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部活の思い出【最高の夏編】 パート③
毎日投稿134日目。
夏の部活の思い出編の最終章です。
前回の続きです。
簡単に前回の内容
高校2年生の僕は、学校一可愛いサッカー部のマネージャーさんを好きになるが、まともに会話をできない関係でした。そんな中、ボランティア活動で、そのマネージャーさんと偶然にもペアになるのです!
夏の気ぐるみ
スタッフの方から、気ぐるみの説明を受けていましたが何も頭に入りません。
僕の横に学校一可愛いマネージャーさんがいるのだから。
他の部員にとっては、ただマネージャーとペアになっただけだと思うでしょうが、僕にとっては一大イベントなのです。
やけに説明が長いので、嬉しく思っていましたが、その理由が後々分かるのです。
室内で実際に気ぐるみを、みんなで着てみるのですが、明らかに僕のだけサイズが違います。
名前は忘れてしまいましたが、ご当地の戦国キャラクターで、暑さもサイズも二周りでかかったのです。
そのため注意事項が多く、説明が長かったんだと思いますが、ほとんど聞いていません。
クーラーが効いた室内でも、その戦国キャラクターの中に入ると、汗が吹き出てきます。
気ぐるみはペアで交代するため、マネージャーさんも入ったのですが、動くのも大変そうでした。
僕はここがチャンスだと思い、「これ歩くの大変なので、僕がずっと入りますね!」と男気をかましました。
「えっ、嬉しい!ありがとう!!」と最高の笑顔をもらえたので、熱中症で倒れてもいいや、と思いました。
地獄の3時間
「本当にいいの?」と心配してくれるマネージャーさんに「全然平気です!」と嘘をつき、お祭りの会場に向かいます。
8月も終わる頃の炎天下。活動時間はお昼の12時から15時。
気ぐるみの中は灼熱地獄です。
視界も悪く、重量もあるため歩くのも大変。
なにより暑くて汗が止まりません。
そんな中、子どもたちと触れ合ったり、写真撮影をしたりしました。
無邪気な笑顔の子どもたちは横で、地獄みたいな顔をしている人がいるとは思わなかったでしょう。
倒れないようにだけしよう。
それだけを意識してゆっくりとあるき続けるのでした。
最高の夏の思い出
もちろん休憩はこまめにあるものの、気ぐるみを着て外に出れば汗が止まらなくなります。
そのため、目に汗が入ったり、うまく足を運べなくて、ふらつくことがありました。
そうしたら、歩く道の誘導をしてくれていたマネージャーさんが手を握ってくれたのです。
この衝撃は今でも忘れられず、脳裏に焼き付いています。
気ぐるみ越しでしたが、嬉しすぎて強く握り返してしまいました。
僕の手は厚かったですが、握ってくれた手は柔らかく感じました。
テントに入ったときは、冷えたペットボトルを顔に当ててくれたり、タオルで汗を拭いてくれました。
僕は嬉しすぎて疲れも忘れていました。
必然と会話も生まれ、一番きつい仕事ながらも、一番の幸せを感じていました。
マネージャーさんは良い思い出だといって、ツーショットの写真も撮ってくれました。
顔よりしたが着ぐるみの僕と、満面の笑みを浮かべているマネージャーさんの写真は今でも、思い出として残っています。
それ以来、ちょっとは話すことはあっても、今まで通りの部員とマネージャーの関係に戻り、先輩が引退したタイミングで会うことはなくなってしまいました。
イケている高校生からしたら、どうでもいいことだと思いますが
僕にとってあの3時間は、最高の部活の思い出になったのです。
終わり
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