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【ライブレポ】リルネード 春のやや北関東ツアー ファイナル東京公演(2022.5.21)

「いいグループだね...」
アンコール無しで終わった全14曲計1時間のライブ後のMCトークで、栗原舞優さんがこうつぶやきました。
フォークソング」で泣きそうになっちゃったと言い、思い返しながらまた泣きそうになっています。
蔀祐佳さんが「(フォークソングは)聴くべき時に聴くとやばいよね」と応え、しまいに栗原さんの目からは涙が溢れました。
メンバーの誰かから「リルネードで良かった」という声も聞こえてきました。

栗原さんがフォークソングのくだりを口にして泣き出しそうになったとき、すでに桐原美月さんと蔀さんは上手の栗原さんのほうに歩み寄っていました。
メンバー3人がこれまでたどってきた道がリルネードというグループで一本道にまとまっていく様子をかたどったのが「フォークソング」というタイトルに込められています。
まさにそんな光景をここで目の当たりにして、熱いものが込み上げてくる感覚がしました。

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5月21日(土)、3人組アイドルグループ・リルネードが代官山UNITにて「春のやや北関東ツアー」公演を開催しました。
4月から1カ月にわたり、4都市を巡っていくツアーの千穐楽でした。
蔀さん、桐原さんの地元・茨城と栗原さんの地元・栃木に加え、名古屋公演が予定されていたことからツアータイトルに「やや」と足されているのでしょう。

ここからライブレポへと入っていきたいと思います。

ダンスには絶対の信頼があるといっていい桐原さんは、特にセンターに立った時に両サイドの栗原さん、蔀さんと少し違うリズムの取り方をするような感じがしていて、これがまた目を引きます。
リルネードはセンター固定ではなくフォーメーションは流動的で入れ替わりが頻繁ですが、桐原さんの目立ち方はセンターという位置を神聖なものに見せていました。

序盤の栗原さんはあまり調子がベストではないように見えました。
音がすんなりと出てきにくい感じがしたのですが、「ラビンNν」で「ずっと好きでいたい」のロングトーンを気持ち長めに伸ばし、「純白のリルネード」の2番終わりCメロの長いソロでは目を閉じながら歌い上げて蔀さんにつなげる姿からは気迫を感じました。
調子悪いのかも?なんていういらない心配を忘れさせて、コンディションは日によって変わったとしても、歌にこめる気持ちまではブレないという意識を観た気がします。

そして蔀さん。
蔀さんはソロを歌うとき、場面によって表現の仕方を使い分けているようです。
フロアに目線を滑らせるようにあちこちに目線を配るときがある一方で、視線を変えず真っ直ぐ前を見据えるときもあったりしました。
何度も繰り返しにはなってしまいますが、蔀さんの歌声は優しくてやわらかく、曲に切なさを足している重要な要素です。

それから蔀さん、MCでのコメントがいちいち面白かったです。
「サルネ!」のMVは、猿をモチーフにした最新衣装を着て一部シーンを渋谷の立体歩道橋で撮影しました。
通行を止めたり避けてもらったりしていたようで、優しく対応してくれた人達に対し「渋谷の人間優しい」と言っていたのですが、「人」じゃなくて「人間」という言い回しのチョイスがというのはもちろんのこと、MVの内容が内容だけにサル目線での人間への感想に聞こえて妙におかしかったです。

他にも、これはなかなか文章で説明しにくいのですが、6月に開催される栗原さんの生誕祭告知にて新しいソロ衣装をお披露目すると栗原さんが言ったとき、「ちらっと見たんだけどバカ可愛かった」というこの言い方が面白かったです。

蔀さんを筆頭に、この日のMCトークは聞いていてかなり楽しかったです。
自分がグループを観るのはツアーの千秋楽や周年ライブくらいで、頻度は決して高いほうではないのですが、ここにきてトークが凄く緩くなったなと感じました。
これまでも仲の良さは感じてはいましたが、いままで以上です。
楽屋のノリをステージでも隠さず出すようになっているのかもしれません。
お辞儀のタイミングが合わないんだよねといって練習しはじめたり、会話がとっちらかって押し気味になったりと、凄く自由でした。

そういえばこんなくだりもありました。
栗原さん生誕祭の前日が名古屋での対バンということで、遠征からの「回し」をしないといけないことに触れ、お祝いする側の桐原さんと蔀さんが「うちらも生誕祭は当たり前に出ます!」と最初はノリノリだったのですが、主役の栗原さんが「(二人には)ツインテールをしていただこう」と言いだした途端に断固としてそれだけはしたくない二人が固まって空気が凍り、「うちら二人は名古屋で遊ぼっか」と完全に引き出したりするくだりではフロアから笑い声が上がっていました。
自分としてはこうしたやりとりはちょっと意外な姿でしたが結構面白かったので、帰ってからYouTubeチャンネル「リルネチャンネル」の旅先Vlog動画を今にして観るなど3人の関係性のファンにすっかりなってしまいました。

こうしたMCで暖まりきったところで迎えたのがラスト5曲のブロックでした。
ここでは流石リルネードという貫禄を感じました。
ぼんやりとした照明の下、栗原さんのように精神状態によっては涙することさえある名曲「フォークソング」でしっとりと落とし、メンバーの歌い方からノスタルジーを感じる「ふたりのサマーデイズ」へと継ぎつつもサビからフリコピの流れへと緩やかにブリッジし、「夏のレコードがまわりだす」「王道的なLOVEソング」という2曲で楽しい以外の感情を捨てて締めくくる。
完璧でした。
特にハイライトを一曲あげるとすれば「夏のレコードがまわりだす」だったでしょうか。
この5曲だけで対バンを平気で戦えるレベルだと思います。

印象的だったのが、このブロックにかけては誰のソロであろうがフロアでは3色すべてのサイリウムが掲げられていたことです。
栗原さんはピンク、蔀さんは水色、桐原さんは白とメンバーカラーが決まっていて、ファンの方はソロや落ちサビなど見どころとなるパートでそのメンバーの色を光らせます。
気のせいかもしれませんが、ライブの中盤まではソロを歌うメンバーの色だけに光っていたのが、終盤では盛り上がりとともに色が豊かになりました。
例えば栗原さんのソロであってもピンクだけでなく白や水色に染まり出すという具合です。

以上がライブの感想になります。
リルネードは6月12日に単独ライブを予定していて、ここでは新衣装にはじまり「胃もたれしそうな」ほどの大切なお知らせが発表されるそうです。
色々考えは巡らせたくなりますが、楽しみに待ちたいと思います。

◆セットリスト
M0. Overture
M1. ラビンΝν
M2. 東京プリンセス
M3. 純白のリルネード
M4. オトメ・オルメタ
M5. Sweet Second Date
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M6. サルネ!
M7. 今夜、ロマンチック劇場で
M8. 恋愛ちゅー
M9. もうわたしを好きになってる君へ
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M10. ぎゅっとして!
M11. フォークソング
M12. ふたりのサマーデイズ
M13. 夏のレコードがまわりだす
M14. 王道的なLOVEソング
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