ファッションセンスの話。
前回のnoteにも書いたんですが、自分にはファッションセンスはあんまりないと思っています。
学生時代のアルバイトを含めると14年くらいはアパレル業界にいるんですが、正直未だにファッションセンスには自信がありません。
ただ、「センスある風」には見せることに成功しているのかなと思います 笑
「センス」の定義は難しいかも知れませんが、要は「感覚」ですよね。
ファッションセンスとは「感覚でオシャレになれる」と言ったところでしょうか。
この感覚が本当にない!
初めて就職したのが、某トラッド系ブランドの路面店だったんですが、
「トルソー着せてみる?」
と言われて
「はい!やります!」
と元気よく言ったものの、コーディネートしてウィンドウに並べると全然イケてない。
「なんで?」
正確には覚えてないんですが、白っぽいシャツにデニム履かせてカラーベルトを巻いたようなコーディネートだったと思います。
これ自分の普段着とほぼ一緒。
当時のボクは、今で言うミニマリストみたいな格好で、一点ずつそれなりに高いブランドのものを着ていたと思うんですが、そのままトルソーに反映させると地味でしょうがない。
VMDなんて言葉も知らない状態ですから仕方ないっちゃ仕方ないんですが、当時は周りからもオシャレだねとか言われていて、自分のセンスにも自信があったので、これはショックでした。
けっこう悩みましたね。
結局、ボクは前回のnoteに書いたように、誰かに憧れたり、雑誌の影響で洋服を着ていたので他人のマネでしかなく、ただの洋服が好きなだけの若者だったんです。
要するにオシャレをアウトプットすることができない…
これ販売員としては致命的ですよね…
マネがダメとかダサいとかまったく思わないですし、好きなもの着ていれば最高だと思うタイプですが、本質的なセンスっていうものはまったく別だと思っています。
10年くらいこのブランドにいたんですが、在籍中は本当に勉強させてもらいました。
その中で感じたのは
「自分は感覚だけではオシャレになれない」
ということ。
早々に限界を見た感じですね。
でも、なんとかしてセンスあると言われたいボクは、どうしたかと言うと
「センスの言語化」
です。
なんか頭のいいビジネス書のタイトルみたいですが、大したものではないです 笑
センスがないことに直面したボクは、ファッションセンスってなんだろうと必死に考えました。
そこで出た答えを挙げてみます。
①色の組み合わせの良いものを覚える
②柄の組み合わせの良いものを覚える
③洋服のテイストを覚える
④ジャストサイズを覚える
⑤トレンドの大きな流れを取り入れる
以上、この5つでファッションセンスは構成されていると考えています。
(どこかの誰かがすでに言っているかもしれませんし、「足りない」「これ違うだろ」といったご指摘もあるかと思いますが、多目に見てください汗)
少なくともセンスのないボクでも、この5つを意識していれば14年乗り越えてこれました。
一つずつ解説します。
(ボクはメンズ担当の販売員だったので、その接客をする前提で解説しています。悪しからず。)
①色の組み合わせの良いものを覚える
極論かもしれませんが、洋服で使われる色ってそんなに多くないと思います。
ホワイトは当たり前として、ブラック、ネイビー、グレーを主体に、ブルー、レッド、たまにイエロー、ピンク、グリーン、パープルといったところでしょうか。
その中でメンズファッションは、比較的発色の強いものは敬遠する傾向があり、コーディネート全体のカラーバランスがまとまって落ち着いたものを好みます。
となれば色数は絞られてきて、覚えるのは簡単じゃないか?となって、暗記が嫌いなボクでも対応できました。
それぞれの色の組み合わせは割愛しますが、コーディネートとしては
・色数は3つまで
・主体となるカラーは落ち着いたもので、差し色を足す。
といったところだと思います。
②柄の組み合わせの良いものを覚える
柄の使い方も重要ですよね。
全身無地ってのもありですが、それじゃオシャレ感出ないしつまんないし…
色の組み合わせに似ていますが、全体を無地で組んで一点差しとして柄を入れるとバランスいいですよね。
それにプラスして組み合わせられる柄と柄を覚えておくと、かなり有効です。
あんまり多くないはずなので覚えるのも簡単です。
(よく鉄板の組み合わせを覚えておいて、お客さん相手にドヤ顔していました笑)
③洋服のテイストを覚える
これはメンズに限るのかなー?
・ミリタリー
・ワーク
・スクール
・マリン etc
挙げるとけっこう出てくるんですが、これを覚えて洋服一つずつを組み合わせると、キレイにまとまります。
まぁ、ゴリゴリのミリタリーで出歩いてる人はあんまりいないと思うので、その辺の足し引きは必要かと思いますが…
あくまでテイストなので。
④ジャストサイズを覚える
自分のジャストサイズは自分で着るから分かるんですが、お客さんを相手にするとけっこう難しい。
「サイズいかがですかー?」
と、試着室に入ったお客さんに聞いても、お客さんは素人なので分かりません。
特に男性は自分で分からない人が多いです。
そもそも質問が抽象的過ぎる…
質問は
「脇、キツくないですか?」
「ウエストはキツくないですか?」
とか具体的に聞くこと。
あとは外から見える部分のシワの寄り方やボタンの閉まり方から判断してジャストサイズを探ることですね。
と、ここまで4項目を解説してきましたが、販売員であれば、それぞれの答えは自分が所属するブランドやショップによって変わってきます。
ブランドやショップには打ち出すべきイメージやスタイルがあって、それに則した答えがあるはずです。
ちょっと抽象的で申し訳ないですが、これを正確に提案できないと話になりません。
極端に言えば、どのスタッフに聞いても同じ答えが返ってくるくらいのものが必要です。
(なんかブランディングの話になってきた…汗)
これは先輩や上司に聞いて勉強するしかないと思いますし、先輩や上司はここを教えないとダメだと思います。
これがきちんと統一されているお店は強いですね。
ここまでの4項目がベースにあっての次です!
⑤トレンドの大きな流れを取り込む
毎シーズン変化する細かなトレンドを必死に追っていてはキリがないです。
具体的にどうすればいいかというと、
①色
②柄
③テイスト
④サイズ
に絞って覚えること、
(この4項目さっきと同じやーん!そう!この4項目は超重要です!)
そしてその中でも、ワンシーズンで終わるような一過性ではない、時代に連動した大きな流れを掴むことが重要です。
近年のトレンドを例にすると
①をベースにパーソナルカラー診断を覚えて取り入れる
といった感じです。
ここにスタッフそれぞれの個性が出てきて、個人の力でお客さんを惹きつける要因になってきます。
トレンドの提案の仕方、さじ加減については、メンズとレディースで少し違うかもしれませんが、
・普遍的でブレてはいけないもの
(ブランドやショップの打ち出すイメージやスタイル)
・変化を受け入れてもよいもの
(大きなトレンドの流れ)
この2つは明確に分けておかなければなりません。
と、自分では簡略化したつもりが、ものすごい長々と書き連ねてしまいました。
センスのある人はこんなことを言葉にするまでもなく感覚でサーッとやってしまいます。
言語化なんかいりません 笑
なんというか、頭で考えずに溢れ出る感じ?
でも、この言語化が販売の仕事をやっていくうえで、けっこう役に立ってくるんですよ。
また長くなるので、別の回で書くことにします。
今日は、この辺で。
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