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イタリア地パスタその6 ブジアーテのペスト・トラパネーゼと夏野菜入りの蛸のミナゴロシ

 う〜ん、なんか呪文のようなお題になってしまったような。寿限無寿限無五劫のすりきれ 海砂利水魚の水行末、って落語なんてやってると落伍者になったり、ってわたしのことです、って落語家に失礼ですね。ほんに、パスタオタ以外の方々にとってはこれ食べ物って思えないかも。ええ、これは立派な食べ物で、って喰えんのはおまえやろ〜、ってその通りでおまwww。
 asさんの日本各地のお料理で地図を埋めていかれているのを真似させていただいて、せっせとイタリア地図を地パスタで埋めていこう、な企画の6回目。
今回はシチリアのトラパニの地パスタ。シチリア、といえばパレルモにお住まいのkaorina091さん。私から語るのも烏滸がましいので、ちろっとだけ。
 トラパニ、ローマ時代から続く港町。第一次ポエニ戦争でカルタゴの名将ハンニバルのお父さん、ハミルカルを撤退に追い込むことになる海戦が行われたことで有名。そういえば、ローマ字の原型になったフェニキア文字、カルタゴで使われていたものとか。当時の繁栄ぶりが偲ばれますね。って、パスタと何の関係もないやろ、ってね。バレバレだと思いますが、塩野七生のローマ人の物語、好きで何度も読み返してます。。。巻数多いから読み終えるころには最初の方忘れてるだけだ、ってお話もございますがwww。
 トラパニ、アーモンドが名産らしく、ペスト・トラパネーゼ(トラパニ風ペースト)と呼ばれるアーモンドとトマトを入れたバジルペーストが有名とか。これをくるくる巻いて作るパスタ、ブジアーテと併せるのが定番らしく。ブジアーテ、葦の一種、busaに巻き付けて作られていたのでこの名になったらしく。

もう、シチリアといえば、のkaorina091さん。トラパニも訪れてらっしゃるし、何度かブジアーテも紹介されてます。パスタのお祭りまであるなんて、なんかすごいですね。

ブジアーテは以前に何度か作っていたのですが、ちゃんと本格的に地パスタっぽく仕上げてみしょう、ホトトギス、な今回のお話です。

地図、やっと1/4が埋まりました。ほんにライフワークになりそうなwww。

生地作り

てへっ、サムネでお気づきとは思いますが、リクエストは蛸さんのパスタ。いつものように”溺れた蛸のミナゴロシ”にグリルした夏野菜加えたもの。もう、年に何回作るねん、な感じですが、ま、秋が来ない、と困りますが、飽きがこないのは良いこと。。。他のもん作れんがな〜、っていうのは贅沢な悩みですねwww。

フェットチーネ

ソースが強めなので少ししっかりめの生地に。湿度に対して少しだけ加水率下げてふつっとした感触になるように。

今回は寝かせて捏ねる、は省きました。すこしだけもっちりした感じを残してみたかったので。

ブジアーテ

南イタリアで多く使われている生地の作り方。デュラム・セモリナ粉と塩と水だけの生地。粉の風味を感じる素朴な味。

こちらはもちもちにしたかったので、(水だけにしては)加水率少し高め、途中で寝かせて捏ねていません。

流石に葦の茎は手に入らないので竹串で代用。長さがないので少し短めになってます。5mmくらいの紐状に伸ばして、竹串に斜めに巻き付けていって、ころころ転がしながら薄くする感じ。意外にこれ、整形に時間かからないです。

なかなか同じ太さに伸ばすの、難しくて不揃いになってますwww。ま、イタリア料理はムラの美学、って小倉シェフもおっしゃってますから、って単に不器用で均一にできないだけですぅ。

筒状になってて、螺旋状の隙間もあるので、ソースが入り込んで馴染みがよくなる形。ほんによく考えますよね、イタリア人に敬服します。

いつものように並べて悦に入る、の図。

ソース

野菜入り蛸のミナゴロシソース

なんどかご紹介してますので、簡単に。

蛸さん、弾力があるんで微塵切り地味に大変。最後にブレンダーかけるなら同じでね?と思し召しかも、ですが、表面積増やして、表面に軽く香ばしさを纏わせながら水分きっちり飛ばした方が美味しさが凝集される気がします。。。気がしているだけだったりしてwww。
ワインの酸味を残したくないので、ぴちっぴちっと言い始めるまで煮詰めてます。
常連の方は耳タコですが、半分潰すのが半殺しなので、完全に滑らかにしてるからミナゴロシ、って物騒な名前つけないな、ってねwww。
野菜をグリルするのは、水分飛ばして、味を凝集させる、旨味を吸いやすくする、青臭さを飛ばす、香ばしい香りをつける、煮崩れしにくくする、という理由でやってます。ま、これは好みですね。普通に売ってる茄子はアクが強くないんでアク抜きはしてません。

ペスト・トラパネーゼ

簡単にいえば、ジェノベーゼの松の実の代わりにアーモンドを使ってトマトを入れた感じ。チーズは入れないレシピもありますが、コクと旨味足すために少なめに入れて。。。実は、使い残しのアーモンドがず〜っと残っててぼちぼち食べんと味かわるで〜、っていうのとミニトマト大豊作すぎて生で食べただけでは食べきれへん、という裏事情もあったりしてますwww。

。。。想像はしてましたが、色目が超微妙。ま、赤と緑合わせたらこうなりますよね。松の実よりアーモンドの方が手に入りやすいから作りやすいのにジェノベーゼほど流行らないのは、この色のせいかも。

トッピング(?)

蛸パスタの方は黒オリーブの実と蛸のスライス。お出汁用にすりつぶしたのと蛸そのものの味を楽しむためのものに分けて。ミニトマトはトラパネーゼのアクセントに。

仕上げ

アンティパスト? 枝豆の蒸し焼き

いつものように、アルミフォイルで包んでグリルで蒸し焼きにしたもの。。。ここだけ居酒屋風www。アンティパストというより突き出しですね。

プリモピアット1 夏野菜入りの溺れた蛸のミナゴロシ

海水くらいに海塩入れた湯でフェットチーネを茹でて、湯切りして茹で汁少々と一緒に温めておいたソースに入れて。馴染ませるように和えて、マリネしておいた蛸さまとオリーブの実を加えてかるく混ぜて。

プリモピアット2 ブジアーテのペスト・トラパネーゼ

海水くらいに海塩入れた湯でブジアーテを茹でて、湯切りして、少し多めの茹で汁と一緒にペストに入れて煽るようにして良く和えて。マリネしておいたミニトマトを添えて。

セコンドピアット ビーフソテー 醤油バターソース

ちょっといい赤身のお肉が安かったので、いつもの感じで。

赤身のお肉だったので、ミディアムレアに仕上げてみました。

後書き

ペスト・トラパネーゼ、ジェノベーゼに比べるとアーモンドの風味が立って、トマトの酸味も加わるので爽やかな南の風を感じるような風味。ブジアーテは同じように穴の空いたマッケローニやブカティーニより螺旋の隙間からソースが絡みやすく、独特の食感が楽しいです。パスタも使う粉、水か卵か、どんな形にするかによって相性の良いソースがあったりして。地パスタ、長く愛され、作られ続けているだけあって奥が深い気がします。

今日も最後までお付き合いいただきありがとうございます。
明日からも素敵でありますように。

雨に潤う緑。


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