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【書評】『墨谷渉』――芥川賞に最も近づいたM男

【書評】『墨谷渉』――芥川賞に最も近づいたM男

SMを題材にして描かれた文学作品で芥川賞候補作まで上り詰めた作家『墨谷渉』。

2007年に『パワー系181』で第31回すばる文学賞受賞して華々しくデビュー。2009年に『潰玉』で第140回芥川賞候補となりました。しかも、どちらの作品も痛みと傷を求めるどろっどろのハードなマゾヒズムが題材なのです。

『博士の愛した数式』で知られているあの小川洋子氏は「解釈ではなく、観察された暴力にこそ快楽は宿る。

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