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州民請求「交通シフト・ヘッセン」署名提出までの道のり #4

#3 からの続きです。この日うちを出発する前、私はVCDのオンラインアクションをやっていた。導入文冒頭に「我々のうちの誰もが支払い可能で気候負荷の低いモビリティの権利を持つにもかかわらず」と太字で書かれていたのに着想を得て、署名集めの現場で(そのまま)使うことにした。ちなみにその太字は副文で、主文は「未だに多くの人々はマイカーに依存している」である。VCDは交通系環境団体なので、徒歩・自転車・公共交通の環境連携交通の強化を訴える「交通シフト・ヘッセン」の主張に引用するのにちょうどいい。ADFCドイツ自転車クラブの会員特典で徒歩移動もカバーしているように、自転車クラブが徒歩交通について何も考えていないわけでは全くないのだが、VCDとは構成層がちょっと異なる。私を含めて両方に足を突っ込んでいる人もある程度いるが。

そんな大筋の設定で目があった人々に実行していく。マスク着用義務がなくなった署名活動は、顔の表情がお互いにわかるのがやはりやり易い。終わったわけではないがコロナ禍真っ只中の署名活動から比べれば、重石がとれたような軽ささえある。「もう署名しましたか〜?」「"交通シフト・ヘッセン"聞いたことありますか〜?」の答えが「いいえ」であれば「我々はすべての人(再度強調して全世代をプラス)が支払い可能で気候負荷の低いモビリティを持てるように署名を集めています」「これはヘッセン州の州民請求で45.000筆の署名が紙で要るんです」などと続けた。署名記入欄のある1枚目にはサポートイニシアチブ&団体のロゴがあるので、それを判断要素にした人もいた印象だった。そして「私は署名したけど日本国籍だから最終的にカウントされないんです※」ということを伝え、何部か署名用紙を持ち帰って家族・友人・隣人・同僚の署名を集められそうか確認し、バインダーに挟んでいた用紙を渡す、ということを繰り返した。7月中旬まで集めて8月末に州議会のあるヴィースバーデンに提出するというスケジュールと、ヘッセン州中に回収ボックスがあるから用紙のQRコードからWebで見てねと付け加えて。

2021年10月9日にもらったTシャツ↑は、まだ気温が追いついておらずこの日も家で待機

※はいじける原因で特に言うつもりはなかったが、とにかく署名数が必要だという状況において効果的に使うべきで、多くの人が対面していないしていない事実を言える当事者が他に皆無なのでスピークアウト。それがよかったのか上のパターンはなかなか順調だった。私が知る州民請求や住民請求において、必要最低数の2倍、3倍を目指すのは、政治にプレッシャーをかける意味だけではない。フランクフルト市民の30%が外国籍であるように、有効な署名数を確実に確保するためでもあるのだ。ただ集めたイニシアチブ側は、有効数ももちろん大事だが署名総数を民意として強調するので、実は自分の署名が有効ではなかったことを知らない人をそのままにしている傾向がある。象徴的数としてインクルーシブされてはいるが、法的にはそうではないことを。#5 に続きます。

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