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MSXに影響を受けたソ連のPC達

前回はソ連でMSXを目標に作成されたパソコンを紹介しました。しかしそれ以外にもMSXに影響を受けたと思われるソ連製のパソコンがあるんですよ。

МС0511はデザインもMSX2に酷似

ソ連では1980年代には国産パソコンの展開が本格的に始まったのですが、ソ連で高い評価を受けた教育用MSX「YAMAHA KUVT」の後継機種も開発されました。
1987年のМС0511の最大の特徴は二つのカートリッジスロット。またキーボードと一体型の構造や、そっくりのフォント、搭載ベーシックなどはMSXそのものという感じです。ただ内部的にはPDP-11というミニコン系列の16ビットCPUを持つなどMSXとは全く別の構造です。
この動画ではМС0511とMSXとの関連についてコメントしています。メガドライブとの対比も面白いですね


フォントもMSXそのまんま
ПК8020 元々は個人設計のPCだった

コルベット(軍艦)の愛称のあるКорвет ПК8020は1987年にモスクワ州立大学核物理研究所が作成した8bit教育用パソコンです。
ПК8020は元々米国のTRS-80 Model I をモデルとして設計されたそうです。ところが開発にあたった研究所の3名の職員がMSXにも影響を受け、一部を参考にしたためMSX2に似たマシンが出来上がったのだとか。MSXユーザーにはちょっと嬉しい話です。

TRS-80もMSXもZ80なので改造は簡単だったとのこと
ウクライナ製のコンパクトなПК-01

ウクライナのリヴィウ工科大学で86年に開発されたПК-01はMSX参考のBASICを搭載しています。家庭用TV接続で家庭用テープを記憶媒体にする入門機と言うコンセプトはMSXらしいですね。
ПК-01はi8080コピーCPUの8ビット入門機と言う位置づけでしたが、それでも価格750ルーブル、ソ連平均月給の約7倍という高級品でした。

可愛いПК-01の広告。ソ連では大型のTVは貴重品だった

ПК-01にはロードファイターのクローンゲームがあるのですが、タイトル画面にHONDA製ロータスエスプリが登場します。70年代の日本の名車がウクライナにあろうはずもないのに、どうやって資料を探したんでしょうか。父の話では日本の雑誌は印刷が美しく大人気だったらしいので、それを参考にしたのかもしれません。


HONDAのロゴが。ロードファイターの移植はかなり頑張ってます
70年代を代表する名車ロータスエスプリ



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