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(詩)宝石の子

沓き眼をした娘がいて、
その舌には菫の花弁がはりつき、
愛を囁くたびにわたしの心を拐かすのだった
しかし、彼女は去ってしまった
彼女は美しい夕暮れ、シトロンの夢
伽藍堂の小部屋には
やはり馥郁とした彼女の
薄むらさき色した菫の夢が漂い、
朝まだきに漸く
わたしは失ってしまったことを知った
愛の嵐を
そしてここからは、
この海と退屈しかしない惑星が
わたしを待っていること

(コメント 2024 3 14)
とある好きなアーティストの方が、自分の絵にまつわる詩を募集しているとポストされていたので応募した詩。2020年に書いたもの。タイトルが無かったので今決めました

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