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アナログとデジタル2 同人製作回顧録

前回記事の続きになります。私的回顧録です(^_^;)

私の場合、学生時代に漫研だった事もあり、アナログ作画についてはある程度経験がありました。
 デジタル絵に触れたのはPC−9801のドット絵からで、その後カラーボードを少し使った後、Macintoshへと環境を移しました。

Windows発売以前からMacintoshには多色環境が整っていましたので。

また、ペンタブレットもワコムから発売されていました。
しかし直接描くことには馴染めず下絵とペン入れはアナログでした。
線画をスキャナで取り込んで、色をコンピューターで塗ると言う流れでした。
私の場合、DTP的な物を視野に入れて環境構築を行った様に思います。

 当時印刷所はデジタル入稿に対応していませんでしたから、出力まで自前でしたけどね(^_^;)
 なんだかんだで最初にデジタル使って作った本がこちら。

表紙 友人の漫画家 陽気婢氏のイラストを加工 出力は当時のインクジェットなので微妙です(^_^;)
同人のコンセプトはパソコン通信でした。今は亡きNifty Serveが主なネタ(^_^;)目次のイラストは友人のドット絵です。
数ページの漫画 下絵取り込みの後はPainterで彩色 150DPI位の粗い代物。 その後Aldus Super Paintに貼り込んでレイアウトと台詞などを仕上げました。
当時の製作環境です。いやはや今思えばよくもまぁ ですね。
製作は1993年 30年近く前 Windows95がまだ出ておらずパソコン通信の時代でした。

当時かかった金額は考えたくもないですね(^_^;)
完全に金に糸目をつけない趣味の世界です。
ただ、私自身この後同人活動を10年ほど続けてますが、サラリーマン勤務しながら行うには、こうしたデジタル環境は便利でした。
時間はお金に換えられないので。

その後、インターネットの高速回線が普及を始める2000年代半ばに諸事情あり、同人誌活動から身を引きました。
 私の場合は、編集と彩色、仕上げ作業をデジタルで効率化していた事になります。
 下書きーペン入れまではアナログのままでした。

 一方、プロ漫画家でこの時期にデジタルの作画スタイルを確立した人に、山本直樹(森山塔)さんがいます。
 スピリッツで ありがとう の連載をしていた頃にペンを捨ててMacintoshとタブレットでの作画に切り替え。
 トーンや背景素材なども自前で揃えてアシスタントを廃し、一人作画のスタイルを構築。
 驚いたのは、当時完成したスタイルは、現在もそのままと言う事です。

 数年前 NHKで浦沢直樹氏が司会を務めた満勉にて、山本直樹さんの特集回が放送されましたが、驚きました。
 その時の作画環境はPhotoshop 4.0 とAldus Super Paintと言うソフト。
 デジタル作画を始めた時期からアップデートされていません。
 私が90年代前半に同人誌作成を始めた頃の環境です(^_^;)
 68KMac時代の環境を、これも今は亡きPower Macintosh G5のエミュレーション環境下で使っているんですね。
 (これで REDや分校の人々の原稿描いてました(^_^;))
 ご自身が作り上げた完成形としての環境は、そのままなんですね・・・
 デジタルの先駆に見えて、効率化したスタイルが確立できれば、手段は問わなかったのかもな、とも思いました。

 長くなったのでまた続きます(^_^;)

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