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三月一一日

 あの日からまた一年の月日が過ぎ去る。忘れたくても忘れられない日。いつまでも記憶の片隅にこびりついている日。遠くの景色があっけなく簡単に崩壊するのを見て心が痛んだ日。三月一一日。
 今週も今日もテレビの報道番組をじっくりと眺める。今週も今日も特集は地震・津波・避難・被災地からの支援。三月一一日から一三年経過していることを思い知らされる。未だに忘れなられない。心の欠片がまだ三月一一日で止まったままの状態。いつになったら心の欠片の時間がまた進み出す?どうすればこの心の痛みは消えるのだろうかな?答えを探すが一〇年過ぎても見つからない。
 「後数年すれば子どもたちは日本の歴史の中で起こった大規模災害としか捉えないだろうか?」「学校の教科書の中の出来事として収まるのではないだろうか?」ぽつりと考える。何とも言えないやるせない思い。力の弱い言葉では表現できぬ思い。一つため息をつく。どうしようもない無常観。

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