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本の感想 「百年法」山田宗樹

自分の体が不自由になったとき、どの程度まで自分の体に手を入れていいものなのだろうか、とか、際限なく手を入れた時に、何が起こるのか、恐怖っぽい面に興味があって小説「百年法」を読んでみました。

「老化しない医療処置(いつまでも処置を受けたときの年齢でいられる)を受けた人間は処置を受けた時点から100年目に基本的人権を失う」という法律のある世界の話。

国を治める人(老化しないからずーっと君臨できる)が暴君となってしまったら? 統治者が意識不明の状態になってしまったら、その人が治める軍隊はどうなるのか? 今の世界の状況と合わせてみると、あの大統領の身に何かあったときの「ミッション0」は何なのか? 怖くてたまりません。

あとは、今、私には、死ぬことになった場合の恐怖や、体が不自由になって、何かできなくなることに対する恐怖を取り除けたとしてもやってくる恐怖とショックがおそってくる不条理感…は、読んでいる分にはおもしろかったです。

バランスをとること、が、大切、と、あらためて思わされる本でした。

お気に入り度:★★★☆☆



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