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春を楽しむ その2 桜鯛のサコッティーニを鯛のスープで。

前口上

桜鯛のラグーでパスタ作った前回に続いての二作目です。前回柄にもなくの乙女チックな薄紅色の仕上がり。で、今回は新緑をイメージしようかと。
もう、春の緑といえばこの歌ですね。

巌走る垂水の上の早蕨の 萌え出る春になりにけるかも 志貴皇子

むふふふ。今回も滑り出しは風雅に。

だいぶ前にシチリアにお住まいのKaorina091さんに魚のラビオリがある、と伺って、一度チャレンジしたのでございます。が、今ひとつで。

もそっとちゃんと作りたいと思いつつ、ラビオリって包むので、半端な魚使うと生臭さが強く出てしまうし、半端でないお魚は半端でないお値段するし、、で棚上げになってて。もういっぱい棚上げになってて、崩れそうで怖いです。そのうち棚からぼた餅は、、、おちてこないだろうな。

前回のパスタご覧になって、あれ、身が少し少なくね?とお気づきのあなた、鋭いです。身を取っていたとき、生臭さ全く感じなかったので、これなら積年のうらみ、じゃなくて希望が叶えられる!と思ってやってみました、の今日のお話です。

普通のラビオリの形でもいいかな、と思いつつ、お味も食感も良かったので、これをブレンダーで、ギュイ〜ンってすり潰してしまうのが心苦しく。以前作った時はすり潰してなんかぱさついた感じになったしまってて。であれば、大きめにほぐしただけの身を包みやすい形がいいなと。

ちょっと前にじゃが芋をリピエノにしたラビオリ作った時に、イタリアで修行されてたmamigeさんがサコッティーニを思い出した、とコメントいただいて。

わたしには似合わない可愛いそそられる形してていつかは作ってみたいと思ってて。で、改めて調べてみたら、サコッティーニとファゴッティーニと出てきて、どちらもハンカチ包みみたいな形と巾着包みみたいな形があって、よくわっかりましぇ〜ん、となって。多分作られてる地域が違うとかかなあ、と思いつつ、日本語サイトでは見つけられず、イタリア語サイトGoogleせんせに聞きながらみてもどう違うかは見つけられず。で、とりあえず、サコッティーニでまいります!。mamigeさんご存知でしたらお教えくださいまし。

サコッティーニ

ファゴッティーニ

名前はともあれ、ほぐした身を包む感じで、いい感じかも、で形はこれにすることに。たぶんイタリアのことなので、詰め詰めするものもほんとは決まっていると思いますが、とりあえず無視で、っていつものことですが(笑)。

生地を作る

ちょっとやってみたいことがあったので、00粉100% 卵白のみ、加水率55%、オリーブオイル5%、岩塩1%の、すこしもっちりした白い生地にすることに。

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いつものように水廻し。デュラムセモリナと違ってやわやわな優しい感じ。

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まとめてから15分くらい伸ばして畳んでをくりかえして捏ねて。すこしもっちりした感じにしたかったので、休ませて捏ねては1回だけに。

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アスリートのように引き締まったデュラ様と違って、ぷにょ〜んと柔肌な感じ。休ませた後はあかちゃんのほっぺみたい。いつまでも触っていたい、っていつもの変態全開(笑)。

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これがやってみたかった春菊挟み。以前セージ挟んだときに、ケイチェルおじさんが”これラザニアでもいいんじゃない”とおっしゃってて、葉の模様生かすのもありだな〜、とずっと思ってて。鯛と相性もいいのと、この模様がたまりませんわん、で春菊を挟んでみました、で。少しでも綺麗に見せたいので白い生地にしたのでございます。薄めに伸ばして葉を乗せて。

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もう一枚生地を乗せて、いつもの薄さまで伸ばして。やわやわな生地なのでいつもより気をつけて。
柔肌の白きパスタに触れもみで 寂しからずや料理をする君、なんて。
あ〜〜〜、しかしどんどん誰もついてこない世界にずぶずぶ入っているような気がするのは気のせいでは、ないですね。ま、こんな変態もいるということで、ご笑覧くださいませ。へんたいはたいへん、なんて(笑)。

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正方形になるように切って。。。もう少し葉の配置かんがえないと包んだ時に美しくないかも(泣)。もっと頭使えよって、わ、た、し。

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リピエノ

前回の粗くほぐした、というか、骨の周りからこそげとった鯛の身を使って。

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鯛、味が優しいので、これだけだと少し食べ飽きる感じになりそうに感じたので、一工夫。

その一 春菊のペースト

浅蜊とかに合わせたとき、ほんのり苦味と、意外に旨味も出ることがわかって、これと魚も相性いいかな、で。茹でると旨味も抜けてしまうのと、水分含んで包みにくくなるので、ここは水気とばすようにしながら軽くレンチンして、粗く刻んでからブレンダーでギュイーンと。繊維はしっかり残るくらいに。

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その二 胡麻油と酢橘のオランデーズソース

パスタ生地白身しか入れなかった時、黄身は?とお思いのあなた。そうです。きみをすてるなんてありえない!ってドラマだと別れの序章、ってナンの話やねん、はおいておいて、さらにアクセントで、黄身さまに塩胡椒、ごま油ちょろっと加えてまぜまぜ、酢橘と、酸味調整でワインビネガーちょろっと加えて湯煎しながらまぜまぜしてオランデーズソースもどきを。

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酢橘さま、風味がいいのは嬉しいんですけど種だらけで、取るの結構難儀しますねん。

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サコッティーニを作る

生地に、なんちゃってオランデーズ、春菊ペースト、鯛の身と重ねて、包みます、、、茹でる時内臓破裂させたくないからってぎゅっと抑えすぎて、なんとなく川の護岸壁みたいに(泣)。

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やっぱり、予想どおり、模様の出方が美しく無い!って、たぶん食べる人は気にしないんだろな〜。でも、白い柔肌の生地に薄っすらと透ける緑、うつくし〜、と我田引水自画自賛変態全開。

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フィナーレ

ソースは、シンプルに鯛のお出汁(前回作ったもの)に、アクセントの春菊で。え?中にも春菊なのに?と思し召しかもの鴨ネギですが、お出汁で茹でた春菊とレンチンした春菊、味も食感も少し違うのと、詰め詰めしたものもやさしい味なので、やさしく包み込むような感じの方があうかな、と。

いつものように海水くらいい海塩入れたお湯でゆでゆで。5分くらい。同時に鯛のお出汁に春菊投入、茹で上がったサコッティーニ湯切りして入れて、追いオリーブオイル少し加えて、揺すりながら少し味を馴染ませて、か、ん、せ、い〜〜〜。

う〜ん、大皿に盛るとますます雑草の生い茂る護岸壁(泣)。

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この美的感覚のなさは、いかんともし難いですね。彩にミニトマトとか入れてもよかったかも、と。ま、美味しければいいのよ、と開き直り(笑)。

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で、お味はいかがでしょう?

”星三つね。この味好み”

いただきました!星三つです!珍しく2連続ハットトリック、ってクリケットから来てるってご存知でした?ず〜っとなんで帽子やねん、と思ってて、だったら調べろってね。

身をブレンダーかけなかったの正解でした。部位によって微妙に違う食感と味わいがそのまま残ってていい感じに。ひとつひとつの工程は時間がかからないので、作りやすいのもマルです。

ほんと、noteのみなさんから日々インスピレーションいただいていて、幅が広がって、ありがたいことにこの上ないです。作りたい物リストが増える一方なのも嬉しい悲鳴で。。。そのうち棚がくずれてきそうですがwww。

今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
明日がさらに素敵な日になりますように。

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夜に咲く。昼間の艶やかさも捨てがたいですが、夜の静謐な感じもいいですね。

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