十六夜杯/俳句 勝手にチューダ賞
決勝ラウンド開催中の十六夜杯ですが、
個人的にいいなと思った俳句を5句、
勝手にチューダ賞として贈らせて頂きます。
※誰の俳句か分からない状態で、先入観なしで選びました。
選んだ基準としましては、
季語との取り合わせの面白さや意外性
感情的な表現や副詞に頼らない
季語を生かした俳句
みたいなのが個人的な好みなので、そんな基準でピックアップした10句のうち、予選ラウンド通過の俳句は除外した5句を選びました。
◆1句目
秋雨の城下の駅に救急車
秋雨
城下
駅
救急車
この取り合わせが好きで、
さらにこの俳句、
すべて名詞だけを繋ぎ合わせた俳句(形容詞も副詞も動詞も使っていない)なんです!
それなのに、季語の秋雨のもつイメージを、効果的な名詞「城下」「駅」そして何といっても
救急車と秋雨の組み合わせ!
冷たい秋雨という季語のイメージを引き立たせる「救急車」との絶妙な組み合わせに、唸りました。
◆2句目
初紅葉あかごの小さき大あくび
こちらの俳句。
「初紅葉」と「あかご」の組み合わせがとても好きで、さらに、「小さき」「大あくび」という対比、
そして何より、赤ちゃんの大あくびの様子を、余計な感情表現は入れないで、そのまま描写してるにも関わらず、
目の前にしっかりとその微笑ましい情景が広がり、季語=初紅葉の喜びを引き立てている、とても好きな俳句です。
◆3句目
自転車に老犬乗せて秋の蝶
自転車に乗せた老犬
そして、それに取り合わせた季語が、
「秋の蝶」
この意外性のある組み合わせが絶妙で、
この句もまた、余計な感情表現などは句に入れないで、自転車に乗せた老犬という目の前の描写だけで、
「秋の蝶」との驚きの取り合わせで、独特なそして不思議な世界観を出している!
ただ私の頭では、なかなか「秋の蝶」と取り合わせた、作者の意図の解釈に苦労して、、、(蝶が何か幻想的な世界へと導こうとしてるのでしょうか?)正解が知りたくなる。そんな俳句でした。
◆4句目
秋雨の上がりて妻の誕生日
とても清々しい俳句。
「秋雨」=冷たい雨
「妻の誕生日」=おめでたい
個人的にはこの対比がとても好きで、相反するイメージを「上がりて」がうまく場面を切り替えて繋いでいて、
秋雨のあとの清々しさや、妻の誕生日を思う優しさなどの感情が、より憂鬱な「秋雨」を引き立たせている。
この俳句もまた、感情表現を句に入れることなく、シンプルに描写していてかつ、場面の軽快な切り替わりが好みです。
◆5句目
ハッシュタグ「月を見みてる」と旅の宙
最初にこの俳句を読んだとき、
「ハッシュタグ」という散文的な言葉が、ここまで詩的にまた美しく俳句の中に、まとめられていることに、とても驚きました。
そして説明不要の世界観。
うっとりとするような俳句です。
「旅の宙」は、おそらく宇宙旅行なのでしょうか?(民間人も月に行く時代なので、勝手に連想しました)とても壮大で、
同じ月を見てる
十六夜杯のキャッチフレーズにも合っていて、自分の中ではこの句が、十六夜杯というテーマに対して、
いちばん心に残った、No.1の素晴らしい俳句でした。
さて今回は、恐れ多くもチューダ賞なんて形で、5つの俳句を選ばさせて頂きましたが、
私からは、やっぱり趣味の野菜作りににちなみまして、私の好きな5つの野菜の花の画像を贈らさせて頂きます!
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