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友達とのやりとり

高校時代から付き合いのある友達から今年も年賀状が届きました。


LINE交換もしているけれど、今でも年賀状で家族の近況報告をしていたりするのです。

『○○が大学入学したよ』とか


『○○が一人暮らしをやめて自宅に戻ってきたので賑やかになったよ』などなど。


LINEでも報告できそうなことをちょこっと書きあっているのです。


そこに


『○○、バイトしていたケーキ屋さんに就職して、パティシエを目指して今修行中だよ』と書かれてありました。

友達の家は、実家から比較的近いのです。


今度、帰省した時に買いに行きたいなと思い、LINEをしてみました。


『年賀状ありがとね。○○くんの就職決まって良かったね。東京に帰った時は、買いに行くからね』

数分後、彼女から着信が。

電話口からすすり泣きが聞こえてきました。



「どうした?何かあった?」



「何も聞かないで、良かったねと言ってくれたのは、チョコちゃんだけだったから」



「えっ?」


「何でバイト先に就職したの?とか、就職先が見つからなかったの?とか、心配しているようで心配していない質問とか、色々と傷つくことを言われたんだよねぇ」と。



相手は、悪気もなく言ったんだろうな。
母さんの頭には、そんな疑問が1ミリも浮かばなかったよぉ。


バイト先に就職するのが変だとは全く思っていないし、大学卒業してからパティシエを目指すのだってかっこいい。

なんと答えたらいいか一瞬迷い、

「そうだったんだぁ。〇〇くんと最後に会ったのは幼稚園生ぐらいだったから、パティシエなんて想像つかないわぁ。お店近いの?」と何も触れずに話題を変えた母さん。



こういう時、どう答えたら良かったのでしょうか。

彼女は、もっと愚痴を言いたかったのかもしれないし、なぐさめの言葉を待っていたのかもしれません。



長年のつきあいから、サラッと受け流すのが一番だと判断したのですが、果たしてそれで良かったのか。



電話を切ってしばらくして



通知音が。



『ありがとう。会いたいよぉ』と一言だけ。



『私も会いたいよぉ』



『今度会う時は、〇〇くんの作ったケーキを食べながら、たくさん話をしたいね』

『いちごのショートケーキも美味しいけれど、チョコレートケーキやモンブランもいいよね』


甘い物は、人を幸せにすると言うけれど、本当のようですね。














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