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|架空短編|猫ちゃんだって、ルード・ヴィッヒ……なんだって………!


シャム猫の自称バイエルン新国王、ルードビヒは豪勢に、栄誉栄華で豪奢かつ退廃的な私生活に満足し、その毎日に耽溺していたのでした……。

昼でも真っ暗な城の暗闇の中で、シャム猫特有の赤い目、暗闇の中でも真っ赤に光る目、を輝かせ、文字どうり虎視眈々と、次は何かをやらかしてやろうか、と企んでおりました
。その視線の先にあるのは部屋の中をフラフラと浮いている数々の幽霊だったのです………
猫の特殊能力……………。

ルードビヒ国王は、心の傷を抱いていたのでした。好きで愛していた親戚の公爵のアメショウのメスネコ、エリアにフラれちゃって、失意のドン底に陥り、辛酸をなめて、両前足を舌でナメナメしながら心の傷をネコちゃんはナメて癒やしていました。それでも傷は塞がりませんでした………。

😽ルードヴィッヒが、もしネコちゃんだったら😼

ルードビヒはヤケになったニャンコでした。
シャム猫の真っ赤な両目を暗闇の中光らせて
、毎夜毎夜のネコの貴族達を集めての豪華なパーティー、ネコちゃん数千匹にキャバレーダンスを踊らせ、それを眺めて酒に酔いしれ自身も金銀ダイヤ宝石を散りばめた王冠をかぶり、真っ赤な数億もするマントに衣装でタップ・ダンスをいきなり踊り始め、そのタップで皆を驚かしては腹を抱えてニャンコロリン、と転げ周りケラケラとあざけわらうのでした。そしてネコ特有の気だるく、いいかげんな性格からゴロリンとねころび、能天気に
大あくびをするのでした。


ニャンコ・ルードビヒ国王は贅の極みを、尽くし、なおかつ退廃的な美意識でバイエルン王国を喰い尽くそうと、とにかくあらゆる画策を尽くし続けていきました。頭の知能指数が、たかが知れているネコちゃん如きには、
やれる事など赤子の手をひねるくらい、誰にでもわかり過ぎる事なのでした。

挙句の果てには、メス猫をイメージさせた、ノイシュバンシュタイン城という巨大な城を、後先考えずに財政破綻も顧みず予算をつぎ込み、自身のヤケになった末の美意識で、城を建ててエッヘンと悦に入っていました…
………………。

やがては、そんな自滅的な、自堕落な生活も
続くはずもなく……………国民や、軍隊、新たに台頭してきたワンコ・犬の政敵の不満が徐々に鬱積し続け、ついにはルードビヒ国王は、国を追放されてしまいました。

そんな、こんなでシャム猫のルードビヒ、バイエルン元国王は少しの、お付きの従者の猫
数匹を従えて、夜のメスネコ城の大きな池に船を浮かべて、シャムの真っ赤な目をギラギラ光らしながら、錯乱状態におちいり、訳の分からぬ自分自身の美意識であろう、手前勝手な言葉の数々を、戯言をニャーニャー、ニャンニャン、アーオン!アーオン!と、発情期のメス猫の様に不満げにわめきちらし、

最後に毒を飲み池に身を投げて自殺してしまいました。

・バイエルン国王最後の地・

その夜、池の端の草むらに、金粉が体に降り注いだ、ニャンコ・ルードビヒ国王の水死体が上がったと言うことです…………。


最後まで見ていた、イタリアの故、ルキノ・ヴィスコンティ監督は、不自由な方半身を引きずりながら

「この私が、こんな馬鹿みたいなネコが主演の映画なんて撮るわけがないぞ!!」

と、罵声を投げ掛けました、という説がまことしやかに触れ回りました。典型的なイタリアの偏屈な老人の映画監督が、がなり立てるみたいに。

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