やステアという技法で、グラスの中に氷や液体を入れて、木の枝で混ぜていました。
今はマドラーと言われる道具ですが、当時、少年はその木の枝を綺麗に研いで、そのビジュアルが雄鶏の尻尾のようであったことから、コーラ・デ・ガジョ(Cola de gallo=おんどりのしっぽ)と愛称をつけていました。
ある日、酒場にイギリス船員がやってきました。
少年は木の枝でカクテルを作っていると、その珍しいドリンクがとても美味しそうであったので、イギリス船員が「それは何?」と聞きました。
少年は木の枝のことを聞かれたと思い、コーラ・デ・ガジョ(Cola de gallo)と答え、イギリス船員はそのカクテル(ミクスド・ドリンク)のことをテール・オブ・コック(Tail of cock)だと勘違いした。
以来、ミクスド・ドリンクのことはテール・オブ・コックと呼ばれるようになり、やがてカクテル(Cocktail)となりました。

このお話はもはや、おとぎ話だと思っています。
だけど、このお話から想像できる世界観がとても好きになりました。

カクテルがまだ広まっていない時代に、少年はどんな気持ちでカクテルを作っていたのか。

  • これとあれを混ぜたら美味しくなるかも、という追求心や、やってみようと挑戦してみる姿勢。

  • そして、ちゃんと美味しいドリンクを作れる調整力や編集力。

  • お客様に、美味しそう!と思っていただけるドリンクを作れる。

  • 道具をちゃんと綺麗に扱って、自分で愛称までつけちゃう。

  • カクテル、という楽しみ方が100年以上もなお愛されるように、当時の少年が新しい王道を作ったこと、新しい普遍なものを作ったという事実。

これらの少年の姿勢やストーリー、思いを概念に、体現したレストランを作りたいと思い、OndoriOという言葉を作りました。

なぜ造語にしたのか?


いくつか理由はあります。
まずは、オンドリのしっぽ というエッセイを飲
料メーカーのサントリーさんがされていること。
(要は先に名前が使用されていた。)
またオンドリの尻尾だと、どうしてもオンドリ=雄鶏=鶏屋さん? のように鶏を連想してしまうから。
じゃあコーラ・デ・ガジョ(Cola de gallo)というスペイン語のお店にするか?と考えたりしましたが、それはそれでスペイン料理のお店を連想してしまう。
そしてスペインには実際にコーラ・デ・ガジョ(Cola de gallo)というバー 酒場が、検索するとあるようです。

造語を店舗名にしているレストランがあったことや、THE WORLD`S BEST RESTAURANTにあるレストランの名前が 1フレーズ、1単語、のレストランが多く見られたというのもあり、
少年の気持ちやストーリーをエッセンスにする、という概念を、OndoriO(オンドリ尾)として造語にすることをふと思いつきました。

あくまで概念であり、エッセンスである。

だから当時の酒場を再現する、ということではないということです。

レストランを作る上で、大切にする指針やエッセンスとしてOndoriOという共通言語を作りました。

自由な発想を大切に、けれど瞬間的な面白さやトレンドに飛びつくのではなく、それが新しい王道としてお客様に楽しまれるのか、と当時の少年になるような気持ちでレストラン、料理を開発していきます。

料理のコンセプト、OndoriO

OndoriOの料理で大切にするエッセンス

  • 普遍的で新しい王道 を作っていきたい

  • 世界や日本の食文化、食材へのリスペクトを忘れずにミックスしてみる

  • 固定概念に囚われない・自由な発想をしてみる。

OndoriOの料理は“ジャンルレス”。
 OndoriOでしか食べることができない料理。

 例えば、ペペロンチーノという種類のパスタは他のお店でも食べられて、好みを比べることができる。
ジャンルレスでOndoriOでしか食べられないもの、なので、他のお店で比べることができない。
だからこそ、その料理の正解はOndoriO。

今のリストランテのお店で登場するコース料理の1つ、のイメージに近いのかも知れないです。
コース全体やその料理の背景をよく知っていくと、イタリアン料理、になるけれど、その単体で料理を見ると何料理、とはジャンル分けできないような、そんな感じか。

デザイン、内装外装やロゴのコンセプトももちろんOndoriO。

しつこいようだけど、あくまで少年の気持ちやストーリーの概念がコンセプト。
だから当時のメキシコの港町の酒場を再現するのではない。

その内装やロゴによって、自由な発想やミックスすること、新しい王道や普遍を作っていく、ことらを大切にしていることを体現していきたいと思います。

デザインやカクテルについてはまたまとめてみようと思います。

個人的にはレストラン、お店を長くしていく上で、コンセプトが良い意味でふわっとしていて、それが挑戦できる理由づけになっていることで、商品開発も楽しめるのではないか、と思っていたりします。
専門店やジャンル分けされたお店だと、どうしても大小あるけれど制限があると思います、がOndoriOの場合はその制限を可能な限り緩められているのかな、と。

もちろん美味しい料理、新しい王道、を作っていくのは難しいことだと思います。

新しい王道とは?

今、トラットリアやビストロでメニューにある、例えばカルボナーラ、例えばニース風サラダ、のように何年も楽しまれている料理、はOPや認知、選ばれやすさのような要因もありながら、やはり間違いなく美味しい、というものが現代にも残っています。
地域性や郷土感も魅力にあります、が、なぜ王道、という料理になっているのか、を分解するのには限界があると思います。
だけど、OndoriOも今の料理が5年後10年後、もっと先にも楽しまれている、ということを想像しながら商品開発をしていきたい、と思っています。
やりすぎない、けど新しさがあったり、良い意味で日本らしくない感性があったり。

うまく言語化や体系化が難しいのですが、そんな料理をご提供できたら、と思っています。

私自身もレストランに行く意味、についてよく考えることがありますが
やはりそのお店でしか食べられない料理がある、というのは数ある理由のうちの一つです。
そのお店でしか、というのは他のお店やレストランと比べる、という意味でもです。
イタリアンが食べたい、ビストロに行きたい、今日は居酒屋に、焼肉に、という理由の中でお店を選ぶ、というよりは、今日はOndoriOの料理が食べたい、あの料理を食べたい、となってくださったら嬉しい、です。

まだまだ具体的なメニューは決まっていないのですが、現時点での想いのようなものをまとめてみました、のお話でした。

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