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日記ふうエッセイ【ひび】

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2023年7月の記事一覧

【日々】胸いっぱいの夏|二〇二三年七月

二〇二三年七月十六日  トイレにいきたくていつもよりずっと早く目が覚めた。おもえば、いつもより健全な時間にスッと眠れた気もする。うれしくてとりあえず珈琲を淹れる。きのう書いた文章の手直しなどしてみる。すでに部屋は暑い。汗ばむ。CD棚を夏めいたラインナップに差し替える。  吉祥寺でふたりでランチ。暑さを言い訳にビール。早いうちに戻ってきたけれど、もうクラクラ。エアコンがじわじわ効いていくリビングでちょっとだけ午睡したら、「日記」の更新と原稿の手直し。こういうとちょっとものか

【日々】夏にほろ酔う|二〇二三年七月

二〇二三年七月一日  遅刻寸前になってしまったので駅までバスに乗る。途中から山のように中高生が乗ってきてギョッとする。土曜日、午前で終わりだもんなあと、あまりに遠くなった学校生活を思いかえす。みんなiPhoneを持ち、ワイヤレスイヤホンをし、ショート動画やアプリゲームを絶えず触っている。親御さんは大変だろうなあとおもう。車窓から、近所の大学生らしきカップルが、にこにこハイタッチしながら別れてゆくのがみえる。  土曜日のオフィスは人も少なめで、のんびりしている。わたしだけが

【日々】青春コンプレックス|二〇二三年六月

二〇二三年六月十九日  いつもより三十分早く出かける。前からゆっさゆっさとからだを揺らしてあるいてくるおじさんの左肩に、オカメインコが載っている。きれいな薄黄色に、朱いほっぺ。すまして肩の上におさまっている。おじさんの右手には鳥かご。顔と体格は石井一久に似ている。 二〇二三年六月二十日  なんとなくものさびしいきもちが続いている。きょうは指輪をつけ忘れたまま出かけてしまった。無意識にカラの薬指をなぞる。 二〇二三年六月二十三日  生きのびるための希望だった週末のコン

【日々】平成の余韻を噛む|二〇二三年六月

二〇二三年六月三日  猛烈にぐずる男の子。それを若く気の強そうなお母さんが叱る。さらなる絶叫が返ってくる。暴言で応酬する母親。苦しくなった。帰りたいと思った。心臓のあたりに嫌な感じがある。駅へ急ぐ。足を早めても、叫び声はなかなか離れていかない。 二〇二三年六月七日  よく寝た。でも寝過ぎるので、色々ぜんぜん片付かない。ヘンな夢をみた。会社の上司が出てきたのは、たぶんはじめて。なぜか便座に座って小便しながら小言をきいていた。  ちかくの学校で運動会をやっている。得点発表