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『メメント・モリ』

メメント・モリ展

先日、東京都写真美術館「メメント・モリ展」行ってきました。
そのタイトル通り「死を思え」。
強烈、繊細な写真が並んでいます。


遠い死

写真展では確かに「死を思え」というメッセージがある…。
でも…。
でも…。
なぜだろう…。
もう一度、立ち並ぶ写真を見つめ直しました。

しばらく見つめた後… 腑に落ちました。
そうか…。
そこは私には少し遠い…。
そこはニュースのワンシーンのようで…。
そこは写るヒトを “彼” “彼女”という『3人称』で呼んでしまいそう…。


社会のベールに包まれた身近な生と死

遠いところに行かなくても、今この日本で、私たちが住む町で、繰り返されている<生と死>があります。ただメディアに載せるということは様々な課題がある。だから私たちが住む町で繰り返されている<生と死>はいつも社会のベールがかかるのかもしれません…。


ベールの中にある私たちの生と死

医療を通して、またはケアを通して、ベールをくぐり、家族や友人みたいな『2人称』の関係まではいかないけれど、彼、彼女という『3人称』を超えた関係を築き、悲喜こもごもな<生と死>に向き合っている人たちの姿があります。そこにこそ大事なメッセージがあるように思えてなりません。

見出しにある写真は、看護師であり写真家である尾山直子の作品。
まもなく旅立つ榮助さんの口元に看護師がお水を運んでいる。
(尾山直子:個展「ぐるり」より)



生と死に向き合う人たち

私自身もですが…。今はコロナ過で、自分の立っている場所すら見失うほど多忙な医療スタッフ・ケアスタッフは多いはず。

でも社会のベールに包まれながらも、悲喜こもごも<生と死>と向き合っている皆の姿を、私は心で静かに個展にしています。
そして皆の姿を微力ながら誰かに伝えたいと思っています。


桜新町アーバンクリニック在宅医療部


https://www.sakura-urban.jp/home_medical_care/index.html



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