大学院博士課程の生活費金策まとめ

このnoteは、お金はないけど博士課程に進学することを決めてしまった人向けの「どうやってお金を得るか」のまとめ記事です。絶対生きて研究を続けような!

生活費を得る方法
・学振
・リーディング大学院
・博士進学者向け学内助成
・各種奨学金
・TA、RA等の学内雇用

生活費を得る方法

この記事で対象としているのは、”お金に困っている”大学院生である。仕送りで生活できるなら甘んじて受け取ろう。齧れるスネがあるうちは齧れ!

前提として、授業料減免制度は必ず申請しよう。ただでさえ収入を得難い大学院生活において、授業料を(免除対象になるにもかかわらず)全額払うのは無駄遣い以外のナニモノでもない。あなたが実家以外からの通学を考えているならば、進学先の寄宿舎などを探してみるのも重要である。近隣の単身向け家賃相場より大幅に安いことが多い。

以下に、アルバイト以外の方法で金銭を得る具体例を優先すべき順に列挙する。

1.学術振興会特別研究員

いわゆる学振(DC)と呼ばれるもので、月20万円の給与のほか150万円以下の研究費が支給される(詳細)。年度末に報告書を提出する必要があり、また副業に強めの制限があるが、自由度はかなり高いため取れるなら取るべき。学振に採用されるための指南ブログや本は出ているのでここでは詳細は書かない。おすすめは通称”学振本”。

2.リーディング大学院

日本学術振興会の博士課程教育リーディングプログラムのこと(詳細)。こちらは大学院生が個人で申請するものではなく、このプログラムに指定されている大学院の院生が受けられる補助である。一例として、東大の多文化共生・統合人間学プログラムの場合、博士前期(修士)課程在籍中月額15万円、博士後期課程在籍中月額20万円の奨励金が支給される(ここ)。この奨励金を受け取るためには入学後選抜と選抜枠での入試があるが、もし自分の興味に合致しているリーディング大学院があるならば、積極的に進学を考えるべきであろう。

3. 博士進学者向け学内助成

これは各大学によって名称・支援内容が異なり、必ずしもすべての大学で存在するわけではない。多くの私立大学では学費相当の奨励金を支給する制度があるようだが、まず自分の所属先の事務に直接尋ねてみるのが確実である。ウェブ公開されている制度を2つ紹介する。

  長崎大学特別研究奨学生
研究計画書を提出し、審査を受ける。採用されると、月額10万円もしくは5万円の奨励金が支給される。

 首都大学東京博士後期課程研究奨励奨学金
同じく研究計画書を提出し審査を受ける。月額15万円で3年間支給と好条件。ただし、以下の条件がある。


1.本学大学院学則第3条第2項に規定する博士後期課程の入学試験に合格し、入学を予定している者
2.博士後期課程入学年度が採用年度となる日本学術振興会特別研究員DC1へ申請し、DC1に採用されなかった者

つまり、大学院入試以前に学振DC1に申請している必要があり、かつ入学前の申請となるため、博士後期課程に他大学から入学する場合は注意が必要。

基本的に、この手の奨励金はあまり大々的に宣伝していない(定員は多くない)。そのため、まず存在と申請方法を知らなくては勝負にならないため、自分の入学先(候補)についてそれぞれの大学の教務課に直接尋ねてみるべきである。

4.各種奨学金

数が多いわけではないが、大学院博士課程にももちろん奨学金は存在する。代表的なものの一つが吉田育英会のドクター21。各年度に自然科学系で5名程度しか採用されないが、月額20万円と授業料、研究経費がついてくる。申請資格を満たせる場合は狙うべき。
実際に多くの人が使うことになるのが、学生支援機構奨学金の第一種であろう。無利子の貸与であるが、実績として約3割の学生が半額以上の返還免除を獲得できる。額は8万円または12万2千円からの選択になるが、無利子で返還免除の可能性を考えると満額借りておくのがベター。返還免除を受ける難易度は実のところ大学によって異なるが、詳しくは別記事で述べることにする。

5.TA・RA等の学内雇用

最終的にどうしようもなくなればアルバイトをするしかないのだが、まずは学内の雇用を考えてみよう。RA(リサーチ・アシスタント)などは、実際は普段どおり研究をしていても研究補助扱いで給与がもらえる場合もある。TA(ティーチング・アシスタント)は内実は様々で、ただ授業の教室に行きレポート回収するだけだったり、自分でスライドを作って講義をする必要があったりする。負荷の少ないものを見つけられると高効率な収入減にできるだろう。いずれも、自分の指導教員に相談するのが早いと思うが、それでも足りない場合はいろいろな教員に営業をかけてみるのもいいだろう。案外人手不足でTAを探している教員は少なくない。

まとめ

大まかにまとめてみたが、やはりできることなら学振をとっておきたい。学振がだめでも足掻けば思ったよりはなんとかなる。ただし、ぼーっとしているとあっという間に死ぬ。この記事を足がかりに、自分は何が使えるかを探してみてほしい。諸君らの健闘を祈る。

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