見出し画像

州民請求「交通シフト・ヘッセン」署名提出までの道のり #8

5月からどうにか続いている"ほぼリアルタイム"で私の市民活動を綴るシリーズ〈州民請求「交通シフト・ヘッセン」署名提出までの道のり〉もそろそろ終盤です。#6#7は6月の第3週末の話だったのでかれこれ2ヶ月前。。7月後半はコロナ感染によりダウン、まだ完全回復を目指して安静にしているところですが色々ありました。この間の活動をカウントしてみると8件も?ひとつひとつを事細かに取り上げるよりは日記風ダイジェスト版で、言わば"最後の追い込み期"の署名活動を振り返ってみたいと思います。とあるドイツの草の根デモクラシーが進行していく様子にご興味のある方、そうでない方もよければお付き合いください。

7月2日(土)路線廃止寸前のバスに乗車して署名を集める

さよならライドを企画したのはオッフェンバッハの左派系市議会議員団「Offenbach für alle(みんなのためのオッフェンバッハ)」。 これは署名を集めるのにちょうどいいと思い、私は例の青いTシャツを着てバス停へ。この路線が2日後には運行停止となることを乗客に伝える議員に続いて、バス路線と便数増加のために署名しませんか?と訊いていく。左手が不自由で自転車も車のハンドルを握れない人、車椅子の息子とその母のモビリティはどうして軽視されるのか。バスの運転手おふたりも協力的で署名してくれ、もっと集められるところを教えてくれた。マイカーなし家庭育ちだという乗客専門家の分析によれば、この複数の病院や老人ホームをつなぐ路線はなくさずに済んだはずという。交通シフトに必要なのはマイカーに頼らずに済む政治的判断である。

7月2日(土)地区祭りに顔を出すとTシャツを一瞬で2枚お買い上げいただく

左の水色のTシャツです。地区祭りはなかなか盛況。ハチが飲み物を飲みたがる季節

オッフェンバッハの自転車市民決議がミーティングで使っている地区オフィス前で地区祭りがあった。ここにスタンドを出すというので、上のバスライド2本の合間にちょっと寄ることに。ベンチに腰掛け寄ってくる人の視線の先にあるものを説明などしていると、なんと小道具班の私主導でつくったオッフェンバッハ自転車市民決議Tシャツを2枚お買い上げに!アクティブに署名活動をする人やアクションに参加する人用に作ったもので、物販をするわけではないが、よく売れるものではないのでかなり驚いた。ちゃんとオーガニックコットンを選んでつくったのも功を奏した。

7月3日(日)スーパーブロック実験をヴィースバーデンに見に行く

ドイツのモビリティシフト議論の中心にいるカティヤ・ディールの著書朗読イベントスケジュールを眺めていると、ヘッセン州の州都ヴィースバーデンでスーパーブロックが1日社会実験として7月最初の日曜日に行われてることを知った。15時にはオッフェンバッハに戻らなければならず急ぎ足にはなったが、2時間ほど車のない3区画ののびのびいきいきした雰囲気を楽しんだ。カティヤ・ディールとヴィースバーデン市長、そしてこの社会実験の提案をした青年議会の代表が登壇したステージイベントも冒頭だけ視聴。交通シフト・ヘッセンの署名活動が行われていることも確認して中央駅へ。写真はこちらにたくさんあります。

7月3日(日)「交通シフト・ヘッセン」ツアーを一部区間走る

住民投票を背景とした署名活動にはキャンペーンやアクションが付き物。割と急に計画された署名活動をアピールするためのヘッセン州全土をめぐるツアーはこの前日にヴィースバーデンをスタート。この日はダルムシュタットからオッフェンバッハに来るというのでその到着を迎えるべく電車からツアーの現在地をトラッキング。先回りに成功しゴールまで最後1キロだけ一緒に走った。下のいい写真を撮ったのは私なので写っていない。

7月7日(木)ドイツ社民党州議会議員主催、モビリティの夕べ@自転車屋

ミントグリーンのスーツの人がオッフェンバッハ選出のドイツ社民党州議会議員でこの会を主催。
左から自転車屋さん、隠れているのが市議会議員の女性、州議会議員の同僚、オッフェンバッハ自転車市民決議の代表。男女比が3対2、呼ばれた歌手も女性というところもポイント

去年3月のヘッセン州地方選ではモビリティ政策を選挙ポスターでアピールする政党も多く、エネルギー危機という観点からもテーマ"モビリティ"は争点の最中にある。「未来のモビリティ」と題したディスカッションイベントが近くの自転車屋さんで開催され、オッフェンバッハ自転車市民決議の代表が呼ばれたので行ってきた。自転車屋さんが「モビリティは収入と関係がある」とはっきり言ったこと、州議会議員の男性が「ドイツの交通計画はフルタイムで働く男性をメインとして行われてきた」と問題として捉える発言をしたのがよかった。州議会内にその事実を念頭に置く人がいることを知れてたのは収穫。残念ながら7月で閉店してしまった併設のカフェが用意したフィンガーフードも美味しく、参加者もほぼ署名してくれて満足。

7月9日(土)「交通シフト・ヘッセン」ツアー、フランクフルトにゴール!

橋を封鎖してアクション決行指揮待ち

一週間ほどヘッセン州の大きめの都市を回っていたツアー隊はオッフェンバッハを通ってゴールのフランクフルトを目指す。ということでこの最後の区間に加わって約8キロ走りゴールでのアクションに参加!ヘッセン州の州旗に描かれている獅子を押して、ヘッセン州の交通シフトを押し進めるというのがコンセプトだったはずだが、そういえばトラムを押すという案からライオンに変わったのかな?このような様子でした⤵️

橋の上での待機中いい写真を撮りたく端のほうにいると、「若い人(なおかつ移民的背景のある人←とは言ってないが受け取った)は真ん中の前に来るのよ!」と5月1日の署名集めで会ったことのある方に懇願されたので移動した。しかしライオンで結構隠れてしまい、お役目果たせず。。

7月14日(木)巨大自転車メッセ・ユーロバイクで署名は集められるのか?

カゴのりんごとバナナはビオスーパー「アルナチュラ」からの差し入れ。
この裏にかなり大量にある

ユーロバイク2日目に私も会員の交通系環境団体VCDのヘッセン州支部のスタンドを見に行った。6月の自転車メッセVELO Frankfurtではスタンドの助っ人要員としていたが、ユーロバイクはステージイベントにほぼ専念。先のビジネスデイズ3日間の来場者は州外、海外からの人が多いと思うが、土日のフェスティバルデイズでは州内在住者の署名を集められたといいのだが。ユーロバイク3日目までは陰性を確認していたが、行く予定をしていなかった5日目に陽性となりその後大変でした。

7月29日(金)FLTIQ*テレグラムグループに書き込んで得た反応

2020年3月の国際女性デーにFLTIQ*(女性、レズビアン、トランス、インター、クィアと社会的なジェンダーカテゴリに当てはまらない人と理解)のクリティカルマスがオッフェンバッハからフランクフルトのイベントまで走るというので参加した。その時ちょうど産婦人科を探しており、その場にいた人に訊ねるとこのライン・マイン地域のFLTIQ*テレグラムグループで訊いてみたらと言う。その人に加えてもらった現在約1200人が参加するチャットグループにその問いをすることは結局なく、アクティブにチャットを見ていたわけでもない。ただラストスパートという時にコロナ感染で隔離となり、そもそも外での署名活動ができる体調ではなかったので「あと2日で署名期間終わるよ」コメントしてみることに。長くなりそうなのでその興味深い"反応"については別枠にて綴りたいと思います。

7月30日(土)「自転車、ワインと歌ごえ」という名の地元レースイベント

オッフェンバッハでは前出の自転車屋さんが主催するレースイベントが毎年夏に行われている。ビール圏ではなくワイン圏であるこのライン・マイン地方において、住宅街につくられたコースを駆け抜ける自転車レーサーたちをワイングラス片手に見ながら、生バンド演奏と歌ごえが聴こえてくるという夏の風物詩は地元民の心を掴んでいる。そんなところに我々署名集め隊はもれなく登場。私は見知らぬ人に声をかけるほど回復していなかったので、写真や動画を撮ってワインの炭酸割りを飲む以上のことはせず、暑すぎず雰囲気のいいなか心地のよい時を仲間と過ごした。

ワインに加える炭酸水の割合を多めでと言い忘れたのが仇とでて、いつもよりもスローペースで完飲して州民請求「交通シフト・ヘッセン」の署名集めは終了となりました。

以上は州民請求の話だけれど、自治体レベルで行っているオッフェンバッハ自転車市民決議は8回に及ぶ市との交渉を終え、7月にも色々動きがありました。連続というか並行して2本の草の根デモクラシーをやる我々のエネルギー、はっきり言ってすごいです。それはまたどこかで詳しく記すとして、州民請求の方は来週末の署名提出デモイベントに向け動いていきます。8月以降の活動についてはまた今度!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?