わたしの美しき人生論 第5話「ベトザタの血」
ユハはネイヴを入れた四角い鉄格子の檻の鎖を引っ張りながら、ネイヴの指示通りに道を歩いていった。町というより広い城の庭園が延々と広がっているような場所で、城下町からは門を隔てた私有地だった。
「ねえ、ネイヴ、ここは学校?」
「うん、まあ、そうじゃな。学び舎でもあるし、優秀な軍人を育てる場所でもある」
「ああ、なんだかそんなことをあの人も言っていた……」
「あの人?」
「栗毛の男の子で、この国の王子様だって言ってた。魔法の箒に乗って、窓際までやってきて挨拶してきたの。ここに住ん