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パスタ 溺れた蛸のミナゴロシ と、フリッタータ(のようなもの)

のっけから物騒な題で恐縮ですぅ。いえ、理由はございますので、後ほど。

今は昔、比叡の山に稚児ありけり、な感じで、まだよちよちな世間知らずだったころ、って今もあんまり世間知りませんが、図書館で借りたイタリアのマンマたちの食卓を紹介した本、衝撃的で。高級食材を使うわけでもなく、地元で取れる野菜とか魚介なんかを使って、なんの衒いもなく、それでいてとても美味しそうで、なんといっても食卓が豊かで。こんなお料理作れたらいいなぁ、と。マンマやグランマが日がな一日くつくつ煮込んだり、おしゃべりしながらパスタ作ったり、そんな感じができたら、なんてず〜っと思ってて。

その本に、”溺れたタコのパスタ”というのがあって。
みなさま、溺れたタコですよ。タコさん溺れさせてどないすんねん、って思いません?。もうネーミングからイタリア〜ンな感じですね。あ、褒めてます、念の為。で、そのころ蛸と言えば酢蛸、せいぜい刺身で食べるぐらいしか知らなかったわたし。蛸一匹どぶっとトマトソースに入れてことことと煮て、そのソースを使ったパスタでプリモピアット、茹でた蛸をセコンドピアットにするっていうのが衝撃的で。蛸さんがポルポで、溺れるがアフォガード、ポルポ・アフォガードと言うらしいです。溺れた豚とかはないのかな。既に溺れているかも、ってパスタにですが(笑)。

そもそも煮魚食べたことなく。煮たり焼いたりして食べてたモロって鮫だったんだと後で知って、明かされる驚愕の事実。いえ、都会に出て、モロありますか?って聞いたら誰も知らんかったとですよ、で、サメザメと(泣)。
そういえば、たこ焼きも食べたことなくて、蛸さんの形にしたウィンナーのことと勘違いしてたくらいですからね〜、って世間しらずにもほどがあるやろ〜って。

ある時たこ焼き焼いてて、ってここでぽ〜んと大阪時代に移ります。で、たこさん足りなくて、ウィンナーとかチーズとか鰹節とかいろいろ入れてみたんですが、じぇんじぇん味にならず。蛸さんこんなにええ仕事してはった、と偉大さに気がついたんですわ。ちなみにたこ焼き器、南部鉄のこんろバージョンとホットプレートバージョン二つ持ってます!(笑)。

で、この溺れた蛸のパスタ作りた〜い、で始めたのが事始め。うようよ曲折は話すと長くなりすぎるので、ぽーんと飛ばして、ほぼほぼいい感じになったところを。なんどかご紹介しているもののバージョンアップですので、常連の方におかれましては、”また〜?”でございますが。ちなみにver.12ぐらいだと思います。極める道はまだ遠く。次はM1チップ搭載したいですぅ。

併せるパスタ

始めた頃は乾麺のスパゲッティとかスパゲティーニで。で、負けてしまって。ソースに。ま、詰めすぎって噂も。kaorinaさんが時々仰せのように、あんまりソースだけが残るの好きでないし、師と仰ぐ落合シェフも絡み良くなるまでしっかり煮詰めなさい、との教え。ま、これは好みもありますね。

生パスタ作り始めて、麺の幅や厚み自由にできるようになって、行き着いたのが、少し厚めで、フェットチーネの幅。わたしの作り方だとこの辺が良い加減で。いい加減ではありまへん、念の為。

生パスタらしさを味わいやすいのもこの辺りの幅ぐらいから、で多用してます。
あとは厚みを調整して。ローラーとローラーの隙間、同じでも、1回通すのと2回通すのと3回通すので厚みが違ってきて、3回目くらいまでは通すたびに薄くなるので、メモリ1段薄くすると薄すぎるかな〜って時に通す回数で調整してます。いっかい〜、にかい〜、さんかい〜、、、いっかい足りない〜って番町皿屋敷ちゃうってね。それはごかいやろ、なんて。

今日は少しつるっとした感触も出したかったのでデュラムセモリナ 2 : 00粉 1、全卵、加水率55%、岩塩1%で。

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いつもの水廻し。過去記事ご覧になった方はお分かりかとおもいますが、加水率や粉一緒でも状態が変わります。卵の卵黄と卵白の比率、卵によって結構違いますし、って4カ所6種類の卵買うから悪いという噂も(笑)。その日の湿度でも変わるし。これをさくっと調整できるようになるとプロなんですけどね。

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伸ばして畳んでを繰り返しながら15分くらい。今日は3歳児のほっぺくらいのかたさ。

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目指すのはもちつるぷりっ、とした食感。

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フェットチーネの幅で、少し薄めにして。

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溺れたタコのソース

いつものように玉ねぎとセロリみじん切りにして少し多めのオリーブオイルで、弱火でくつくつ。水分飛んで狐色になるくらいまで。その後、葉っぱも刻んで入れてます。これやりながらパスタ捏ねたり、他のことやったりしてるんで、小一時間くらいくつくつと。

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トマト缶どぶっと入れて、海塩ひとつまみ。15分くらいトロ火でくつくつ。

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こちらもいつもの、みじん切りの大蒜と種取った鷹の爪オリーブオイルに入れてくちゅくちゅ。風味が移るくらいまで。

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ほんまはタコさま丸ごとトマトソースにどぶっとやりたいんですけど、そもそも滅多に売ってないし、丸ごとってアホみたいな値段するし、で、足だけで。そういえば、昔見た本にタコの旨煮ってあって、これも小ぶりのタコさま丸っとまるごと茹でてあって、いいなあと。いや〜、ほんま、海近いところに住んでる人、羨ましかったです。
大根とかすりこぎでびしばし叩けば煮ても硬くならないんですが、って、イタリアの漁師のおっちゃん、獲れたタコ、なんども護岸壁に叩きつけてて、イタそう、なだそうそう、なんて。決してSではないわたくしとしてはそんな痛いことをするに忍びず、で、直前に加える用とお出汁用に分けてます。

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アクセントのオリーブの実。今回はグリーンの方で。

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こちらは直前に入れる方。オリーブの実とオリーブオイルでマリネしてしばしお休み。

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付け根とか足先とか頭とかは細かく叩いて、って、やってるやん、とのご指摘は甘んじて請けさせていただきます。S極とM極は表裏一体なのでございます、ってN極でしたね。小学校やり直してきま〜す。

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まずは弱火でくちゅくちゅと生臭み飛ばすように。

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水分飛んで、ぴちっ、ぺちって言い始めたら、白ワインどぶっどぶっと加えて。たぶんカップ一杯くらい。ご存知の方も多いかも、ですが、一度水分を飛ばすと生臭みが飛んで風味が良くなって、ここに冷たい白ワイン加えるとタコさまのお出汁がぶぉ〜っと外にでてくるのでございます。煮詰めてから薄めるのと薄いままは違うというのが落合シェフの教え。でシュワワワ〜っと強火で煮詰めて酸味は飛ばして。

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ミナゴロシのブレンダー

で、先ほどのトマトソースにイン、ブレンダーでギュイイイイ〜ンっと。ここで細かくしてしまうなら、タコさまに痛い思いさせなくてもいいんでね?と思し召しのあなた。違うのです。直径を半分にすると、体積あたりの表面積が2倍になるんで、フライパンに接して高温になる部分も2倍になって、風味とか変わってくるのでございます。
そういえば、餃子さん、学校の勉強は役に立つのか、という命題に鯛して、じゃなくて対して、知識は世界の解像度を上げる、との名言を仰せになっていたような。

ふうむ、私の場合無駄知識が文章をよりわかりにくくぼやかしているという噂もございますが、ま、三子の魂百までとも申しますので、治らんだろうなぁ。

今回は最大速度で、極限まで滑らかにして。"姫さま〜、むちゃじゃ〜、モーターがやけちまう””ソースができるまで持てば良い”、なんてことはありません。大切に使うとります。

よく、半分潰すことをハンゴロシ、って言ってて、完全に潰しまくっているんで、ミナゴロシ、、、言わんかなぁ〜。ま、言うと思うてくださいませ。

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増量&アクセントのお茄子さん。いつものようにオリーブオイルたらーっとして和えてからグリルにぽん。水分飛ばして、軽く焦げ目が着くまで。水分飛ばして味をぎゅ〜っとさせるのと、こうしておくと、ソース吸って美味しくなるんで、って以前も言ったかしらん。だんだんどこまで書いたか覚えきれなくなってて。ま、読んでる方も覚えてない、なんてことはないですよね。失礼いたしましたん。

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ソースと合わせて15分くらいトロ火でくつくつ。火を止めて味を馴染ませながらスタンバイOK。

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フリッタータ(のようなもの)

ほんとはフライパンで作るものらしく。kaorinaさんはさすがに本場の感じ。チョコチップクッキーさんも二度目(?)とは思えない感じ。で、ひっくり返す勇気も技も根性もないナイナイ尽しのわたしは、日和ってオーブンで。

付け合わせなので、お野菜で。薄切りのズッキーニと茄子にオリーブオイルぺたぺたしてグリルで水分飛ばして軽く焦げ目つけて。こうやって味をぎゅっとさせておくとお野菜の味だけでも結構美味しくなるので。

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卵にペコリーノチーズすりすり。塩気と風味漬けはこれだけでOK。あと黒胡椒がりがり。白身がしっかり切れるくらいまで良く混ぜて。

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耐熱皿にバター入りのマーガリン塗って、焼いた野菜入れて、卵液入れて、を繰り返して。

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最後にアクセントのミニトマト半割をちぼちぼと。

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180℃のオーブンで15分ぐらい。中まで火が通って、軽く焦げ目がつくくらいまで。

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フィナーレ

溺れたタコのミナゴロシをフェットチーネで
海水くらいに海塩入れたお湯でパスタ茹でて、温めておいたソースに茹で汁少々と一緒にイン。ソースを纏わせてから、マリネしておいたタコさんもイン、煽るように混ぜて。

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フリッタータ(のようなもの)

珍しく綺麗に切れたので、お披露目。割ときれいな層になっていて。そうですか、なんて。

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ふっふっふ。会いたかったよ、のタコラー。作り方、っていうほどではございませんが一応。

このころは真面目にレシピ書いてたな〜と、遠い目。いえ、ある時気がついたんです。レシピなんか世の中わんさかあって、たいていのものは検索すれば出てくるって。であれば、こんなこと考えてるアホがいる〜、と珍獣を見るように楽しんでいただいた方がいいかなあ、なんて思って。もし、分量がお知りになりたい、という奇特な方がいらっしゃれば、コメいただければお伝えします、っといいながら計っていれてないもの結構あるんですよね〜(笑)。

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タコさまですからね〜、お味はもう、いうことありまへん、な感じで。
滑らかになるまでブレンダーすると、タコのお出汁入りの濃厚野菜ポタージュな感じで、そこに、うっすら火が通ったタコさまとオリーブの実のアクセントがなかなかヒットでございました、って偉そうにいうほどではございませんが。いえ、言ってみたかったんですう。パスタもおおむねつるっもちっしこっの感じになって。
フリッタータもいい感じで。タコラーは外し用がありませんね。

改めてタコさまの偉大さを思い知った夜でございました。

今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

明日が素敵でありますように。

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咲き始めたヒベリカム・カリキナム。ぱっと開いた花火のような雄蕊。美央柳のお友達。

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