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47才のキャンパスライフ 〜慶應一年生ミュージシャンの日々〜 35「追いついた!」

 大学で映画好きの皆さんと交流することもある。映画・映像作品というのはやはりすごいもので、20才前後の若者でも昔の作品をよく知っていたりする。エヴァンゲリオンは新劇の影響もあり好きな人が多いし、バック・トゥ・ザ・フューチャー3部作やスターウォーズサーガも不動の人気を誇っている(SW7,8,9は観なくていいという見解も世代を超えて優勢である)。

 そこで僕も「もしかしたら…?」の期待を胸に、恐る恐る自分の好きなHBOドラマ、ゲーム・オブ・スローンズ(以下GOT)を話題に少し出してみるのだけど、やはり全然人気がない。観たという人は本当に少なく、良くてタイトルは知っているというくらいである。

 まあそれも仕方がなくて、GOTシリーズは2011年放送開始、2019年シーズン8で完結という長大なシリーズだし、全話を視聴するには62時間ほどの時間がかかるそうだ。スタートレック程ではないにしても、おいそれと手が出しにくいのもわかる。僕も去年までなかなか見始められなかった。

 あと登場人物がやたら多く、またシーズン1がかなりスロースタートというか、後半に入るまでドラマのペースというか流れが掴みづらい。早く挫折する人も多いというのも頷ける。

 GOTは中世イギリスをモチーフにし、そこにドラゴンや魔法などのファンタジーテイストが加わるのだけど、タイトル通り王座をめぐる家と家との争いを描いているので、どうしても前提条件というか視聴者が把握すべき情報が多くなる。なのでこちらがそれらの情報を咀嚼し終わるまでは少し退屈に感じられるかもしれないが、シーズン1のクライマックスまでたどり着くと、そこで起こるイベントがどれくらいえらいことなのかが我々にもしっかり伝わるようになっていて、一気に引き込まれてしまう。

 シーズン7まで人気と評価は鰻登りなのだが、残念ながら最後のシーズン8は酷評されている。まあその気持ちもわかる気はするんだけど、僕みたいにリアルタイムで観ていなかった人は次シーズンを首を長くして待つという経験をしていないので、ダメージも少なく「まあこういうのもありじゃないか」というくらいの感想で済んだ。何しろそれまでの感動の貯金がすごかったので、トータルのめちゃくちゃ面白かったという気持ちの方が大いに勝ったわけである。

 GOTは完結したが、その前日譚であるハウス・オブ・ザ・ドラゴンが一昨年より放送されている。そして先日そのシーズン2が始まったのである!!

 これまではまったドラマシリーズはツインピークスとか、ブレイキングバッドとか、それこそエヴァンゲリオンとか色々あったけれど、リアルタイムで毎週楽しみにしながら視聴できるのは初めてなので、とても興奮している。やはりそのライブ感を沢山の人と共有できるのは嬉しい。シーズン1は途中の俳優変更で少し戸惑ったけれど総じて面白かったし、なにせその世界のファンになっているので知っている地名が出てくるだけでも喜んでしまう。練り込まれた世界観の勝利である。

 ハウス・オブ・ザ・ドラゴンはシーズン2の放送前にシーズン3の制作が発表された。これからこうやって毎週楽しみにして観られるのが嬉しい。こういうわくわく経験を続けた果てに、GOTのシーズン8みたいな展開をくらってしまったら僕も暴れてしまうかもしれないけど、それもまた共感できる事柄がひとつ増えたという事でいいのかもしれない。

 うーん何か締まらないな。ではびしっと最後に一言!

 「ドラカリス!」

 (バルス!みたいなものだと思ってください)

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