見出し画像

暗闇の中で

現在、3時43分です。AMです。

なんでこんな時間に起きているのかと言うと、本人にもわかりません。

心療内科で睡眠薬を処方してもらい、薬がないと眠れなくなってから、もう10年以上経ちます。

そして今、深夜だか早朝だかよくわからない時間に目覚めるようになったのはいつからだったのか、もう思い出すのは辞めました。

まだ頭は覚醒していないので本は読めませんし、流石にこの時間帯にレコードやCDをかけると家族に苦情を言われます。

サブスクは利用していますが、長時間耳元で音楽を流すのにはまだ抵抗があります。難聴を気にしているのではなくて、気分の問題です。

結果、なにもできません。なにかする気も起きません。ただ朝を待つだけです。

格好つけているわけではありません。二度寝はできない身体のようなので、仕方ないのです。

まだ寒いので、散歩というわけにもいきません。不審者と思われても嫌ですからね。

そうですね。もう少し暖かくなれば、夜空を見上げてみるのも良いかもしれません。

そう言えば、夜空に限らず空を見上げることを最近していないな。

「何時でも見れるから」「いつもそこにあるから」という事がどれほど当てにならないか、良く知っているつもりなのですが…。

突然「空(夜空)を見上げる」とか言い出したのは昨日「夜明けのすべて」という、とても素敵な映画を観たからです。

上白石萌音さんと松村北斗さんが主演の映画です。瀬尾まいこさんが原作だったかな。

病名は違えど「心の病」を抱えた2人が出会います。けれど恋人関係になるでもなく、友人ともちょっと違う。ただの会社の同僚って言うのが1番近いのかな。

とにかく「友人以上恋人未満」でもない2人がお互いの病を思いやり、支え合う。その本当に絶妙な距離感がとても素敵でした。

2人は心の病のために「生き辛い」世の中に上手く溶け込めません、それでも生きるために働かなければいけませんし、他人とも関わらないといけません。「生きる」って現実は彼女と彼には合わせてくれませんから。

私も「心の病」を抱えて生き辛い世の中を生きています。恵まれている方だと思いますが、やはり世の中に上手く溶け込めず、苦労しています。それでもやはり私も生きていかねばなりませんので働き、お金を稼ぎます。他人とも関わり合います。時に酷く傷つけられ(逆もあるのでしょうね)、本当に生きているのが辛い時も度々あります。

それでも生きていかねばなりません。それが現実です。辛くても、悲しくても、もう死んでしまいたいと思っても、我々は生きていかないといけません。

それが「生きる」という事ですし、たくさんの命の上に成り立っている「自分の命」に責任を持つという事だと思います。勿論、日々支えてくれる人々のためにも「シッカリ」生きていかねばなりません。

話を映画に戻すと、最後の方に「移動式」のプラネタリウムが出てきて上白石さんが解説を担当されています。その時の文章が(細かいところまでは覚えていませんが)とても心に残りました。本当に素敵な映画なので、よかったら観てみてください。

ヒトはとかく「夜明け」を待ち望みます。朝がくれば、新しい1日が始まれば、昨日の失敗をリセットできれば…。

そうすれば、このとても辛い世の中で今日も生きていける。そう思えるからではないでしょうか?

でも私を含め、多くの「心のバランス」を欠いた人、「心の病」を抱えた人々は、例え夜明けが来ても心は朝を迎えられません。

我々は暗闇にいます。傷ついた心を癒せず、他人を憎み、自分自身も憎んでいます。時に容赦なく現実に打ちのめされます。それでも生きねばなりません。例え今暗闇にいても。

ただ今回、「夜明けのすべて」を観て「暗闇にまだいてもいいんじゃないか?」と思いました。

夜がなければ星は見えませんし、睡眠を取ることもできません。暗闇は何も見えない分、静かです。考え事にはとても向いていると思います。私も「貴方も」、まだ色々なことを考えないといけないから。

今はまだ「暗闇」にいましょう。

そして「夜明け」を待ちましょう。

生きるために。

夜空を見上げる気持ちを忘れないために。

星は迷った人に方向を教えてくれます。

すべての人に、平等に。

だからまた立ち上がれる時が来るまで、

今はまだ「夜明け」を待っていましょう。

暗闇の中で。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?