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みんなが活き活きと働けるために~プロジェクトPMOの経験を振り返る

私が会社で仕事をしてきた中で、システム構築プロジェクトで「PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)」という役割を担う機会が何度もありました。PMOは、私にとってはとてもやりがいを感じられるもので、インフラエンジニアの部隊にいながら、PMOのプロとして働きたい!と強く思っていました。
日本PMO協会のPMOスペシャリスト資格を取ったのは、そんな思いがあったからです。

プロジェクトにおけるPMOとは

一般社団法人日本PMO協会のサイトに、その役割詳細が書かれています。

プロジェクトマネジャーは「プロジェクト」のために活動する役割です。
一方で、PMOは基本として「プロジェクトマネジメント」のために活動する役割です。

プロジェクトが大きく、複雑になるほど、プロジェクトマネージャーの責務が重くなります。そんなプロジェクトマネージャーの負担を減らし、プロジェクトを成功に導けるように、マネジメント業務をPMOとして行ってきました。

1. プロジェクト現場でのメリット
・プロジェクト教訓・手法・ベストプラクティスの共有
・プロジェクト品質の高度化
・プロジェクト関連リソース確保・調達の迅速化
・プロジェクトスケジュール管理の高度化
・プロジェクトスコープ管理の高度化
・プロジェクトコスト管理の高度化
・プロジェクトリスク管理の高度化
・プロジェクトメンバーとのコミュニケーションの高度化
・プロジェクトステークホルダー管理の高度化

私がPMOになったきっかけ

大きなきっかけは、育児休職からの復職でした。
休職前はインフラエンジニアとして、休日・夜間も出かけていっては作業をするということが多かったのですが、戻ってきたときには、自分が担当していた技術は古いものになっていたし、仕事のやり方もすっかり変わっていました。
当時、私のチームは男性ばかりで、初めて短時間勤務で戻ってきた私をどう扱ったらいいのかと、上司や同僚も悩んだはずです。それでもどうにかチームの中で仕事をしていく方法を試行錯誤していこうと、一緒に考えてくれたのは有り難かったです。

そんな中で、ある基幹系システムの改修プロジェクトで「PMO」として参画させてもらうことになりました。
プロジェクトマネージャー(PM)は後輩の男性社員です。
私はそこで初めてPMOという役割があるんだと知りました。
プロジェクトの契約~終結までの流れはこれまでに経験していたものの、PMOが何をする人なのか、PMとの違いは何なのか、わかっていませんでした。PMOについてだけをまとめた書籍などもなかったので、ネットで「PMOとは」というのを調べながら、とにかくプロジェクトと一緒に走りながら無我夢中でプロジェクト管理の仕事をしていました。

息つく暇もない位に忙しかったけれども、無事にプロジェクトは成功で終えられ、何かとてもやりがいを感じることができた経験でした。

PMOとして必要としてもらえるようになりたい

私がPMOスペシャリストの資格をとったのは、自分にとってやりがいを感じられたPMOという仕事をきちんと理解して、PMOとして必要とされたいなと思ったからです。

実際、PMOはプロジェクトに必ず要るものではありません。小さいプロジェクトであればPMが自身で管理できるケースもあるし、もし管理作業が溢れれば、手だけ動かしてもらえる人を探すという選択肢もあります。PMOが行う作業自体は誰でもできるので、チームで手空きの人が対応するということだって、できるのです。

逆に大きなプロジェクトのPMOは、私よりもも~っとベテランでクレバーな方々がPM経験を経てアドバイザーのような形で入っていることが多いです。普通はそれが正しいのかもしれません。

でも私は、PMOとは何かを、周りの誰よりも知り、PMOとして仕事を得られると嬉しいなと思いました。
そこで、PMOに特化した学びが他に見当たらなかったこともありますが、PMOスペシャリストの勉強をしてみようと思いました。

PMOスペシャリストの勉強をしてよかったこと

PMOスペシャリストの資格を取ったことで、外からの評価が大きく変わったということはありませんでした。それでも、自分がその後PMOとして仕事に向き合っていくにあたって、良いこともありました。

まず、今まで少し迷う場面もあったPMOの役割について、自信を持って正しいと思い、積極的にPMOの仕事をアピールできるようになりました。
PMとPMOの役割の違い、PMOとはどうあるべきか、というところを自分なりに理解できたので、プロジェクトに参画する際に、事前にPMと進め方を確認しながら、効率よく進められるようになりました。
小さいプロジェクトや特別なことがあったときには、PMとして動くこともありましたが(個人的には、あまり「率いる」タイプではないので、苦手な立ち位置ではあるのですが)、みんなと協力しながら対応することもできました。

PMOの経験を活かして

PMOは、直接モノを作ることをしないので、客観的にプロジェクトチームを見ることができる立ち位置にいます。
PMOにもさまざまなタイプの人がいますが、私はやっぱり人が好きなので、周りの人たちが活き活きと仕事ができることを、大切にしていました。
「おかあさん」のように、そういえばいつもそこにいて、誰に聞いたらいいかわからないことも気軽に話してもらえるように、努めていました。

いまはようやく自分を見つめ直し、学び直す期間をいただいています。
「傾聴」の仕方などを学んでいますが、やはりまだまだ伸びしろがある!(つまり、いままでできていたと思っていたことも大きく改善の余地あり)と実感しています。

このあとは、全く別の仕事に就くかもしれないし、あるいはまた同じような業界に戻っていくかもしれません。
でも自分がやりがいを感じられるものは何かを、PMOの経験を通してなんとなくわかってきているので、これからもそこは崩さず、向かっていきたいと思います。

そのためにも、いまの勉強、ちゃんと終わらせなくてはね。


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