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浮かぶ都道府県: 富山県

今回は富山県です。

浮かぶ富山県

富山県は日本屈指の山岳地帯である3000m級の山々が連なる北アルプスを東に、南に飛騨高地、西に宝達丘陵と三方を山に囲まれています。

富山県といえば、なんといっても立山連峰と黒部ダムだと思います。
春には立山黒部アルペンルートが開通し、高さ20メートルもの雪の壁を間近に見ながら歩くことができます。
世界有数の豪雪地帯だからこそ見ることができる景色です。
是非一度は行ってみたい場所ですね。



北アルプス

北アルプス

上の画像は北アルプスで正式には飛騨山脈です。
北アルプスには日本百名山のうちの15座があり、名山が集中している地帯です。上の画像には14座を記入しています。
(残り1座は乗鞍岳なのですが、ずっと南の方にあるので省略しています。)

北アルプスは日本国内では最長の山脈で、巨大なYの字の形に広がっています。

<立山連峰>
Yの字の左上側。 剱岳、立山、薬師岳、黒部五郎岳。
この3000m級の立山連峰4座が登山者憧れの地です。
立山は室堂から比較的容易に登れるので初心者でも挑戦できますが、剱岳は日本国内で最も危険な山と言われています。

<後立山連峰>
Yの字の右上側。 白馬岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳。
富山県側から見て立山の後ろ側に見えるので後立山連峰です。

<主稜線>
Yの字の縦棒側。鷲羽岳、槍ヶ岳、穂高岳、焼岳、乗鞍岳(上図に含まず)

この画像を見ながら思ったのですが、Y字のちょうど真ん中あたりに黒部湖がありますよね。
黒部ダムによって人口的にできたダム湖です。
黒部湖の南側に南北に長い湖があるのが分かると思いますが、黒部ダムに次いで日本第二位の高さを誇る高瀬ダムによってできたダム湖で、その名も「高瀬ダム調整湖」!。

「ちゃんと湖の名前ぐらい付けてやれよ」と思いませんか?
実は国土地理院の地図には、このダム湖の名前は載っていないんです。

日本で2番目高さのダムによってできた湖なのに、そのまんまの「高瀬ダム調整湖」。
「かわいそすぎる・・・」と思いませんか。
しかもこのダム、日本の「ダム湖百選」にも選ばれているんです。
せめて「高瀬湖」とかにしなかったんですかね?。

ダム湖には普通名前を付けないのかなと思って調べてみると、ダム湖でも有名な名前の湖が結構ありました。
<多摩湖>
 村山ダムのダム湖。
 志村けんにより日本中で有名になった。
 正式には村山貯水池。
<丹沢湖> 
 三保ダムによってできたダム湖。
 神奈川県。
 丹沢大山国定公園内。
<恵那峡> 
 大井ダムによってできたダム湖。
 岐阜県にある観光地。

この高瀬ダムの下流に「七倉ダム」があり、夜間電力を利用して七倉ダムに溜まった水を上流の高瀬ダム調整湖に戻して再度発電に利用する揚水発電所として使用されています。
ですから、揚水発電所用の特殊なダムなので特殊な名前なのかなと思ったのですが、「七倉ダム」のダム湖には名前さえ付けられていないようです。
せめて通称でいいので付けてあげて欲しいです。



立山黒部アルペンルート

立山黒部アルペンルート

立山は日本三名山の一つですが、実際には立山という山は無く、
・雄山(3003m)
・大汝山(3015m)
・富士の折立(2999m)
の3つの山の総称です。
日本三名山は富士山、白山、立山です。

立山黒部アルペンルートは、富山県立山駅から長野県大町市までを結ぶ交通路で、標高3015mの立山をぶち抜き、2641mの成沢岳の横っ腹に穴を開け、北アルプスを貫通する山岳観光のルートです。

長野県側の関電トンネルは電源開発のための黒部ダム建設用に1956年(昭和31年)に工事が開始され、難工事の末1958年に開通しています。もともと黒部ダム建設地に人が行く事自体が命がけであったところに、よくこんなダムを作ったものだと思います。

富山県側の立山トンネルは1965年(昭和40年)着工ですが、当時神の山である立山にトンネルを掘ろうなんてよく思いついたなと感心することしきりです。
「こんな場所に観光ルートを作ろうなんてよくもまあ考えついたなぁ~」と思って調べてみると、1952年(昭和27年)に富山県が電源開発工事に合わせて富山と信濃大町を結ぶルート建設の基本計画を策定したことが始まりのようです。1952年といえば戦後7年しかたっていません。「富山県すごい!」

現在、立山黒部アルペンルートは富山県と長野県を直接結ぶ唯一の公共交通機関ルートです。
県境には3000m級の山々が連なるため、あとは歩いて超えるしかありません。その他は、岐阜県経由か新潟県経由でぐるっと迂回することになります。

富山側の立山駅から長野側の扇沢駅まで各種交通手段を乗り継いでコースですが、
・室堂駅 - 大観峰駅
・黒部平駅 - 黒部湖駅
・黒部ダム駅 - 扇沢駅
の間がトンネル内運行です


富山市・立山町・舟橋村

富山市・立山町・舟橋村

緑色が富山市、オレンジ色が立山町、ピンク色が舟橋村です。
この画像を見た感想は、「富山市でかすぎやろ!」ではないでしょうか。
富山県の1/3が富山市のように見えます。

富山市は県庁所在地の面積が都道府県の面積に占める割合としては日本1位で、二位は東京23区のようです。
富山市:   富山県の面積の約29%
東京23区: 東京都の面積の約28%
富山県自体がかなり大きい県なので、余計に富山市の大きさが目立つのかもしれません。
東京都は国内でも3番目に小さいので、23区がそれほど大きいとは感じないように思います。

舟橋村
緑色の富山市とオレンジ色の立山町の間にあるピンク色の小さな自治体が舟橋村です。日本の自治体の中で最も小さい村で、東京ディズニーリゾートの約1.7個分の広さです。
ですが、富山市のベッドタウンとして近年人口が増加しており、人口増加率は県内で1位です。さらに、若い人の転入が多く、総人口に対する15歳未満の子供の割合が日本一になったこともあります。
日本全国で悩みの種である高齢化・過疎化とは無縁の村のようです。

この村の名前の由来ですが、室町時代に城の堀に船を並べてその上に板を渡して橋を作ったという説があります。
舟橋村の近くなのですが、江戸時代には神通川に船をならべその上に板を渡して作った富山の船橋が有名で、歌川広重が六十余州名所図会・越中 富山船橋として描いています。

六十余州名所図会・越中 富山船橋 
(出典:国立文化財機構所蔵品統合検索システム)

立山町
黒部湖の大部分と黒部ダム(黒四ダム)は立山町に存在しています。
富山県の山岳観光の大きな部分を担っていますが、日本有数の豪雪地帯である「特別豪雪地帯」に指定されています。
しかし、立山町は東西に長いので富山市中心部に近い平野部と、山間部とではかなり生活が異なるでしょうね。
でも、毎朝起きたら目の前に立山や剱岳がドーンと見えたら気持ちいいんだろうな~。


立山連峰

立山連峰

立山連峰を富山市内上空からみた画像です。
3000m級の山々が連なる風景は、国内ではあまり見ることができませんね。



富山県西部

富山県西部

富山県の西部の画像です。
東部の立山連峰とは異なり、標高1600m級の山々です。
さすがに立山連峰程の迫力は無いのですが、富山県南西部、主に南砺市には山々の連なりが数本の列となって伸びているのがわかります。

この辺りの山々って地形的に面白そうなので作ってみたのが下の画像です。

南砺市の山並み

南砺市の平野部上空から南東方向を見た画像です。
山の列が見えますでしょうか。

余談ですが、南砺市はフランス西部にある都市「ナント」と友好都市か姉妹都市になってるんだろうな~と勝手に期待していたのですが、そういう関係はありませんでした。残念。


富山県は以上です。

今回の画像は国土地理院の数値標高モデルデータを編集・加工して使用しています。


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