墓地・葬儀に関する手続き_その3 埋葬許可等
さて、墓地・埋葬に関する手続きの3回目です。今回は埋葬許可証等に関してちょっとだけフカボリします。
|火葬・埋葬許可証
埋葬許可証は、一般に遺骨を墓地に納骨する際に必要となる書類である。
埋葬許可証を単体で発行しているところはないのではないかと思う。
発行してもらうには、役所に死亡届、死亡診断書を提出し、あわせて「死体火葬・埋葬許可申請書」を提出して「死体火葬・埋葬許可証」を受け取ることになる(名称は自治体により若干異なるところもある)。
一般的には、葬儀社等の事業者がその申請に係る業務を代行して行ってくれることが多い。
ここでは、「火葬許可証」と称して書くが、火葬許可証は、死亡届の提出と合わせて申請を行い、遺体を火葬する際に発行された火葬許可証を火葬場の事務所に提出することになる。
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そして無事に火葬が終了すると火葬場(事務所)において、「火葬済みの印」が押されて返却される。これが「埋葬証明書」となるのだ。
つまり、「埋葬許可証」とは、
火葬済みの印が押された火葬許可証
のことを指すのだ。
前後したが、火葬許可申請、許可書のひな型について説明しておくと、
|火葬・埋葬許可申請
各自治体の火葬・埋葬許可申請に関する手続き方法や書類などについては、各自治体ごとに条例により定められており、申請書類の様式は各自治体によって様式等が若干変わるので、当該自治体のホームページなどに掲載されている場合が多いので個別に確認してみるとよい。
火葬許可証とは、遺体を火葬するために必要となる書類であり、市町村役所に死亡届と医師の死亡診断書(場合によっては死体検案書)を提出した後、火葬許可申請書に必要事項を記入して申請することになる。
一般的には死亡診断書の提出と合わせて火葬埋葬申請を行うのだが、通常は葬儀社等の事業者が代行してこれらの書類を役所に提出することが多い(代行申請)。
申請が受理されると、届出人に対して下のような埋葬・火葬許可証が交付されることになる。
埋葬許可証は、納骨の際に必要となるので保管しておくようにしよう。
とはいえ地域によっては、火葬⇒一般的に言う葬儀⇒納骨を一貫して葬儀事業者に委託するため書類も葬儀業者が代行して行っていることから、遺族などの当事者は書類に関与せずに終わってしまうことが多く、書類を見ずに終わってします場合もあるようだ。
|埋葬先
埋葬先は、原則として墓地埋葬法の規定により県知事等から許可を得ている埋葬施設ということになるだが、書類上に必ずしも納骨をすべき墓地名等は明示されていない(ただし、「土葬」の場合には申請書や許可証に埋火場所として記載された場所となる)。
それは火葬=埋葬という概念がある。
土葬時代に墓地に埋葬することと火葬(荼毘に付すこと)は同一の概念でとらえているからである。
つまり、生活保護法などでいう「葬祭扶助」などが「直葬」、つまり火葬場で火葬されるだけの葬儀・埋葬を行うことを規定しているのはそのためである。
許可申請書に「火葬・埋葬の場所」と表示している書類もあるが、通常は火葬を行う場所という趣旨であり、土葬の場合に埋葬場所を記載している。
ただし、埋葬場所が明示されていないといっても、火葬後の遺骨を公共の場所などに遺棄すると刑法第190条の遺骨遺棄罪に抵触するので要注意。
もちろん墓地埋葬法では、埋葬場所については「許可された施設」というということになるものの、火葬した後、お寺等への納骨、散骨、時期などを選択することが可能である。
したがって、自らもしくは相続人等が適切な場所・方法判断した内容により納骨又は散骨すればよいということになるのだ。
一方それゆえに、遺骨を納骨しないで家に置く「手元供養」といわれる方法もある。
自宅に祭壇を設けて遺骨を祀る「手元供養」や、遺骨を子供たちなどが少しづつペンダントトップなどに入れて持ち歩く方法などもあるのだ。
私なんぞは、親や祖父母から「埋葬しないと成仏しない」などと教わり、またご住職の法話やご訓得でもそういう場面を思い出す。
|火葬許可証、埋葬許可証は保存を
念のためですが、火葬許可書、埋葬許可証の写し(コピーでもよいので入手しておくとよい。
葬儀の後に個人の遺言で散骨を希望していることが分かった場合などに、葬儀事業者に依頼する際に、埋葬許可証(火葬許可証)が必要になる場合がある。
火葬した遺骨と人(故人)との結びつきを証明する書類として活用されることになる。
|おわりに
今回の記事では、埋葬許可証、火葬許可証の違いなどについて説明したが、普段めったに見にすることのない書類ですし、喪主を経験した人でも葬儀事業者が代行してくれるので直接取り扱った経験をお持ちの方は極少かと思うのではあるが、手続きとして行う必要があるものだということは認識しておいてほしい。
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