47才のキャンパスライフ 〜慶應一年生ミュージシャンの日々〜 27「空想果実:情報を食べる」
前回の続きから、最近お気に入りのグミの話です。
(「大学と関係ないじゃん!」 という気もするけど、授業中のお腹鳴り対策に取り入れようとしているというところで、関係あることにしましょう!)
それは僕が個人的に好きな製菓会社のひとつ、Kanroの
空想果実
というグミです。
グミキャンディと言えば、例えば果汁グミに代表される様にフルーツ味だったり、コーラグミのように清涼飲料水味だったりするのが一般的ですが、この「空想果実」は現実には存在しない、架空のフルーツ味を再現しているというコンセプトのグミで、
ホームページにはその架空のフルーツの
・学名
・分類
・分布
・サイズ
など基本的なデータの他に
・食用果実としての評価
・入手難易度
や
・名前の由来
・原住民からの評価
なんてものまでが記載されています。
そういう遊びなわけですね。
第一弾の「キラスピカの実」に続き、現在は第二弾の「ウチャチャの実」が販売されていて、「キラスピカ」の方はいかにも「ファンタジー!」って感じの設定だったのに対し、「ウチャチャ」の方は割と本当にありそうな設定になっています。(こういうところも会議を重ねたのではないか、なんて開発の試行錯誤を想像してしまいますね)
味の方もなかなかに良くできていて、入手困難なフルーツの味がよく再現されている…と言いたいところですが、なにせ架空の果実なので、そう思い込むというある種ごっこ的なプレイをしながら食べることになります。そういう意味では消費者参加型のインタラクティブな体験と言えるのではないでしょうか。
というか味よりもなによりも僕はこのコンセプトに感心して、どうかこのシリーズがこれからも続いてくれますようにと思いながら、折に触れ、買い求めております。
「客は情報を食ってる」
という名言の出自は「ラーメン発見伝」というマンガだそうですが、この言葉にはもともと「自分の味覚ではなく、メディアなどで手に入れた情報を鵜呑みにしている」みたいな揶揄が含まれてるそうです。
空想果実はその揶揄を逆手に取るというか、遊びとして意識的に「ありもしない情報を食わせる」事で、日本の食文化における確かな一面をあざやかに切り取ってみせたと言えるのではないでしょうか。考えすぎか。
グミに限らず、僕は今食べているものについて調べながら食べるというのが好きで、カレーを食べている時はいかにカレーが健康に良いか、納豆を食べている時はその起源や魯山人が混ぜる回数などを調べながら食べます。そうすると「良いもの食べてる!」と精神的にも良いですし、見識も広がる…と思っているのですが、そんな発展的な事でもなく、単純に蘊蓄が好きなだけかもしれません(苦笑)。
蘊蓄のかたまりみたいなマンガを読んで育ったもので…。やはり三つ子の魂なんとか、ですね。