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広告業界で働く新卒1年目が見た勉強になる広告事例

こんにちは!
D2C ID CXプロデュース本部コミュニケーションプロデュース部の山口です。

今年新卒でD2C IDに入社し、現在はアシスタントプロデューサーをしております!
配属から半年が経過しますが、毎日学ぶことが多く圧倒される日々です。

特に入社して一番大切だなと感じたことは【広告事例に触れる】ということ。
映画監督が世の中の映画をたくさん見て、小説家が多くの本を読んでいるのと同じように、
広告業界では広告事例を知ることが大切であることを学びました。

新卒1年目の私からすると、一人前のプロデューサーになるには業務量をこなすことがプロになる近道であると感じていました。

しかし実際はそんなことはなく、どれだけ業務量をこなしたところでアイデアのアウトプットに変化はなく、1通りの考え方からアイデアの幅を広げることはできませんでした。

ですが広告事例に触れることで、アウトプットの方法を知り、なぜこのようなプロモーションにしたのだろうと考えることで、アイデアへの転換が少しずつわかるようになってきました。
私はまだまだ未熟ではありますが、配属された5月の時と比べ、すこーーーーしだけアイデアが考えやすくなったと思います。

そこで!
今回はそんな新卒1年目の私がステキだなと思ったプロモーション事例をご紹介します!

今回ご紹介するプロモーションは
UCC上島珈琲さんの「#バリスタのいないアイスコーヒー専門店「ひみつのドリップ」」です。
なぜこの施策が私に響いたのかを解説していきたいと思います。

(UCC上島珈琲株式会社 ニュースリリースより)

「ひみつ」と「?」が特徴的なコーヒー屋さん

(UCC COFFEE MAGAZINEサイト内記事「1杯たったの80円。バリスタのいないアイスコーヒー専門店「ひみつのドリップ」期間限定イベント開催!」より)

近年、コロナ禍の在宅時間の増加をきっかけに、コーヒー市場は年々盛り上がりを見せているそうです。

日本のコーヒー文化をリードしてきたUCCは、夏の定番であるアイスコーヒーの魅力を伝えるべく、バリスタのいないアイスコーヒー専門店「ひみつのドリップ」をオープンしました。

実は専門店ではあるもののバリスタがいないのが特徴になっており、非対面でコーヒーを受け取る仕組みとなっています。

後ほど詳しくお話ししますが、この「ひみつのドリップ」に私も実際に行ってきました!
私が行ったときは長蛇の列でコーヒーを受け取るまでに1時間かかりました…笑

ですが、それだけの人が気になるくらい「ひみつ」や「?」に惹かれてアイスコーヒーを買いに来る人がいる施策はすごいなと思いました。

14種類56通りから選べるアイスコーヒー

実際に、ここからは施策内容に触れてお話ししていきたいと思います。

このコーヒー店は注文をオーダーシート形式で行います。

まずBaseと呼ばれる17種類のコーヒーやお茶の中から好きなモノを選びます。(写真左側)

右側には、それぞれのコーヒーに対してBlack、Milk、Soda、Fruit & flavorの4種類のStyleが選べるようになっています。(写真右側)

しかし、こんなに種類があっては、どれを選べば良いかわからないですよね。

そこで登場するのが「味わいMAP」と「気分MAP」です。
コーヒーの得意不得意や、その日の気分で飲みたいコーヒーを選ぶことができます。

私はコーヒーが苦手なので「味わいMAP」からマイルドに近い「08スペシャルブレンド」を選択し、スタイルはFruit & flavorのメープルにしました。

(UCC COFFEE MAGAZINEサイト内記事「1杯たったの80円。バリスタのいないアイスコーヒー専門店「ひみつのドリップ」期間限定イベント開催!」より)

実際に飲んでみると、甘めなコーヒーでありながらさっぱりしていたのでゴクゴク飲み干すことができました。

コーヒーが得意な人は「気分MAP」でその日の気分にあわせて選ぶのもおすすめです。

(UCC COFFEE MAGAZINEサイト内記事「1杯たったの80円。バリスタのいないアイスコーヒー専門店「ひみつのドリップ」期間限定イベント開催!」より)

ひみつのなぞとは!?

そして、このコーヒー屋のもう一つの魅力が一杯80円であるということです。

なぜ80円という安さで提供できるのかというと、今回のイベントで提供されたコーヒーはすべて、UCC「ドリップポッド」で淹れていたものだったからです。

そのため、この安さでコーヒーを提供でき、ドリップポットの味も体験できるというわけでした。

冒頭でお話ししたバリスタがいない理由も、ドリップコーヒーの魅力を最大限に伝える一つのアクセントになっていると思います。

(UCC COFFEE MAGAZINEサイト内記事「1杯たったの80円。バリスタのいないアイスコーヒー専門店「ひみつのドリップ」期間限定イベント開催!」より)

実際にひみつのアイスコーヒー屋に行ってみて

なぜ今回の施策に行こうと思ったのかというと、冒頭でもお話ししましたが、「ひみつ」や「?」の理由が知りたくて買いに行きました。

そこで実際にこの施策を体験してみて感じたことは、まずこの商品の魅力がとても伝わってきたということです。

コーヒーが苦手な私でも飲める種類があるんだ!という新たな発見や、ドリップマシーンで入れたコーヒーって意外と美味しいんだという気づきから、ドリップコーヒーに対する購買意欲が高まりました。

また一杯80円でこんなに本格的なコーヒーが飲めるんだという驚きもあり、1人の消費者としてとても満足した時間になりました。

そして私がこの施策全体を通して感じたことは

  1. お店の名前から興味を持ち、行ってみたくなるモチベーションを生み出す

  2. 足を運んで商品を購入するまでに、オーダーシートやMAPを使って「キニナル」仕掛けをちりばめる

  3. 実際にコーヒーを飲んでみて味のおいしさに感動する

  4. ドリップコーヒーだということを知り、いつでも飲めるコーヒーであることを理解したうえで商品の購買意欲が高まる

というフローの組み立てが一つ一つ丁寧で上手だということです。

お店の名前が気になる店名でも、アイスコーヒーが1種類しかなければ「なんだ」となり、
つまらない体験で終わってしまうと思います。

この一つ一つのフロー設計が丁寧だからこそ、この企画がより魅力的に見えるのではないでしょうか。

新卒1年目がこのプロモーションから学んだこと

長々と今回の施策についてお話してきちゃいましたが、改めて行きたくなる仕組み作りが上手で私はこの施策がとても好きです。

前述したように「ひみつ」や「バリスタがいない」「一杯80円」「14種類56通り」など気になるフックがたくさんありつつも、どれも最終的な着地点がUCCのドリップコーヒーに繋がっている点がこの施策の良い箇所だと思います。

最近はコロナが明け、外出が当たり前になったことで「○○展」のような来場者参加型のイベントが増えたように思います。

SNSで周りからも注目されやすく、ちょっと面白い体験をシェアしたくなる若者の気持ちも相まって、よりイベント需要が活発化しているのでしょう。

そのため、プロモーションを考える側の立場に立った時、バズってくれたら嬉しいからとりあえずイベント形式のプロモーションにしたらいいのではないかという発想になってしまうこともあるのかなと思います。
実際私もアイデアを考える際に「面白そうだから」と提案したくなってしまう時が多々あります。

ですが今回のプロモーション事例を通して、体験する価値が提供できるから来場者参加型のイベントになるわけで、体験する価値が来場者に提供できなければイベントというアウトプットにする必要はないということを学びました。

アイデアを考える際に、よく先輩からファネルを意識するようにアドバイスをいただきます。
そのなかでも参加型のイベントは実際に体験しても、商品の購買まで繋がりにくいように思います。
なぜなら「イベントへの認知→興味関心→体験→拡散」で終わってしまい、「商品の購買」が入ってきづらいからです。

だからこそ、実際にイベントでの「体験」を「感動」へと変えるために、私たち広告代理店が努力をすることで、体験する価値を提供できて商品への購買に繋がるのかなと思いました。

最後になりますが、今回のプロモーション事例で学んだことを活かし、「あのイベント面白かった」でユーザーが満足するのではなく、購買までしたくなるような企画が考えられるプロデューサーを目指してこれからも日々精進していきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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