短歌まとめ_9

直近の採用歌や賞の結果などについて書きます。
※敬称略

1. 新聞歌壇

毎日歌壇　加藤治郎選　入選　2021.12.20

きみにだけ見える青信号がありどんどん行ってしまう　さよなら

読売歌壇　俵万智選　入選　2022.1.10

正月に玄関前で撮りましたみたいな家族をあなたとしたい

東京歌壇　東直子選　入選　2022.1.30

空港に行きたい空港から先は考えなくていい　きみもきて

読売歌壇　俵万智選　入選　2022.1.31

早咲きの菜の花みたく恋は来る曇天ぐうっと押し上げながら

東京歌壇　東直子選　入選　2022.2.13

花のにおいみちてる部屋はすこしこわいわたしがいなくてもいいような

東京歌壇　東直子選　入選　2022.2.20

本を読みながらおんなじ部屋にいてあなたの焚き火わたしの焚き火

2. うたらば

月刊うたらば　テーマ「親」

親愛なるあなたへという一文で始まっていたその督促状

月刊うたらば　テーマ「同」

住むよりも棲むだとわかる同棲のふたりは鳥のつがいみたいで

3. 57577展

岡野大嗣選　テーマ「音楽」

音楽はぼくを一人にしてくれてぼくを一人にさせてくれない

岡野大嗣選　テーマ「眠り」

ぺらぺらの毛布で寝れちゃうぼくだからあなたはぼくと別れてよかった

鈴掛真選　テーマ「愛」

指先に愛が足りないからですかごみの袋が開かないのは

4. 第四回 笹井宏之賞

第四回 笹井宏之賞　最終選考候補作
『ねむらない樹 vol.8』10首掲載

以下、数首抜粋

ドーナツのかたちをしてるものが好き広義でいえばドアもそうだね

変わること変わらないことカントリーマアムは老いてちいさくなった

かばんから出てきたいつかの潮騒を夜間金庫に預けて帰る

笹井宏之賞にて最終候補に残ることができました。うれしいです。
笹井宏之賞は、わたしらしい歌を表現できる場だと思っているので、今年もまたチャレンジしてみます。

それでは、また。