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『トランプ王国』『トランプ王国2』を読んで

コロナでどうなるかはわからないものの、今年はアメリカ大統領選挙の年。アメリカのみならず、世界に大きな影響を与えるイベントである。

前回2016年の大統領選挙では、大番狂わせでトランプが大統領に当選した。では、果たして今回はどうなるのか。個人的に予想する意味も込めて、以下の2冊を読んでみた。

1冊目の『トランプ王国』は2016年の大統領選挙を取材しており、なぜトランプが支持を勝ち得たかを考察。
その続編にあたる『トランプ王国2』では、その2~3年後のアメリカを改めて取材して、トランプ政権の評価がどうなっているかを描いている。

以下は雑感。
トランプが当選したのは、対抗馬がヒラリーというあまり人気のない候補というのも手伝って、既得権益をぶっ壊してくれるという期待感がラストベルト(さび付いた工業地帯)を中心とした中・下層の白人にうまく刺さったとする。確かに、トランプは自身が富豪であることもあり、そういうしがらみは無く色々自由に(実際政権運営見ても、好き勝手やっている感じは凄い)やれるのだろうなぁの言うのは実感に合う。
更には、本来労働者のためにあるはずの民主党が、上流階級の関心事項しか見ていないことも、そういった生活に苦しむ労働者の不興を買っていたという記述があり、なるほどと思った。確かに人権尊重とか、多様性とか、それはそれで素晴らしい理念であるが、まずもって食えなければしようがない。この示唆は個人的にもそう思う(政治の一丁目一番地は暮らしをよくすることであるし、まずはそこを争点としてほしい思いは強い)。

これら本(特に2冊目)を読んでみて思ったのは、勿論トランプに幻滅している人も少なくないが、2冊目の本の段階でやはりトランプのやり方を引き続き支持している人も少なくないという事実。
あくまでルポタージュなので、正確な世論調査はやっていないが(そもそも前回の大統領選でも世論調査の結果を覆してトランプが当選したわけだから、世論調査だけでは分からないのだが)、今回の大統領選挙はトランプは絶対負ける、とは言い切れないのがまずこの本を読んでみての気づき。

加えてこのコロナ下、日本もそうであるが、アメリカ経済も相応の打撃をこうむっている。トランプが何か(実効性はあまりなくとも)魅力的に聞こえる経済政策をぶち上げれば、トランプ再選の可能性は少なくないのではないだろうか。

引き続きアメリカの政局は見ていこうと思う。




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