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「裏世界ピクニック」 アニメと小説

2021年の1-3月期にアニメ放映されていた作品です。
原作は宮澤伊織さん。

あらすじ
廃屋内の扉から〈裏世界〉を発見した紙越空魚は、くねくねを目撃し命を失う危機に陥り、仁科鳥子に助け出される。後日、大学を訪ねてきた鳥子に、〈裏世界〉の探索に協力して欲しいと請われ、共に〈裏世界〉を調査することとなる。

アニメの出来がなかなか良くて、お気に入りだったので、
気になって原作も読んでみたくなりました。

小説はハヤカワから文庫が出ています。
近くのマルゼンでは、「SFマガジン」の「百合特集」と共に
平積みになってました。

でも、取りあえず図書館で予約して借りました(^_^;)

ラノベ系は、文体が自分の好みに合う、合わないが大きいので
外れ引くのが怖かったのです(^_^;)

この作品は、結構私の好みにあってて読みやすかったです。

主人公の一人称描写ですが、文体も平易で台詞が多過ぎることもない。
情景描写や心情描写も分かりやすい。

アニメのキャラクターイメージも、原作読んでも違和感ないです。
主人公の「紙越空魚」を演じていたのが、「ゆるキャン△」「各務原撫子」役の
「花守ゆみり」さんだったのは少し驚きましたが。
(同クール放映の作品だったので、キャラクターのギャップがなかなか・・
 声優さんってホントスゴイと思います。)

アニメでは、百合的要素は少なかったけど、小説は途中から割と強めに出てきます。
百合と言うよりは、登場人物全般に自己肯定感が低いので、自分を認めて一番に
思ってくれる人への想いが強いと言う方が分かりやすいかも。
主人公である「空魚」の相棒 「仁科鳥子」は、育ちも特殊で色々あるみたいですが。

最初は、空魚が鳥子を追いかけていたのが、逆に鳥子から好意を向けられるようになり、それが友情では無く恋愛対象としての好意であり、それに戸惑う空魚の描写は結構面白い感じです。

似た感じのものでは、小林さんちのメイドラゴントール小林さんを少し思い出しました。まぁ、小林さん空魚より大人で男前ですが(^_^;)

舞台の裏世界が、ネットロアを再現した裏世界、と言うのも面白く感じます。
ネット発祥の怪談なので、取り上げられているのは「くねくね」や「如月駅」等、
私も聞いたことがあるものが幾つかあります。

ただ、ネタとしてはそれだけでもなく

5巻では、

「私 きれい?」

なんて表現が出てきて 笑ってしまいました。
「口裂け女」

今の若い読者知ってるのかな・・

 
同じく5巻の「迷い家」なんかは「遠野物語」からですし。

アニメは、話の順序を組み替えて、キリの良いところで終わっています。
今後の展開はディープになるのですが、続編やるなら見てみたいかな・・

これは、小説も本で揃えようかなぁ・・

個人的には怪異、SF好きにはお勧めしたい作品です。



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