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知っているようでも知らないこと! ~休眠口座・・? 

  

銀行口座等は必要に迫られていくつもあるが・・・これを出し入れせずに放っておくと使用できなくなるだけじゃなく、口座使用手数料が必要だと知っていますか?

そういえば、そういうこと聞いたよな~という人も多いかもしれない。
休眠口座などについてご存じですか?
今回はそのあたりをちょっとひも解いてみた。


|複数の口座を持つ

長い間使用していない銀行口座を持っている方はたくさんいると思う。

例えば
・ 引っ越し先で銀行口座を作ったものの、その地を離れたら利用する機会がなくなった
・ 転勤先での給与口座、地方の銀行が指定されて口座を作った
・ 親が子どものために子供名義の銀行口座を作ったが入学金などを支払った後休眠
・ 学校給食費を支払うための口座が卒業して不要になった
など、さまざまな理由から使っていない銀行口座を所有している方は意外と多いのではないか?

実際私が子供を育てていた30年~40年前は、学校当局や銀行員も複数口座、特定口座(給食費の支払いなど特定の目的で使用するための口座)を進めていたのだ。

そのようなことから、我が家でも休眠口座がいくつもある。~~笑

 ひと昔前までは、このような放置口座があっても特に問題はなかったのだが、いまでは放置口座を所有することはおおきなデメリットでしかないのだ。

|銀行口座は放置していると消滅する?

「長い間、引き出しや預け入れなどの取引がされていない預金口座は没収だ」などとSNSなどでささやかれていたことがある。
これはちょっと極論だが、その根底にあったのは「休眠預金等活用法」の制定であると推察する。

 「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」(略称「休眠預金等活用法」)は、2016年12月に制定され、2019年1月1日に施行された法律。
この法律のポイントは、施行日において10年以上取引のない預金等を「休眠預金」と定義し、これを
 社会課題の解決や民間公益活動の促進のために活用する
こととしたのだ。

つまり、休眠預金等活用法では、2019年1月の施行時点以降最後の取引(口座の出し入れ)から10年以上取引のないものは「休眠預金」(「休眠口座」)となるのだ。

なお、ちなみに、法律施行の2019年1月時点ですでに10年経っている預金は、「休眠口座」の対象外となる。
2019年1月時点で10年よりも長い期間、例えば15年や20年以上経っている預金は、最後の取引が2009年1月より前になるため休眠預金には該当しないのだ。
ここがわかりずらかったかも・・・
すなわち、法施行日以降に最終取引から10年を迎える預金口座が対象ということ。

法改正以前は休眠口座は金融機関に所有権が移転するような仕組みになっていたのだが、この法律施行日以降は10年を消滅時効として、休眠口座にある預金は国庫金、すなわち国の台所に入るシステムなのである。

休眠預金になっても出金は可能だが、休眠となった口座の銀行の窓口での手続きが必要となるなどちょっと面倒。
入出金や振込などの取引がないと、休眠口座となり、いわば国に没収されるというようなことである。

そして、公益目的使用のための国から指定された法人が「一般財団法人日本民間公益活動連携機構」というところである。
ここで対象となる休眠口座の休眠預金をがいったん受け入れて、公益目的への分配や休眠口座から引き出そうとする口座主が金融機関に行った手続きに基づき、引き出しに伴う口座預金を金融機関に返金をすることになるのだ。

|使用しない口座はどうする?

2009年1月1日以降に10年以上取引のない預金が休眠口座として、順次「日本民間公益活動連携機構」に移管されているのだ。

休眠預金になったとしても預金の引き出しは可能ではあるが、ATMではなく金融機関の窓口で手続きを行う必要があるのはそのためである。

通帳やキャッシュカード、印鑑、本人確認書類などを持参したうえで窓口に行かなければならない。
ある調査報告書によると、10年間取引がない預金は毎年1,200億円程度発生しており、その後、500億円程度は払い戻し請求に応じているという。

|銀行口座は何年前まで調べることができるか?

通常は、過去10年以内の通常貯金の入出金を確認できる。
通帳、届け印、本人であることが確認できる書類を持って、ゆうちょ銀行または郵便局の貯金窓口に申し出ることになる。
https://faq.jp-bank.japanpost.jp

|未利用口座に手数料がかかる?

かつては顧客の不利益になる契約変更は禁止されていたこともあり、休眠口座を持っていても何の利用者には何らリスクは無かった。

しかし2021年7月1日以降(金融機関によっては4月以降)に開設され、2年以上未利用の普通預金口座については、
 不正口座の作成・利用の防止や口座の維持・管理に係る費用
の一部に充当するための手数料「未利用口座管理手数料」(年間1,320円(税込))が必要になったのだ。

未利用口座の所有者(顧客)には銀行側から通知が発せられ、未利用口座になった日から3カ月以内に解約をしないと、年間1320円の手数料が口座から引き落とされることになるのだ。

そして預金残高が1320円に満たない場合には、全額引き落としのうえ、口座は解約されることになる。
ただし、2021年6月までに開設された口座は対象外。

あまり使用していない、もしくはわずかな残高だけが残る口座に対して、年間に1300円余りの手数料がかかるのは預金者にとって大きなデメリットである。

|放置したままの銀行口座は解約すべきか?

2009年1月1日以降の取引から10年以上取引のない預金は、社会課題の解決のために活用されることになったのでちょっと不安という方もいるだろう。

内閣府「休眠預金等活用審議会」の資料によると、休眠口座の発生金額と発生口座数は以下のとおりである。

2017~2019年の3年間だけを見ても、年々、休眠口座の金額と口座数が増えていることが分かる。

もし休眠口座があっても、直ちに休眠預金になってしまうわけではなく、また休眠預金になった場合も、取引のあった金融機関で引き出すことは可能である。
とはいえ、使っていない銀行口座を持ち続けてもデメリットしかないので、面倒でも解約すべきでしょうね。

 また、不正利用や犯罪に使われても気づきにくい、知らないうちに、犯罪に巻き込まれることも考えられる。使わない銀行口座は解約すれば、管理の手間がなくなるうえ、上記のようなリスクも軽減できる。

|おわりに

用途によって銀行口座を使い分けていたことがあるかも知れないが、現実的にには口座が多すぎて管理できなくなることもある。

昨今では口座売買なども振り込め詐欺対策等から禁止されており、使用していない通帳が、あなたの周りの関係者が万が一にも転売等の嫌疑をかけられないためにも、使っていない銀行口座は積極的に解約したいものだ。

口座は適正な数を持つように心がけたいですね。


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