地方創生のカギは「火種を絶やさないこと」にあり
こんにちは。
クラウドワークス ワーカーエクスペリエンスチームの田中です。
先日、私たちは長野県箕輪町での取り組みについて、プレスリリースを出しました。
このリリースで、ぜひ観ていただきたいのが、動画の中にあるワーカーさん一人ひとりの「笑顔」です。
▼箕輪町「夢ミーティング」(ワークショップ 0:30~)
地方でも、子育て中でも、介護中でも「働く」という選択肢があることで、人々の「笑顔」や「夢」を作ることができるのではないでしょうか?
そんなことを感じられる素敵な動画に仕上がっています。
まさに、私たちワーカーエクスペリエンスチームのパーパス(目的)でもある、
「誰もが”働く”を選択できる世の中にする」
を実現するために、地方自治体や地域の方々と共創し、笑顔を生むことができた具体的な成果になっています。
(▼ワーカーエクスペリエンスチームについて)
「クラウドワークス ワーカーエクスペリエンスチームがnoteを始める理由」
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では、この箕輪ワーキングチームはどのようにして生まれたのでしょうか?
プレスリリースでは書いていない裏側について、このnoteでお伝えしたいと思います。
地方創生に必要なのは「火種を絶やさないこと」
この箕輪ワーキングチームの基となる取り組みは、2016年からスタートしており、現在全国に12のチームが生まれています。
地域のクラウドワーカーがチームで働くための仕組み作りを、全国の行政や民間企業と進めています。
ただ、実際は全てのチームがうまくいっている訳ではなく、チームメンバーが減ってしまったり、撤退を検討するチームも少なくありません。僕がかつて支援したチームでも、ほぼ運営されなくなってしまったところもあります。
何が要因でうまくいったり、うまくいかなかったりするのか?
何が持続的な取り組みを生むのか?違いは何か?
私たちが12の拠点を立ち上げて見えてきた一番大切なことは、
「火種を絶やさないこと」
どんな小さな火でも絶やさないことです。
地方創生における活動は、「焚火のようなものだな」と思うことが多くあります。
人々が集まって、火を見ながら、薪をくべる、適切に追加していく。
それによって、火種が途切れずにその場(地域)を温めていくことができます。
では、具体的に何をすれば火を絶やさずにいられるか。
必要なことは、2つあると考えています。
1.火の回りにいる人を増やし続ける
=共創の輪を広げる
2.燃やし続けるために十分な薪を供給する
=経済を回す
この2つをバランスよく保っていくことが、箕輪のワーキングチームの成功の秘訣でもあったのです。
1.共創の輪を広げる
地方創生における取り組みの秘訣の一つは、「共創の輪を広げる」ことです。
箕輪ワーキングチームでは
① 箕輪町役場(ワーカー集客・施設提供)
② 株式会社ローカルライフ(チーム運営・営業活動)
③ 株式会社クラウドワークス(立上げ支援・仕事創出)
この3社がそれぞれの役割を明確に認識し、チームの成長を応援しています。(動画後半のインタビューでもそれがわかります。)
焚火の例えであれば、だれかが必ず火種を見ている状態、薪をくべる状態を3社で担っているとも言えます。
またローカルライフ社の中には社長以外にディレクター・サブディレクターが4名おり、全員が「火種(チーム)をいかに持続させるか」という目線で仕事をしています。
さらに、今回のプレスリリースでは、メディアを通して共感を広げ、共創の輪が広がっていくことを期待しています。
逆にうまくいかない地域では、以下のようなことが起こりがちです。
・行政側の担当者が変更になり、関心が薄くなってしまった。
・チーム運営企業の代表の関心が薄く、現場でとりまとめをするディレクター(チーム監督者)が孤立した。
・ディレクターが変更となり、チームを維持する意思が弱まってしまった。
・クラウドワークスの担当者が立上げ時は大きく関わっていたものの、立上げ後のフォローが十分にできず、現地が孤立してしまった。
このことからも、活動に共感してくれる人を増やすことが大切であり、共創の輪が広がることで、チームの持続性が担保されることがわかってきました。
2.経済を回す
地域における火種を絶やさないために、もう一つ重要なのが「経済を回す」ことです。
焚火の例で言うと、火種を絶やさず燃やし続けるために、十分な薪を供給することですね。
地域ワーキングチームの取り組みにおける薪とは、「仕事」です。
チームで働くために、そのチームに十分な仕事が供給されないと、ワーカーさんの仕事の確保どころか、チーム運営企業の経営も成り立たなくなります。
そこで、箕輪ワーキングチームにおいては、私たちクラウドワークスとチーム運営企業のローカルライフ社が手を取り合って、仕事の確保をする仕組みを作りました。
具体的には、
・クラウドワークス営業チームと連携した仕事確保の仕組みづくり
・チームの強みを提示できる営業資料作成
・クラウドワークスと全国のディレクター間の情報シェアを目的としたチャットグループの作成
など、試行錯誤を重ねながら、仕組みを構築していきました。
ローカルライフ社も、データ収集やライティングの仕事を地域内で営業することによって獲得したり、チームメンバーのスキルアップを目的とした講習会を自主的に運営したりと、チームの持続性を強化しています。
仕事の確保は簡単なことではありませんが、クラウドワークスもローカルライフ社も、受け身ではなく、どうすればチームの魅力をクライアントに評価いただき、仕事をもらえるようになるか必死に考え、試行錯誤を重ねた結果、立上げ1年弱で月100万円以上の仕事が受注できるようになりました。
ここの踏ん張りができず、縮小していくチームも少なくありません。
いか「地道な努力を積み重ねていく」ことができるかが、持続的なチームを作るうえで大切になることなのです。
行政はどう関わっていくべきか
地方自治体などの行政も、地域ワーキングチームの取り組みにおいて重要なパートナーです。行政が関わっていることで、地域のワーカーさんたちが安心してチームに参加してくれますし、仕事を発注する企業にも信頼感を与えることができます。
また、地方ワーキングチームの取り組みは、一定行政からの資金的援助もあって成り立っています。例えば、チームが活動する拠点(場所)作り、初期のワーカーの教育、ディレクターの教育には、一定の公的援助が入っていることが多いです。(民間のみで立上げ、運営しているチームもあります)
行政の援助は、焚火でいうところの「着火剤」と考えることができそうです。
ですが、着火剤を入れ続けることを前提にした焚火がうまくいくはずもありません。
あくまで立上げの段階でうまく活用し、行政の方には着火剤の供給ではなく、「共創の輪」を広げることに長期的に協力いただくほうが良いと思っています。
地域のパートナーとして、できる限りその取り組みを行政の立場から、世の中に周知・広報していくこと。チームに関わってくれる企業や、個人を増やしていくこと。
ワーカーさんに新しい機会を与え、1人1人の夢を応援することが、行政の役割になるのだと思います。(詳しくは動画内、箕輪町役場清水さんのコメントをご覧ください)
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今回は私たちの取り組みを「焚火」に例えてみましたが、地方創生という文脈で考えてみると、どの活動・事業にも当てはまることだと思います。
当事者だけでなく周りの人々をどう巻き込み共創していくか、火種を絶やさずに紡いでいくか、がカギになるのではないでしょうか。
クラウドワークス ワーカーエクスペリエンスチームは今後も
「誰もが”働く”を選択できる世の中」
の実現のために、一緒に小さな炎を燃やし続けるパートナーを増やしていきたいと思っています。
その先には働くを通した笑顔があります。
夢があります。
少しずつ地域が変わっていきます。
今回の箕輪チームの動画にはそんな兆しが詰まっています。
ぜひ共感いただけた方はシェアまたは私たちにお声がけをいただければ嬉しいです。
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worker-support@crowdworks.co.jp
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